西伊豆・大瀬崎 ようこそ! あなたは 番目のお客様です 一日一首を義務づけて 私がんてつの身の周りに起こったこと、ALSとの格闘?の模様、 季節の移ろい、世の中の出来事までをも、三十一文字に纏めて、 日記のつもりで短歌らしきものにしています、どうぞ、ご笑読下さい。 岩波書店より 「生きる力」(840円) として、出版しました。 購って下さい、読んで下さい、印税は全額ALS協会へ寄付されます。 目標を立てざる一年が暮れゆけば自ずと反省などの無かりき もの想ふことのみ多き一年を短歌(うた)詠みごときにうつつを抜かす この一年を三百六十五首に詠み振り返り 振り返りつつ暮るる (いよいよの大晦日です。 この一年のご来訪、誠に有難うございました。 来年も稚拙な歌ではございますが、アップし続けますので宜しくお願いします) 07年12月30日(日) 東京を日本を後にす人々をテレビニュースに見送る歳晩 (毎度お馴染みの風景ですが、28日の御用納めの夜には高速道路の混み始めを、 翌日からは海外でお正月を、という人々の日本脱出劇をテレビニュースが伝えました。 29日土曜日から始まって、4日の金曜日を挟めば9連休ともいわれていますので、 殺人的な大ラッシュにはならないようですが、 残念ながら私は、テレビニュースに見る人々を、ただただ見送るのみにございます) 07年12月29日(土) 今いちばん可愛いね!と言はるる四才がにっこにこして父母らと訪いこし クルマとね新幹線とえ〜とえ〜とねデンシャにのって〜おば〜ちゃんちへきたの お姉ちゃん!と呼ばれし孫娘(まご)は二年生妹(いも)と母との間(はざま)で泣きし お母さん!お母さんてば!お母さん!吾娘は一日呼ばれて暮らす お父さんは大好き!嫌い!に揺れ動くおむつ替えたの俺だ!とぼやきつつ (岩手県の大船渡に暮らす娘一家4人が、お正月休みを利用してやって来ました。 小学2年生の姉に4歳の妹、4ヶ月ぶりですがそれぞれに成長していて、 嬉しいやら感心するやら。いろいろとやってくれて飽きる暇がありません) 07年12月28日(金) 電飾を脱がされ身軽き大欅冬晴れ仰ぎ大伸びをなさん (イルミネーションの電線で、ガンジガラメにされていたケヤキ並木も、 お正月に向かって開放されたところもあるようで、冬の澄み切った 空に向かって背伸びをしています。本来ならば葉を落として休眠期 に入って冬眠を始める頃ですのに、人間様のお祭りに付き合わされて さぞや迷惑だったことでしょう) 07年12月27日(木) リビングが俄仕立ての湯殿となりて湯船に新湯の満ちてゆく音 若きらに身柄預ける入浴はマニュアル通りに洗われてゆく (今は週一回ですが、「訪問入浴サービス」を利用しています。 自宅のお風呂へ予めお湯を沸かしておき、ポンプで運びますが入浴中も 新しいお湯を足しつづけますので湯温が下がる心配はありません) 07年12月26日(水) 冷えてます霜です氷もはりました朝の挨拶を寝床で聞きぬ 今朝は冷えてますよ! 8時に来てくれたヘルパーさんの第一声で目覚めました。 昨晩は、月が煌々と輝くほどの快晴?でしたので放射冷却も手伝って のことかと思われますが、練馬で年内に氷が張る程の冷え込みは久し振りです) 07年12月25日(火) 上階より降りくる音は大掃除をなすらし日がな一日絶えず (今年も残すを一週間となり、大掃除に精を出されるお家もあるようでして、 上の階の何処かのお家でしょう、それらしい音が頭上から聞こえてきていました) 07年12月24日(月) 落葉を樹下に散り敷く林にて明るきもみぢ模様に魅せらる 12月14日撮影 紅葉葉(もみぢば)を樹下に散り敷く林はいま もみぢ模様を見せて明かるし (光が丘公園の雑木林の紅葉はほぼ終わっていましたが、 散り敷いた様子がこのように綺麗で、ずっ〜と地面を見ながらの散策でした) 07年12月23日(日) 射るごとき北風落ちし夜半なるにしじまを破り雨降り出でぬ (昨、日中の冷たい強めの北風が止んで静かな夜となりましたが、 日付が替わる頃から雨が降り出しました。その雨もお昼前には止み、 今日は快晴、いいお湿りでしたが、これでは直ぐにも乾いてしまいそうです。 インフルエンザの流行期となり、風邪対策グッズが売れに売れてるようです。 どうぞ皆様も、充分にお気を付け下さいまして、健康的な年末年始をお過ごし下さいませ) 07年12月22日(土) 忘れたき事にしてまた忘るべからざる事の多かりき年も暮れゆく (嫌〜なご時世で!は座頭市のセリフですが、 そんなセリフがピッタリの一年だっように思われます。 世の中全てがそうであると言っても過言ではないように思われますが、 私に関しても、決して忘れてはならない事や、絶対に忘れられないだろう事も2.3あって、 その全てが嫌〜な事ばかりでした。来年こそは!等と意気込む気力は正直失せつつあります) 07年12月21日(金) 木枯らしと師走の声に紅葉みな掻き消されたり冬木の寒し (あれだけ目を楽しませてくれた 欅、桜、公孫樹でしたが、すっかり葉を落として寒々としてきました。 青空は嬉しいんですが空っ風が・・・それもそのはず、師走も残すを10日となりました) 07年12月20日(木) 言霊は自(し)が声にして天に唾なすがに聞こゆ夢の迷路に (変な夢を見ました。何かに怒って大声で怒鳴るんですが、 返ってくる怒鳴り声が私を咎めるような言葉に変ったようで?、それにまた怒鳴ってる? そんなやりとりに発する、自分の声にハッ!と気付いて目覚めましたが・・・?) 07年12月19日(水) 着膨れて池辺に遊ぶ野鴨らに餌遣るを禁ずの立て札無粋 (野生であるにもかかわらず足元まで寄ってきて餌をねだる野鴨の姿は実に愛らしいものですが 上野・不忍池では、散策に来る人達が、人間様が食べる加工食品を遣ってるとかで、 体重が5割増にもなるほどの肥満体が目に付くようになったと発表されました。 冬毛に包まれて膨らんでるものとばかり思っていましたので驚きです。 それにしても野生が肥るほど餌を食べるんですねえ、人間社会のみならず・・・困ったものです。 野生の鳥は、飛ぶ事が生きる事に直結しますので、冬であっても肥って飛べなくなる程食べる とは考えられませんが、人間が与える加工食品が高カロリーであることを知らないんでしょうね) 07年12月18日(火) ゆうるりと夜の帳が下りゆくをカーテンゆっくり引きつつ見をり (昨日の日没どきの様子です。 カーテンをサッ!と引いてしまうには勿体ないほどの、 ちょっとした天体ショーを見せてくれました。 蒼い空の底が夕陽に焼け、建物全てがオレンジ色に染まり、 一瞬でしたが、北へ向かって飛ぶ飛行機や、アンテナ、 避雷針の先端がキラリキラリと光ったりして、それはそれは美事でした) (写真が無くてご免なさい) 07年12月17日(月) カサコソカサコロコロビュービュー木枯しの狂想曲なり枯葉の奔走 一陣の風に枯れ葉の舞ひ踊る雑木林に初冬の薫り (無風快晴に背中を押されて光が丘公園へ出かけましたが、地下鉄駅から 一歩外へ出ると予報どおりの北風がビュー!ビュー!で寒いことこの上なしでした) 07年12月16日(日) 大丈夫!健康体とのお墨付きを戴き見上ぐる冬空の澄む (タイミング悪く、煙草の副流煙で「肺腺癌」を誘発する確率が高まる、と発表されましたので、 30数年をお客さんが吸う煙草に悩まされていた者としては、穏やかには待てませんでした。 結果はオーライ!、近い過去に起こした炎症の痕、でしょうとの診断でした。 そういえば、風邪でもないのに乾いた咳が続いた時期があったなぁ〜、で終わりとなりました) 07年12月15日(土) こんにちは!と友は訪ひ来ぬ一陣の木枯らしさへもおみやげとして (強めの木枯らしが吹いていた昨日の夕方でした。 訪ねてくれた友人が玄関を入ってきたとたん、 部屋の空気が冷たいものと入れ替わってしまいました) 07年12月14日(金) <影の在る>肺を小さき胸に抱きその日を待ちゐる妻の愛しき まさかとふ坂を登りつつ待つ妻と同じ坂往くまさかまさかと (月曜日に受けたCTスキャナーによる精検の結果は、 今週中には知らされる段取りですが、残すを一日となりました。 待つ事の辛さを何処かにぶつけることも出来ないままにその日を待っています) (愛しき=気の毒だ。かわいそうだ。ふびんだ。) 07年12月13日(木) 「偽」偏と「嘘」を併せて「なりきん」と読ませし輩(やから)の青息吐息 人が為す故に「偽」とはああ神よ!正道を往く我も人なり (昨日、恒例の2007年「今年の漢字」「偽」が、 京都の清水寺の森清範(せいはん)貫主の手によって発表されました。 日本漢字能力検定協会が全国から公募した9万816通の内、断然トップの1万6.550通が 「偽」 ペコちゃん、挽肉、白い恋人、赤福、船場吉兆等々の、偽装、偽証、偽造。 加え、年金記録、政治資金の「偽り」に、この一年は振り回されました。 2位以下は、食、嘘、疑と続きますが、ご免なさい!の最敬礼を、 テレビ画面に見ない日は無い程の乱痴気(らんちき)ぶりでした) 07年12月12日(水) 充電を為すにや蝶が羽広げ冬の日向の八手にねまる (こんな寒さの中にチョウチョが居る事自体驚きですが、 オレンジ色に黒っぽい斑模様の翅を水平に開いて、 八手の葉の中間に留まったままじっと冬の陽を浴びていました。 暫くして目を遣ると居なくなっていましたので、 太陽エネルギーを身に蓄えて飛び立っていったものと思われます) 07年12月11日(火) 冬の陽は窓より這入り姿見で角をば曲がり朝を告げ呉る (ベッドの東(右)側の壁一面を埋めている書棚に、朝日が射し込んでくるようになりました。 お天道さんが西から出るはずはありませんが、リビングの鏡に反射してのことです。 ヘルパーさんが来て、カーテンを開けると同時にパッ!と目の前が明るくなります) 07年12月10日(月) 「高齢検診」(けんしん)で肺に影がと精検を促す医師の眼(まなこ)は笑ふ 「影」と聴き打ち消す根拠を持たざればただオロオロとその時を待つ (この歌は妻の事です。 私の往診の際に、先日妻が受けた「高齢者検診」の結果を持ってきてくれ、 「肺に影が在るからCTでの精密検査を受けるように」との事でした。 まさか!まさか!でしたが、念の為よ!がついていましたので 多分、多分!大丈夫!だと思います。身内に癌患者は皆無ですし) 07年12月9日(日) お礼なす程には咲かざりし海棠に寒肥を遣る来春(らいはる)を期して (この春のカイドウ君は、どうしたものかたった5房しか咲かず、 枝ばかりを伸ばしてましたのでお礼肥を控えましたが、ここへきて 葉をすっかり落として休眠期に入りましたので、遅効性の肥料を施しました。 これできっと、来春には沢山の花を咲かせてくれるものと今から期待しています) 07年12月8日(土) 外灯の点く刻限の早まりて短日補ひ庭を照らせり (庭園灯が燈るのを合図にカーテンを引いてますが、 その時刻が随分と早くなりました) 07年12月7日(金) 終着の電車は客を吐き出だし背伸びするごと床をせり上ぐ (池袋駅で折り返す電車を待っていましたら、満員の電車が到着し、 どっとお客の群を吐き出しながら車高(床面)が高くなっていきました。 乗客の重みで沈んでいたものが、元へ戻っただけのことですが、 ひと仕事を終えて、ウゥ〜ン!と背伸びをしたような・・・) 07年12月6日(木) 師走には師走に相応(ふさ)ふ顔が往く年始に年始の顔往くやうに (師走の声を聞くと同時に街中の様子が一変します。 街のみならず人の表情さえも・・・・・と感じたりします。) 07年12月5日(水) サブウェーは地中より浮上し冬陽降る甍の海を西へと奔る (新木場を出た「東京メトロ有楽町線」は、 我が桜台駅を過ぎた辺りから地上に出て高架線を奔ります。 練馬を過ぎるとビル群が消えて瓦屋根が見渡すかぎりとなりますが、 やがて地上へと降りてゆきます) 07年12月4日(火) 野鴨らが遊ぶを取り巻く幼らの外を遠巻くカメラの放列 (テレビのニュースで見た、冬のひとコマです。 数種の野鴨の群れが川辺で、人が与える餌を先を争って啄ばむ様子を、 幼稚園児らしい一群が遠巻きに見たり餌を遣ったりしてましたが、それを 囲むおとな達は手に手にカメラやケイタイを向けて鴨などはそっちのけです) 07年12月3日(月) 乾き切る大地が雨を待つやうにけふも渇望す<あなたの声>を 干上がりし田畑が雨を吸ふごとく<あなたの声>の耳に優しも 五色なす砂丘が雨を吸ふやうに<あなたの声>を力となさん (上三句は、心身共に病んでる私自身で、 <あなたの声>は、読んで戴く貴方の想像にお任せします。 薬だったり、手、心、言葉、時には物だったりと、病む私が欲している全てのつもりですが) 07年12月2日(日) 茜雲がビルの谷間を埋め尽くし天地たちまち血染めとなりぬ (歌の夕焼けは、テレビニュースで見た様子を詠んだものですが、 これは我が家の庭から見たものです) 07年12月1日(土) 孫の手も猫の手も無し頼るのは妻の手いまは糠味噌の中 早くぅ〜! この手でもいいのぉ〜! いいわけありません!がまん!ガマン!我慢!です) 07年11月30日(金) もみぢ葉は池に沈みて春を待つ金魚も動かず彩を添ふ このまま腐ることなく春を迎えるんでしょうが、 水温が下がって動きか鈍くなった金魚が彩りを添えています) 07年11月29日(木) 朝光に桜紅葉がきらめきつつまたひとつ散りひとつまた散る 07年11月28日(水) 見慣れ来し街並みはいま秋深く真直(ます)ぐに紅葉(もみぢ)す桜の並木 西を見ると、桜の並木が美しく紅葉して真っ直ぐに伸びています。 当たり前のことですが、春夏秋冬四つ変化、それぞれの表情を見せてくれます) 07年11月27日(火) 確かなる<治療>の薬を待ち待ちて九年有余をALSと暮らす 人の皮膚細胞からつくる事に成功した、との発表がなされました。 人体のさまざまな細胞や組織に育つ万能細胞であるともいわれています。 我が「ALS」にとっては画期的な朗報で、自分の皮膚から神経細胞や筋肉細胞をつくって、 直に移植する、という治療が夢でなくなったようです。実際に治療できるまでには、 まだまだ遠い道程を辿ることになりましょうから、私自身には到底間に合いませんが、 後に続く方々には、「不治の難病ALS」ではなくなる可能性がでてきました) (異変を自覚してから9年有余、 待ちに待った「確かな治療につながる技術」ですが、いかんせん遅過ぎました) 07年11月26日(月) ビル、校舎、甍の屋根も二つ三つこの風景はきのふと同じ 僅かに瓦屋根の家が二つだったり三つだったりするだけです。 小学校舎脇に公孫樹の大木が二本見えますが、今年は未だに緑を纏っています) 07年11月25日(日) 緊張でコチンコチンに固まりし新ヘルパーさんに身柄を預く リラックス!リラックス!と声を掛けるんですが一向に耳に入らないらしく、 カチンカチンに固まってのスタートとなりました。 今日が2回目、普段はご老人の介助、介護が主流ですので無理からぬことです) 07年11月24日(土) 臥せをれば紅葉狩る術持たずただ旅番組に秋を視るのみ ですが、どうしたものか殆どの番組が風景などそっちのけで、食べる事に かなりの部分を割いています。こちらは見るだけではどうにもならない代物 ですので、フラストレーションが溜まる一方ですが、でもでも視てしまいます) 07年11月23日(金) 込み上ぐるものを堪へて笑顔見す優しき言葉は苦手でござる とのことですが、私自身がそのとおりと納得しています。 特に、優しいお言葉には弱くなりました) 07年11月22日(木) ゆく秋を惜しむまもなし木枯らしの翔けゆく並木路に桜葉躍る 強い冬型の気圧配置とかで、東京地方に2号とも云える木枯らしが吹きました。 何時も通る桜の並木路ですが、落ち葉が舞う中を歩いたのは初めてでした) 07年11月21日(水) 寒空に行列つくるラーメンで冷えし身体を温めるために どうしたものかお客が外で列を為して順番を待ってる姿をよく見かけます。 あれでは、凍えてしまいそうですが、そうまでして食べたいものなのでしょうね。 でもでも!ラーメン専門店の浮沈の激しさには眼を見張るものがあります) 07年11月20日(火) 秋晴れかはたまた冬の青空か十一月(しもつき)二十日の日溜まりの庭 はて?と悩んだところからこのような歌になりました。 抜けるような青空と街中の紅葉は秋、でも、肌を刺すほど冷たい風と 夜の冷え込みは冬のそれ、木枯らしが吹いたら冬、と言われてはいますが、 暦は未だ11月、なんとも悩ましいことですが、あと10日もすると師走です。 本格的な冬の到来ですが、去年と違って例年通りに寒い冬になるようですね) 07年11月19日(月) 居座りゐし秋け散らして木枯らし過ぎ今宵はしづかに冷えまさり来ぬ 日中は22度にもなって秋爛漫でしたのに、一瞬の木枯らしが吹き抜けた後に 冬が音もなく静かに入り込んで、ストーブを焚くほどの冷え込みとなりました) 07年11月18日(日) 未(いま)だ見ぬインフルエンザに脅えつつ打たんワクチンの痛みに怯ゆ 07年11月17日(土) ひと山の年賀ハガキを前にして正月気分をまさぐりてゐる 現状は正月どころじゃありません。でも、元日に届くようには出すつもりです) 07年11月16日(金) 抱きよせてぐっと抱きしめ抱き起こすヘルパーさんは大汗小汗 ヘルパーさん及び女房にはお世話をかけています) 07年11月15日(木) 頂を雲に預けて超高層のビルは眠れる赤い灯に護られて 天辺を雲に預けて超高層 ビルらは眠る。ネオンの海に 今時の高層ビルも雲の中に頭を隠してることがよくあります) 07年11月14日(水) この青空(そら)が今日一日中続くなら何にも要らない笑顔のほかは (皆さんもこんな日は、お陽さんを背にして空を仰いでください。 きっとこのような蒼空が見られるはずですよ) 07年11月13日(火) 二十四時間三百六十五日を眠らないコンビニの四階に今朝も目覚めし 資源の無駄遣い、地球温暖化が叫ばれる中、相も代らずの24時間営業、 今となっては都会の生活には欠かせないものとして、「便利」を提供し続けています) 07年11月12日(月) 健気にも「身に棲む<癌>を殺す!」と言ひ吾がヘルパーは暇(いとま)を請ひき 温存!とメールにあるも乳房にメスを入らるる女(ひと)を想ひぬ 風の便りによりますと手術が無事終わり、続いての放射線治療も終わって、 現在は自宅療養中とか、一日も早い現場復帰を願うものですが、精神的 にも辛いおもいをなさったことでしょうから、ゆっくりと時間を掛けて 体力快復とともに完全治癒を勝ち取ってほしいものです) 07年11月11日(日) 加湿器の準備整え止み間なく降る雨見上ぐ胸をかき抱き 5月に仕舞いこんだ「加湿器」を取り出して点検を終えました。 我が練馬は、11月だというのに不順な天気が続いていて湿気もたっぷり、 今日も朝の内まで冷たい雨が降って、日中も時々、加湿器どころじゃありませんが) 07年11月10日(土) 冬立つを諾(うべな)ふばかり降る雨のただ冷たくて街は霞める 立冬を過ぎましたので当たり前のことでしょうが、 紅葉を愛でるには絶好の三連休ですのにこれでは台無しですね) 07年11月9日(金) 左右(さう)のこと 難儀なものよ 右手(めて)と言ふに 左手(ゆんで)とられぬ ヘルパーさんに 当然左右は逆になります。これが実に大変なことで、中には、私に背中を向けて、 あっこっちね!で動かれる方もいらっしゃるほどです。女房との喧嘩は、 これが発端となることが少なくありませんので、慣れるとか、 マスターするとかは至難の技かと思います) 07年11月8日(木) 柔らかき陽を背に絵筆を揮ふ人らの描く紅葉に見蕩れて暫し 「つつじ公園」と銘打ってますが、ハナミズキも沢山植えてあって、 その紅葉が赤い実とともに見頃となっていました。折からの小春日和、 中年の女性10数人が、思い思いに写生をしていましたが、殆どの人が ハナミズキの紅葉を、水彩絵の具で柔らかい感じに写してて見事でした。 一目でそれと判る形(なり)をした老年の男性が付き添ったりしていましたので、 多分、絵画教室の写生会だったものと思われます) 07年11月7日(水) 今生のいやいや今年の食べ納め松茸一片噛み締めてをり 最後の一本をスライスして火にあぶって、その内の最後の一片を・・・・・) 07年11月6日(火) 野鳥らが播種せしモチの実根を張りて赤実稔らせ野鳥待ちをり 糞と共に置いていった種が芽を出し、何時の間にか育ったモチの木です。 鉢植えですが今年初めて赤い実を着けました。もうとっくに食べられてしまいましたが) 07年11月5日(月) 父がもしこの世に在らばと想ひ馳す兄が黄綬褒章を受くるを知りて お袋がそうであるように、きっと喜んだものと思います) 07年11月4日(日) あの夜の戦場ヶ原のあの星をまなうらに描き仰ぐ東京の夜空を 無理だろうとは思いつつ灯りを消して見てみましたが・・・矢張りでした) (もう10年以上も前の事ですが、11月の末頃に奥日光の戦場ヶ原で 見た星空は、その星明りで向こうの山までもが見透せるほどのものでした。 空一面隙間がないほどの星、今でも脳裏に焼き付いています) 07年11月3日(土) どんぐりに穿ちし穴より蛆虫は鼻面のぞかせ外界うかがふ 何かの幼虫でしょうが、こんな処へ連れてこられて戸惑っているんだと思います) カーテンを窓いっぱいに開け放ち秋陽を浴びんと長々と身を置く 太陽が低い処を渡るようになりましたので、日脚がリビングの三分の二辺りまで 入ってくるようになりました。外出がままならない私にとっては有難いことです) 07年11月1日(木) 血圧を測らるる腕にドクドクと血潮のたぎつ音を今聴く 血圧計の数字を睨む看護師の目が拒みいる話しかくるを ある瞬間からドクドクと脈の音が聴こえてきます。 あの瞬間の数字が最高血圧なんだそうですが、 その数字に一喜一憂するなんて愚の骨頂と思いつつも、 降圧剤を服んでる身としてはついつい「幾つ?」と訊いてしまいます) 07年10月31日(水) 幼らのあった!あった!とどんぐりを拾ふ声満つ広葉樹林に 幼い10人ほどの子供らが、歓声を挙げながらどんぐり拾いに興じていましたが、 手に持つ袋にはかなりの量が入っていて、得意げに見せてくれました。 自然?の中で遊ぶ子供らの姿っていいですねぇ) 07年10月30日(火) バスタブより宙を渡りて椅子に座す介護入浴は面白きかな ヘルパーさんに上向きに抱え上げられて運ばれます。 まさに胴上げ状態ですが小柄な女性ヘルパーさんの 必死さを体感すると余り気持ちのいいものではありません) 07年10月29日(月) 看て呉るるヘルパー四人はおしなべて六尺あまりの偉丈夫なれど それも、182、184、185、187センチの大男。よくもまあ〜!揃ったものと驚くばかりですが、 大きいがために、必然的に中腰での仕事になります。鴨居にゴツン!などの痛みは ご自分持ちですからいいようなものですが、大汗を掻き掻きヘルパーとして 働く姿は、普段目にする事は殆どないだけにユーモラス感さへ 覚えます、と言ったら怒られます・・・でしょうか?) 07年10月28日 虫籠にスズムシの雌うごめくも鳴き音のなくて秋の深(ふ)けゆく (スズムシの世界も、人間社会と同じようにメスの方が長生きのようで、 未だにモゾモゾと動き回っています。卵を産んでるかどうかは定かではありませんが、 餌はしっかり食べていますのでまだまだ生き続けるものと思われます) 07年10月27日(土) 季節(とき)ならぬ20号台風に睨まるるも睨み返して我が家を背にす (台風20号が関東方面を睨んで北上中!と注意を促していますが、 「まさか来る訳ないよね!」と、女房殿は出かけて行きました。 我が練馬は冷たい雨こそ降っていますが、風は無く静かです) 07年10月26日(金) 秋の日は氷雨に煙りて暮れ急ぐ胸元擁抱く寒ささへつれ 07年10月25日(木) キノコ狩りせし少年期をまなかひに描きつつシメジを食して楽し 秋の今頃はザザンボ(きのこ)採りに夢中になったものです。 サクラシメジ、ネズミタケ、ササタケ、シイタケが主でしたが、 自分だけの秘密の「城」(集中的に生える所)を知ってて、 それはそれは楽しい思いをしたものでした) 07年10月24日(水) 晩年と今を思へど楽しかり数多の看護婦、ヘルパーに囲まれ (晩年などと言うと叱られるかもしれませんが、 自分的には、「ALS」と告知を受けてからは晩年と位置づけて暮らしています) 07年10月23日(火) ひと月を巡りて見上ぐる栗名月は蒼く冴へたる南中に浮く (今宵は十三夜とのこと、豆名月とも栗名月ともよばれる月が、冴え渡った南の空に見事です。 皆さんご覧になられましたでしょうか?、中秋の名月の頃は雨や雲に邪魔され勝ちですが、 秋天が安定する今頃になると湿気がとれて見事なまでに澄み渡ってくれます) (ALSのみならず、老人性健忘症も年毎に進行してまいりまして、 「後で」が利かなくなってしまいました。思いついたらその場で「メモ」ですが、 手が離せないからなんて断られると、ほぼ100%消えて無くなってしまいます) 07年10月21日(日) 「優しくて明るく振舞いお元気な」ヘルパーさんは我の妻なり (「優しくて明るくてお元気な」奥さんですね。と皆さん仰いますが、 蕎麦屋のママ(何故かこう呼ばれていました)を30年も遣ってたんですから、 サービス精神が身に付いてて、私以外の方に接する時の術を心得ているものと思われます。 勿論、こう言われて悪い気がするはずはないんですが・・・・・後は止めときます) 07年10月20日(土) 背中押すがに暮れ急ぐ秋の日に長き影追ひ家路を辿る (ビルの隙間から覗く夕陽が、長い影を演出してくれています) 07年10月19日(金) 在宅の医療.看護のアンケート 回答に記すは「満足してます!」 「在宅医療看護についてのアンケート」が届きました。 この手のアンケートは直接関与している方々の目には触れない もののようですが、人情としては、どうしても意識をしてしまいます。 今回のは、そのような心配りは不要のものでしたので、本音での回答をしました) 07年10月18日(木) 背に湿布を貼るさへ出来ぬと嘆く妻、<ALS>(やまひ)に臥す吾は只ただ傍観 ひとりで湿布と格闘してる様子をイメージしてみてください。 思わず笑っちゃいますが、その実状は笑い事どころじゃありません) 07年10月17日(水) 秋の陽は馥郁たる香を抱きこみて金木犀咲く庭に溜まりぬ ヘルパーさんの、「久し振りのお陽さんで金木犀が良く香ってますよ〜」のとおりいい天気でした) 07年10月16日(火) 庭にはや赤き病葉(わくらば)まとひたる海棠あやし紅葉(もみぢ)とぞ見ん カイドウだけが赤みを帯びてまるで紅葉をしたようです。良く見ると葉裏に 細かいブツブツが一面に付いています、何かの病気に侵されたものと思いますが、 時既に遅し手の施しようがありませんので、散ったら殺菌剤でも撒布しようと考えています) 07年10月15日(月) 手当て為す術なき病に臥すこの身が看護婦さんの温き手を待つ 手当てとはよく言ったものですね。有難うございます) 07年10月14日(日) 夕闇の迫る市街に鳴き騒ぐカラスらを仰ぎみな怪訝顔 大騒ぎをしています。学校やマンションの屋上、電柱、イチョウの樹だったり しますが、争ってる様子はありません。下を通る人々が立ち止まって 見上げていますが、皆さん一様に怪訝そうな顔で言葉を交わしています。 「カラスが騒ぐと人が死ぬ」と、子供の頃お年寄りから聞かされていましたが、 あの真っ黒が不吉なものを連想させたものと思います) 07年10月13日(土) 額縁の猫のゴンベは三十才おいらの暮らしを今も見てゐる 以来彼は、私ら夫婦の様子をず〜と見続けています。こちらも何かにつけて 話しかけたりしていますので、人様が見れば「おかしいんじゃない?」だとは思い ますが、家族4人の最後が帰ってくるまで、玄関で待っているというお利巧な奴でした。 テレビに出演したりと、それはそれは沢山の思い出を遺してくれましたので、 何時までたっても私らと共に生活をしています) 07年10月12日(金) 「利用者さん!」などと呼ぶなよヘルパーさん!療養暮らしに嵌ってしまう 当然と言えましょうが、 ほんとうに申し訳ないほど尽くしてくれています。 私は、介護関係者から、利用者さん!と呼ばれることに違和感を覚えます。 と言って、いいネーミング案があるのか?と訊かれると困るんですが、 人様の手を「利用」するなどとは自分からは言えません) 07年10月11日(木) 三十有余年を商ひし<三芳野>の暖簾を降ろす民法に負けて 署名為し捺印為して蕎麦店を商ふ三十五年に終止符を打つ <二八そば三芳野>といふ看板を芥(ごみ)と成す重機の憎しも憎し 情け容赦なく、重機が壊して押し潰して・・・「芥」となった物をダンプに載せて・・・。 35年の歴史が、たった三日で跡形も無くなってしまいました。法に順ずれば、 これが一番の得策、と裁判所に指示され、双方の弁護士同士が話し合った末での「和解」。 納得が出来ないままの終焉でしたので、重機にさえ憎しみの感を抱いた次第です) タイル、砂利、デコボコ、かまぼこ、上り坂を避けて遠回り 車椅子ゆく 07年10月9日(火) 雀には雀の流儀のあるを知る餌場に群るるを見てゐて飽かず ヒヨドリ以上の大きな鳥は入れないように入り口を狭くしています。 今はスズメとシジュウカラしか来ませんが、先に入った者勝ち、 後から入ろうとすると凄い剣幕で追い出します。3〜5羽が交代で出たり入ったり、 追い出したのが逆に追い出されたりしてるところをみると、上下関係は無いようです) 07年10月8日(月) 雨に泣く運動会に思ひ出す、にっぽん晴れの東京五輪を アチコチの学校で運動会を予定していたようですが、 残念ながら雨でお流れ。10日が絶対とは言いませんが、この頃に なると秋雨前線が消滅して本格的な秋晴れの日が訪れる、と過去の統計が 教えてくれてた筈でしたのに、三連休にするを目的に「体育の日」を第二月曜日と 定めました。他の祝日と違って、この日ばかりは青空が似合いますのに。あの東京オリン ピック(1964年10月10日)の、開会式当日の「世界中の青空を東京へ持ってきたような・・・」 ですっかり有名になった、「ニッポン晴れ」の素晴らしさを、ついこの前のように思い出しています) 07年10月7日(日) 何食べたい?訊かれて我はけふも答ふ「玉子丼(どんぶり)!トロトロのやつ」 「だったら訊くなよ!」は、家庭円満の為に呑み込んで、「玉子丼!」。 でも、3度に一度はほんとに出てくるんですよ。 毎日の事、それも三度三度となると大変だろうとは思うんですが) 07年10月6日(土) 詠むなどと言はれて赤面、われはただ三十一(みそひと)文字にて愚痴を云ふのみ (いつもこのような歌にお付き合い下さいまして有難うございます) 07年10月5日(金) 裡に棲む奴の怒りに触れずんば・・・・・。眠れぬままに朝(あした)を迎ふ 07年10月4日(木) 満月の支配す空の広々と星屑一つなくて寂しき 一陣の榛名おろしは十五夜の湖面に映る月さへ消しぬ 灯火を落とししビルの窓々に映りし月を愛でつつあゆむ ビルの端に吊る月映す不忍の池の辺をゆく十六夜寂(しじま) 07年10月3日(水) 霜月の気候を先取る、前線が運びこしもの冷え冷えとして (わが練馬で9月28日に記録した32度が、翌日には16度に急降下、 秋雨前線が持ち込んだもののようで、11月頃の冷えだそうですが、 その後もじっとしてると寒い程の気温に終始しています) 07年10月2日(火) 祖父を看る母の笑顔が大好きで看護士目指すと看護学生は その際、私は必ず「看護士さんになろうと決めた理由は?」と訊くことにしています。 自分や家族が入院した時・・・、ドラマを視て・・・、母や姉が看護士で・・・、 実家が開業医院で・・・等々だいたいパターン化していますが、 この歌のような学生さんは、今のところこの方だけです) 介護度5なる身の暮らしは面倒を見呉るる人らに面倒を掛く この面倒という単語を医療や介護関係者が遣うことは決してありませんが、 その他の方々は結構お遣いになります。曰く、「誰が面倒みてくれてるの?」) 07年9月30日(日) 老友は呆けし義母をショートステイに託して我を見舞ひ呉れたり (老友などとしましたが、73歳で白髪がふさふさとし背筋はピン! 今も体調維持の為と「ガス検針」に自転車で駆け回っています。 痴呆のすすんだお義母さんを託けてまで、私の様子を見にきてくれました) 07年9月29日(土) やうやくに降れる雨なり垂(しだ)れゐしひと葉ひと葉に滴が光る (昨日の真夏日(32度)から急転直下の変わり様、朝から雨模様となって17度。 重ね着をする始末でしたが、葉先に水玉を輝らせている庭木の数々が見事でした) 07年9月28日(金) 痒くても掻くことさへも出来ぬ手の指に伸びゆく爪に罪なし 驚くほど良く伸びてくれます。 足も手ほどではありませんが、こちらは巻き込んだりして困っています) 07年9月27日(木) 「こんな筈ではなかった」と車椅子を押す女房に身柄を預く 全てを独りで遣らなければならなくなった今「こんな筈ではなかった」が時々ですが 出てくるようになりました。言いたいのは私も同様ですが・・・・・) 07年9月26日(水) 蟻んこの行列辿りてみぎひだり登り来見ればのど飴一つ 目敏く?見つけたちっちゃな蟻が、一晩で行列をつくってしまいました。 逆に辿って行き着いた先はクチナシの鉢。葉が黄ばんだりして元気が 無い筈です、蟻が巣くって根を苛めていたんですね、迂闊でした) 07年9月25日(火) 命には別状無くともこの八年全身を人手に預けて暮らし来 直ぐ死ぬ事は無い、と言う事らしいですが、その「入れ物」が大変な事になってるのに、 別状無しとは変ですね。私の場合は「命」の入れ物が動かせないだけですが大変です) 07年9月24日(月) スズムシの鳴き音の途絶えしに秋未だき虫篭揺らす風の暑くて 絶え絶えとなっていましたが、遂に3日前からは鳴かなくなってしまいました。 去年と違って大幅に早い終焉ですが、今年のが二週間も早く孵化したことを考えると 当然のことかもしれません。それにしても、夏の暑さがのこる内に終わる秋の虫の音、 こんなのも、温暖化の影響を受けているんでしょうか) 07年9月23日(日) 寂しさののこる和室に佇みぬ遊び疲れしオモチャの眠る 「オバアチャンちで遊ぶためのオモチャ!」が、 玩具箱に整理されて置いてありました。 何時もながら、このポカン!状態を克服するのには時間を要します) 07年9月22日(土) 噴く汗を愛しみ暑さを楽しまん残暑もけふを限りの予報に (残りものじゃなくって、一度消えて無くなったものが再度復活したような酷暑でしたが、 ようやくに終焉の時を迎えると報じています。関東地方に限っての事でしょうが、 明日からは一段と秋らしくなると、嬉しいことを言ってくれています。 今日一日、クーラーなどを使わないで、この暑さを充分に楽しみ?たく思ったんですが) < 07年9月21日(金) 秋彼岸 ご先祖様に手を合はす「どうかこの病を治してくだされ」 (お医者に頼り、神、仏にもお願いしましたが、いっこうにらちがあきません。 のこるはご先祖様のみ。頼りにされてきっと戸惑っていらっしゃることでしょうが) 07年9月20日(木) やうやくに気の萎え果(おほ)せて床に就くけふを夢路に引き摺り込まんと (一晩寝てリセット出来ればいいんですが・・・。もう暫くはこんな日が続きそうです) 07年9月19日(水) 酒の力を借りて眠ると女房は不味い苦いと言ひつつ酌めり 07年9月18日(火) 胸元をツツツー!と走る一筋の汗の温さに身震ひひとつ 薬の所為で肌が敏感になってるようですが、思わず身震いなどしてしまいます) 07年9月17日(月) 八時間身じろぐことなく臥しし躯(み)をミシミシミシと起こされてゆく それからの8時間は、両腕と頭を数回動かして貰うだけ。 床擦れの心配が無いと言われるALSだからこそ出来ることですが、 朝の起床で上体を起こされると、ミシミシグキグキボキボキと悲鳴を上げています) 07年9月16日(日) 自死三万交通事故死七千のお国に暮らす七千のALS友(びょうゆう)と 交通事故死も減ったとは言え、7千弱の方が無念の最期を遂げるという、 殺伐とした世の中にあって、我が7300人のALS患者は、沢山の方々の お手をお借りしつつ、療養ライフを楽しんでおります) 07年9月15日(土) 秋雨に暑さ忘れしあしたにはガスストーブの点検を始む 折りしもガス設備の点検に来てた、ガス会社の作業員にお願いしたまでです) 07年9月14日(金) かなかなかな かなかなかなかな かなかなかな かなかな蝉が日を閉づるかな (久し振りの青空に誘われた訳ではなく、たまたま予定した「散歩の日」が、晴れてくれました。 お決まりの、光が丘公園での「日光浴」と「森林浴」に「蝉しぐれ」をもたっぷりと浴びての2時間、 命の洗濯とはこのような事を言うんでしょうね。森をゆく乾いた風の心地好さったら・・・。 その五月蝿いほどの蝉ですが、カナカナ以外は全部が鳴いていたような・・・。 当たり前ですね、日盛りにカナカナは鳴きません。そこで、この歌が出来ました) 07年9月13日(木) 来し人が並べて覗き見る軒下の<蜂の巣>けふも太りてゆきぬ (そろそろ子育ては終わりのようですが、皆さん熱心に観察なさってます。 6月24日の写真の様子と比べてご覧になってください) 07年9月12日(水) 雨→曇り→カミナリ→驟雨→曇り→晴れ→羊雲焼けけふの暮れゆく ベランダのいっとう端に背伸びしてデモ行進のしっぽを見たり 07年9月11日(火) 彼曰く、ボランティアで庭の草取り等を遣ってる!にしても今時珍しい日焼け色でした) 07年9月10日(月) ほっ!として夢路に向かふ 真夜中に近付き遠のくサイレン耳に 火の粉を浴びた経験を持つ私は、通り過ぎてくれ〜!と叫びたくなってしまいます) 07年9月9日(日) 定年後に「台湾新幹線」のメンテナンス技術を伝授するために、 単身で赴任しています。時々送ってくれる「台湾便り」には、未だ見ぬお国の 情報を、写真付きで紹介してくれていて、興味深いものとなっています) 07年9月8日(土) 寡黙なるメロンは芳香放ちつつ<み>の処され方を語りをるなり 07年9月7日(金) 荒川の濁流激しゴルフ場野球場さへ呑み込みてゆく 台風が置いてゆきたる大雨を集めて荒川累々とゆく 濁流は土手一杯に盛り上がり粛々とゆく東京湾へと 埼玉の西区に在る、治水橋付近からの映像をテレビで見ましたが、濁流が 土手すれすれまで盛り上がって、霞んで見えない程の向こう岸まで広がって 流れていました。普段の荒川は、広〜い両岸の河川敷をゴルフ場、野球場、 サッカー場、自動車練習場、等々にと有意義に使われていますので、一面が 濁流の海という映像に目を見張りました。それにしても、沢山のゴミには驚きです) 07年9月6日(木) 生き馬の目をも抜かんと腕を撫す東京を目指す台風不気味 台風の未だ見ぬ被害を細々(こまごま)と絵に見せ促すご注意!召されと 砕け散る波を背にしてリポーターは9号の牙がここに在るとぞ けふひと日台風情報を視つつ暮るる9号が占拠すテレビ画面を 19時現在、強い勢力を保ったままとのことで、注意を呼びかけていますが、 過去に、まともに上陸したものはほんの数えるほどしかありませんので、 今回も?などと楽観しています。でも時折強い雨が降ったりするようになってきました) 07年9月5日(水) その時の心境にも左右されるようにも思います。 リ〜ンリ〜ンをサビシ〜と聴くようではいけませんね。 でも、我が家の鈴虫くんのは如何聴いてもリ〜ンリ〜ンとは聞えません) 07年9月4日(火) 寝静まったところへプ〜ン、フリーパス状態に耐えかねて、 寝てる妻を起こして退治して貰いました) 07年9月3日(月) 車椅子だけに、少なくとも雨が降らない日、にと天気図などを睨んだりして相談しています。 私、ヘルパーさん、天気と三者の都合が合致した日が私の外出日となりますが、 南海上に在る台風9号の動きが気になりなかなか決めかねています) 07年9月2日(日) それも、聴くだけでなく自分なりの採点基準を作って、二つだ三つだと採点を しながら楽しんでいます。その昔、と言ってもラヂオ時代ですから随分と 古い話ですが、一度出場して宮田輝さんの司会で歌った事があるほど 歌は大好きでした。残念ながら今は聴くだけになってしまいましたが) 07年9月1日(土) 5年以内に亡くなったり呼吸器装着になる、とも言われている中での9年。 色々ありましたし、今後も色々とあるものとは思いますが) 07年8月31日(金) また!にもう?次々替はるテナントにヒソヒソ話が行ったり来たり 30数年間を商ってた酒屋さんが契約満了で撤退した後、入っては止め、 止めては入るの繰り返し、場所的には文句無しの一等地ですので、此処ならと 飛びつくんでしょうが、安定した商売として遣ってゆくには難しいようです。 この4年間で何業種の方が涙を呑んだか。今現在はケイタイ屋さんが 頑張っていますが、前を通る人々に格好の話題を提供していることは間違いありません) 07年8月30日(木) 07年8月29日(水) 赤トンボ未満の赤トンボ(多分アキアカネだと)を、沢山飛び 交ってたからと持ってきてくれました。もう今頃は、オレンジ色から赤色に 変わりつつあると思いますが、あと一ヶ月もして本格的な秋風が吹くようになれば、 産卵場所を求めて練馬の街を飛び交うようになると思います) 07年8月28日(火) (折角の天体ショー(皆既月食)ですのに、 我が練馬では秋雨前線の雲に覆われて観ることが出来ませんでした。 昨晩の今頃は、見事な満月が観られましたのに、残念!です。 この歌はイメージして詠んだものです。 正確には十六夜の月ですが、ここは満月としました) 07年8月27日(月) 青空をバックにして風に揺れる様は、消してるような、描き殴ってるような・・・・・。 今年はピンクの花が見事に咲きました) 07年8月26日(日) 何でも、世話役、踊り手、見物人の方々が集まり易いから、とのこと。 大きな木に蓋われて何時もは静かな公園ですが、昨晩は種々の 音頭と沢山の人々で溢れかえるほどだったようです) 07年8月25日(土) 女性ヘルパーさんは経験をなさっていませんでした。シェーバーは初体験 ですと仰ってた人が、次回には見違える程にスムースな仕事振り、それもそのはず、 嫌がられる旦那さんを、「組み伏せて」練習してきました!とのこと、有難い事です) 07年8月24日(金) 24時間営業の灯りに集まる若者のような蝉やカラス、ちょっと考え難いんですが、 頻繁に聞こえてきます。尤も、我が家のスズムシ君は、人工的な環境で育てたせいか 昼夜の区別無く鳴いていますので、自然にいるとは言え、コンクリートジャングルに 生息してるんですから当たり前かもしれません。兎に角、夜が明るくなりました) 07年8月23日(木) 細かい雨に打たれて、もう萎れています。予報は雨で27度、の筈ですが、 9時過ぎから晴れてカンカン照りとなり30度まで上がって蒸し暑くなりました。 今日は「処暑」そろそろ夏が終わる頃、とありますが、果たして?) 07年8月22日(水) ニュースの類には一通り目を通します。あとは、資源としてのお勤めを待つのみです) 07年8月21日(火) 介護さるる日々に溜りし<ストレス>を語れば人は講義と聴き呉る 開かれ、23もの介護事業所、看護ステーションの各関係者に、看護師さん、ヘルパーさん等々と 計60数名の方々が参加して、ALS協会の会長と、不肖私の話を聴いて下さいました。 皆さん大変熱心で、介護を受ける身としては、大変心強く、喜びさえも感じたものです。) 07年8月20日(月) 勝ったって負けたって関係ないとは思いますが、ついつい熱くなってしまいます。 成績ですか?成績は現在、中級クラスで288勝271敗ですが、 クラス別けは自己申告ですからいい加減なものです) 07年8月19日(日) 夏空の元での一面の赤は、強烈に私の目を惹きつけました) 07年8月18日(土) 娑婆にゐて来世とやらに思ひを馳す ALSまた酷暑の盆ゆゑに 発病から3年でお亡くなりになりました。勿論!家族全員の合意のもとになされたようですが、 本人には隠蔽したままだった事を、学会へ主治医自らが発表されたことで、今、患者間で大騒 ぎになっています。告知を受けず、呼吸器が有ることも知らされない、と言う環境が、今時在る こと自体が信じられませんが、知って苦しむよりは、の思い遣りだとしたら、とんでもない事で、 寄ってたかって厄介払いをしたと、受け取られても仕様の無い事だと私は思います。 最期まで頭は明晰で、お話が出来、笑顔さえ見せてい、食事も出来てた人が、と思うと 遣り切れない思いに駆られます。何故!知らせて本人の意思確認をしないんでしょうか???) 07年8月17日(金) 折から列島は、猛暑真っ只中。幸いにもお盆休みが重なったことで電力の 消費量は抑えられているようですが、このままの暑さが続くようですと、 夏休みが終わって列島全体が動き出す時が心配と報じています。 分かっちゃいるんですが、我が家では28度に設定して、寝る時 以外はお世話になっています。それにしても暑いですね、 都心の昨晩の最低気温が30.5度、もう狂ってる!としか言いようがありません) この酷暑を我が世の春と謳ひをり公園ひとつを占拠す蝉ら (暑くあってこその蝉ですが、日盛りに集団で鳴く声は、 暑さを増長するだけでなく、気分さえもイライラさせてくれます。) 07年8月16日(木) 日中、埼玉の熊谷で40.9度と日本の最高記録を更新したと報じています。 我が練馬でも、38.7度を記録し、充分にその暑さを体験させてくれました) ホッと息つく打ち水をなされたる道に佇み汗を拭ひて 一味違う風を肌に感じました。昔は、夕方になると挙って打ち水をした ものですが、今夏もアチコチで仲良し打ち水会が行われているようです。 焼け石に水、といわれてもしようのない程の猛暑ですが、 ほんの一瞬でも涼風を感じて、ホッとできる知恵、いいですねぇ) 07年8月15日(水) あのネ から始まる幼のお話はえ〜と!え〜とネ!忘れた!でお仕舞ひ お姉ちゃんと呼ばれし孫は三才の妹(いも)を叱りし母の口もて 三才には三才なりの意地がある口尖(と)んがらせ地団駄踏んで 湧き出ずる涙こらえて幼子は泣いてないよ!と泣き顔拭ふ 笑ひ声泣き声諍ふ声途絶えやがて寝息の熱帯夜半 7才と3才の孫娘はいろいろなものを遺して大船渡へ帰ってゆきました) 07年8月14日(火) 海に山、川にプールにこの炎暑が命を奪ふ 吾は傍観者 夏なればこその事故が多発し沢山の犠牲者が出ているようです。 私はといえば、ただ手をこまねいて見ているだけ、暫くは暑さが続くようです、 どうぞ皆様ご自愛くださいますように) 旧盆の空は美(は)しこと青く澄み入道雲などどっかと据えて 07年8月12日(日) 長袖に帽子襟巻手袋と日傘で妻はお盆の日盛りへ まるで冬のそれのような重装備でお出掛けになりました) 07年8月11日(土) 陸に空 すはっ渋滞だ〜満席だ!国民こぞりて盆さん踊り 踊ってるのか、踊らされているのか・・・・・暑い最中に大変です) 07年8月10日(金) この登山靴(くつ)の踏みし幾座の山遥か一つ疵より想ひを馳せし と取り出したかねて愛用の登山靴に、 切り疵が数ヶ所その時のままに付いていました。 一番長いのは、本社ヶ丸の岩場を下る時につけたもの。 ほぼ垂直で、踏み場が見えず足探りでやっと見つけたらズルリ! けど、あの山からの富士山は見事だったなぁ〜と結局は捨てられずに 元の場所へ戻して終わりでした。幾座などと大袈裟に表現しましたが、実際は、 富士山を除くと2,000m止まりの山が大半で、お恥ずかしい限りですが遠い昔となりました) 07年8月9日(木) 孫の来るあしたを前に“おばーちゃん!”と妻呼ぶ我れを「じ〜じ」と妻は お母さんじゃないでしょ!オバアチャンでしょ! と注意されないように、今から練習です) 07年8月8日(水) 夏の陽を逃るるやうに踏み入りし林に覚ゆかの秋の涼風 まるで別世界、ひんやりとさえ感じる空気を満たして静かでした) 07年8月7日(火) 暮れなづむ日にふか緑そよと揺るる狭庭に出でて遠花火聴く 遠花火聴く宵狭庭に佇みてそよ吹く風に心身(しんみ)を預く 戸田と浮間で打ち上げられた花火の音が結構賑やかでした。 高い処にお住まいの方は、それこそ遠花火を楽しまれたようですが、 私は残念ながら音だけでした) 07年8月6日(月) 今まさに落ちんと揺るる目薬の滴に映る青は 夏の空 暑さを超越すればですが、気持ちのよい真夏の青空が広がるようになりました) 07年8月5日(日) 行きずりに面(おも)伏す人らに会釈しつつ路地を来しなり車椅子にて 行き交う人皆さんが、チラッとこちらを見たあと、押並べて下を向いてすれ違います。 理由はなんであれ、お気を遣わせてしまってご免なさい、です) 07年8月4日(土) 躍動す!綺羅星ドームに輝くを万余の目が追ふオールスターゲーム (名誉あるオールスターゲームに参加している選手を、綺羅星と、 その活躍する様を、輝くとした判じ物のような歌ですが) 07年8月3日(金) 湯上りをどっかと置かれて心地よしヘルパーさんに裸身あずけて 湯を上がり撫ぜゆく風に身をまかす目蓋に露天のかの景見つつ たとえリビングでの訪問入浴でも、目をつぶれば温泉宿の露天風呂です) 07年8月2日(木) 今日ひと日昨日と同じく暮れゆきて尿量までもが昨日と同じ 判で捺したような生活は、飲食物も例外ではありません) 07年8月1日(水) 梅雨明ければ明たで臥す身に夏日もまた悩ましいもの遊ぶ術なく 例年よりかなりの遅れのようですが、いよいよの夏本番です。 とは言え、台風5号が本土に向かって北上中で、明日は早速曇り空に逆戻りとか) (健常であれば・・・は、疾の昔に葬った筈ですが・・・) (9月3日になって、気象庁より、関東地方の梅雨に関する訂正が発表されました) (梅雨入り・6月14日が6月29日に・・・梅雨明け・8月1日が8月11日に) 07年7月31日(火) 梅雨空の覆ふ大都に轟きて明日には夏空を呼び込めよ雷鳴 今日はそれも無く暮れました。この時期雷が鳴ると梅雨が明ける、などと言われ ていますが、南海上には台風5号があって北上中とか。この際、梅雨雲を蹴散らす だけなら歓迎したいものですね。スカッ!とした夏空が待たれます) 07年7月30日(月) 大地震(おおなゐ)に崩れ落ちたる古民家の煤けし表札余震に歪む (テレビ画面に見る限りですが、一日も早い復興を願うばかりです) 07年7月29日(日) ひと日だけたったひと日の夏空を恋しと睨む明けぬ梅雨空 至らないようで、どうやら来週後半に持ち越される公算がつよくなってきたようです) 07年7月28日(土) 丑の日も午(うま)も未(ひつじ)も脇に遣りまだ明けぬ梅雨に鰻丼を食ふ 夏の土用丑の日に集中的に食べる習慣がありますが、 我が家では冷凍物を、「手抜き料理よ!」として女房殿が 「忙しくって作る時間が無かった」からと、昨晩出てきました) 07年7月27日(金) もうイヤッ!と目くじら立てつつも老妻は庭の草取る梅雨の止み間に 「全部を取り終わる頃にはもう次の草が生えてる!」とご機嫌斜めです) 07年7月26日(木) 明け遣らぬ梅雨にスズムシ涼やかに初鳴きする音(ね)に暑さを忘る 人工的な環境で餌を与えてますので、自然の動きに沿うとは思いませんが、 熱帯夜にほど近い蒸し暑い夜に鳴きだすとは。これも、地球温暖化の所為でしょうか?) 蝉が鳴いた、と聞いて近所の公園へ出掛けてみましたところ、鳴いてました。 全体が大きなケヤキその他に蓋われて、木漏れ日程度しか陽が射さない せいか、涼しい風が通り抜けていました。私にとっての初蝉です) 07年7月25日(水) ケイタイを持たぬ我ゆゑ留守電が必ず待ちゐん自宅へ急ぐ その後の予定が全て駄目になってしまい、とんでもない一日になってしまいました) 07年7月24日(火) 群雲の向かふに月を見る朝(あした) 夏空は広く青くはるけし していましたのに、今朝の東京の空は雲ひとつ無いギンギンの青空でした。 スワッ!梅雨明けか、と思う程ですが気象庁は慎重?です。 梅雨前線がちょん切れただけのようで、明日以降はまた曇り空に戻るとか。 18日ぶりの真夏日は、青空から降り注ぐ強い日差しが快感ですらありました) 07年7月23日(月) 梅干の三つ小鉢に干乾びて箸伸び来るを拒みてをるか 瀬戸の蓋物に小出しにしててもこれです、これからは密閉容器を使います) 07年7月22日(日) 霧雨を集めきらめく水玉の落ちて水面に波紋のひとつ そよとも揺れない木の葉全ての先端に、水玉が点いては落ち、 を繰り返して池の面に波紋を立てています) 07年7月21日(土) 冷凍で年を越したる秋刀魚なり梅雨寒の夜に塩焼きして食ふは 大船渡港で漁師さんに貰った、という大量の秋刀魚を娘が昨年の秋に贈って くれた物だったようですが、捌けずに冷凍したまま忘れてたとか。 にしては結構なお味で、秋を一足先に堪能しました) 07年7月20日(金) 梅雨寒の予報に一枚重ね着しそれに大汗(おほあせ)吸はせてをりぬ (前日の予報が22.3度で梅雨寒との言葉も出てましたので、Tシャツの下に薄い下着を 一枚着ましたところ、日中になって気温が上がったとみえて、大汗を掻いてしまいました。 脱げばいいまでのことですが、こんな簡単なことだって、ひと仕事となりますので) 07年7月19日(木) さ迷ひしかはたまたサボりかひと月余を経しけふ届くトルコの絵葉書 6月13日のサインがありますのに、トルコの消印は、3・7・07、私の手許に 届いたのが昨日の午前中。何処で何をしてたのかは知る由もありませんが、 悠長な話です。なんでも、ヨーロッパを旅した時の絵葉書は、 10年経った今も未だ届かないと、呆れています) (私は、国外へは一歩も出た事がありませんが、皆さんこのような経験をお持ちなんでしょうか) 07年7月18日(水) 妻や子に遺す物無くせめてもの<献体>なさんと思案に暮れる 生前に、予め然るべき機関へその旨登録をしておく必要があるそうです。 本人はもとより親族一同の同意が必要で、これがネックになる事が少なくないようですが) 07年7月17日(火) 刈り込みでまあ〜るくなりしサツキ樹に名残花咲く梅雨の晴れ間に お祭りの済んだあしたに刈り込みを終へしサツキに名残花愛し 来年に備えて刈り込みをしましたところ、写真のような状態となりました。 まだまだ蕾があり暫くは楽しめそうなので、お礼肥はたっぷりと遣る事にします) 07年7月16日(月) ゆ〜らゆらと音無く揺るる遠地震(とほなゐ)に身構へ耳澄まし虚空を睨む 東京では、震度3と発表されたようですが、震度よりも何よりも、揺れ方が珍しく、 東西方向に大きな振幅で、ゆ〜らゆ〜らと軋み音もなく静かに横揺れをしました。 これは遠いな!(震源が)とは思いつつ、強くなるのではと身構えて宙を睨んでいました。 あのような揺れは過去に経験が無く、不気味ささえ感じました。もうこれ以上はご勘弁を) 07年7月15日(日) 列島に沿ひつつ台風4号は三連休を蹴散らして去る ぼやき程度ならいいんですが、この度もまた、沢山の犠牲者や風水害被害者が出ました。 7月からこれでは先が思い遣られます。東京は、お盆ですのに悪天候に阻まれて、 各地の墓地は閑散としてるとも報じています。でも、2時頃には雨が止み 薄日さへ差してきました。いくら雨不足といったって台風まではご免ですね) 07年7月14日(土) 降りしきる雨を見遣りて想ひを馳す干上がり危機の早明浦ダムに お陰?でしょうか?良く降ります。降りしきる雨をぼんやりと見ていて、 そういえばあのダムはどうなったんだろうか?と。この台風できっと満杯になった事でしょう) (この度の長雨及び台風の被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます) 07年7月13日(金) 雨雲の蓋をかぶれる東京の街に蠢くは濡れ鼠たち 蠢いている何もかもが鼠色に見えるような、いや、に見てしまいます。 全てはこの、重ッ苦しい梅雨空のせいでしょうが) 07年7月12日(木) 割り込みて未だか未だかとキャッチホンは話に夢中のわれの腰折る 話中のお相手や内容によっては中断し難く、無視してると執拗に鳴らし続けてくれたりします) 07年7月11日(水) 空仰ぎ干し物幾度も出し仕舞ふ気まぐれ梅雨は付き合ひ難し 07年7月10日(火) 宵闇にほのと点れる<ほおずき>の灯りを友に家路をそろり 四万六千日ご利益あるとふ<ほおずき>を手に訪ひくれしお人の嬉し (この日にお参りをすると、四万六千日分のご利益を授かるといわれる縁日です。 鉢植えの鬼灯を篭に入れ風鈴をあしらった物を、縁起物として売る市が立ちます。 テレビニュース等でお馴染みの風景ですが、今年も沢山の善男善女が押しかけたようです。 嬉しい事に、ご近所の友人が買い求めてきて私にプレゼントしてくれました。 勿論!四万六千日分のご利益つきです。何かいい事があるような? 有難う!) 07年7月9日(月) そよ風のめくるがごとくけふの明くヘルパーさんの「お早う!」爽やか そんな中でも今朝は慣れきったヘルパーさんが来てくれる日、 爽やかな目覚めとなり、穏やかに今日が始まりました) 07年7月8日(日) ひと様に<蕎麦屋>を託して四年往く客足細る日々の口惜し 口出しは無用ですと、強気だった彼の口から弱音が漏れ出したのが2年前。 私の目で見ると、蕎麦屋が何であるかが分かってないようで、まるで「呑み屋」の ような雰囲気にさえしてしまいました。。 今では三分の一に迄落ち込んでいます。 あと3ヶ月で全てが終わってしまいますが、沢山のお客さんに惜しまれて・・・は夢と散りました) 07年7月7日(土) 7みっつ並ぶもけふの静かなり我の暮らしはパチンコにあらずして 今日は七夕でもあります、梅雨空で天の川どころか、☆のひとつも観えません。 07年7月6日(金) 怪我、罹病、事業所都合に家事都合ヘルパーさんは突然辞せし 突然の派遣停止!と酷なことヘルパー頼りの暮らしの憂鬱 フォロー出来る人材が居ませんので他所を当たって下さい、の一点張り。確かに、どちらの 訪問介護事業所でもヘルパーさんの絶対数が足りず、四苦八苦しているようです。 現状は、家庭の主婦が主力となって、殆どがパートで働いています) (私のヘルパーさんも全員が主婦です)。 コムスン事件でも浮き彫りになりましたが、介護の世界で働いて生計を立てる事は 難しいようで、若者が定着し難いようです。パートさん頼りではなく、若者が一生の 仕事として、胸を張って働けるような環境を整備、構築して欲しいものです) 07年7月5日(木) <介護>終へサービス記録を書き記すヘルパーさんは汗を拭きつつ の認印を捺してから介護事業所へ持ち帰ります) 07年7月4日(水) 一夜明けてメディアに囲まれ小池女史防衛論をとつとつと説く 一夜明けた今朝は、マイクやカメラに囲まれて、早速この国の防衛について語っていました。 2時からの認証式を経て正式な「防衛相」となったわけですが、 何時もながらの変身の速さ(何方にも言える事ですが)には感心します) 07年7月3日(火) 湧くがごと生れしスズムシ虫籠に身体ひとつを縄張りにして その数たるや尋常ではありません。当に佃煮にできるほどです。 一つの虫箱に湧いたものを五つに分けたんですが、ご覧の状況です。 各々が身体一つ分の面積を自分の縄張りにしてるんでしょう、 触角を動かして 微妙な距離を保ちつつ成長をしています。 既に雌雄の区別がつくほどまでになっています) 07年7月2日(月) 聞きたくもなき病友の訃報つづく今日のメールも別れを告げゐて ALS仲間3人の、訃報が届きました) (合掌) 梅雨晴れの暑さ澱める夜半にゐて黄金色(こがねいろ)なるおぼろ月観る 蒸し暑さのせいでしょうが、晴れてるのに月は朧です、 中天に在るのにぼんやりとした黄金色の月を見たのは久し振りでした) 07年6月30日(土) 若しや吾が未納の指摘もさにあらず社保庁さんのサボタージュでは? 告知を受けた時に身の回りを整理しろと言われましたので、 年金の事も調べて貰いましたところ、13ヶ月分の未納があると指摘されました。 女房と一緒に納入してましたので、そんなバカ!な、とは思いましたが、 お役所の言う事だからと渋々納めました。今になって思えば、 ヤッパリお役所仕事だったんではなかったのかと) 07年6月29日(金) 待ち侘びし入梅なれどそぞろ降る雨に欠伸の出でて止まざる (9月3日になって、気象庁より、関東地方の梅雨に関する訂正が発表されました) (梅雨入り・6月14日が6月29日に・・・梅雨明け・8月1日が8月11日に) 07年6月28日(木) 気力とふ<力>漲(みなぎ)れど肉体の<筋力>失せゆくけふもあしたも 07年6月27日(水) 良く眠れましたか?などと問はれしに前後不覚で記憶にないよ! 07年6月26日(火) おまけだよ!メダカの卵(らん)付く布袋草を花屋の親仁はニコニコ顔で 布袋草を浮かべ展示してましたので、五株を買い求めてきました。 根にメダカの卵が着いてるけど、オマケしとくね!と渡してくれました。 去年も、同じ花屋さんから買って我が家の池へ浮かべましたところ、 沢山のメダカが孵化して泳ぎ回っていましたが、育つことなく消滅してしまいました。 きっと!水浄化ポンプの水流が小さいメダカにとっては激流となって棲み難くかったんでしょう。 今年こそはと、ポンプを停めた池に浮かべましたところ、数日前に孵化し、 15匹程が泳いでいます。育ってくれるかどうか?、楽しみです) 07年6月25日(月) 「廃疾」とふ烙印捺されし肉体に血潮の滾る音の虚しき 自分で自分の身体が動かせなくなって、全介助を受けないと生きて いけなくなった時点で「廃疾」つまり「死亡」と同じ扱いとなるようです。 皆さんご存知のとおり、ALSは限りなく進行してゆく病気で、発症と同時に悪化の道を辿り、 決して快復はしません。俗にいうところの「頭」は全く正常な状態でも「廃疾」と判定されます。 勿論、医師の診断によって為されますが、進行の状態、速度には個体差があって、 そこに行き着く年月は患者それぞれです。因みに私の場合は、告知が99年11月8日で、 身障手帳1級、要介護度5、となって「廃疾」と診断されたのは02年6月の事でした) 07年6月24日(日) 日を追うて形なしゆく蜂の巣の主よ貴方はまさに天才 毎年写真のような蜂(アシナガバチの一種だと思います)が、 一つか二つの巣を作って子育てをしています。銀座のビルの屋上でも、 ミツバチを飼育して商品化してるほどですから、驚く程の事ではありませんが、 一部始終を観察して、その余りの事に、感心するやら驚くやら。最初は2匹で始めましたのに、 今はこの倍ぐらいに大きくなって、育った蜂も一緒になってるらしく5.6匹が取り付いています) 07年6月23日(土) ゆるやかに時の流るる暮らしにて激流漕ぎしあのころ想ふ あの頃は、今のような生活が訪れようなどとは、思いもしませんでしたが) 07年6月22日(金) 波紋立つ水面に金魚ら浮かびきて雨の音など楽しみてをり 待望の雨です。池の金魚が、雨で出来る波紋と遊んでいるようです) 07年6月21日(木) 噛みころす欠伸の何と強きこと ころせど!ころせど!ころせど!出でく (夜の8時間を就寝時間と決め、 ベッドに横になるという規則正しい生活をしていますが、 兎にも角にも眠いんです。服用してる薬に、眠気を誘う ような成分は入っていない(主治医談)にも関わらずです) 07年6月20日(水) 梅雨晴れに緑まばゆき昼下がり青葉の間(あひ)に青き蜜柑見ゆ 明日あたりから梅雨らしくなるようですが、今度こそ、気象庁さん頼みますよ! 照葉とはよくいったもので、強い日差しに照り輝いています) 07年6月19日(火) 音声で入力為せばきびきびと介護し呉るるヘルパーさんは (決してスリスリではありません、本音です) 07年6月18日(月) 夏空に<農鳥>(のうとり)抱へ凛と聳つ富士の裾野は梅雨雲の中 例年より1カ月以上遅れて、<農鳥>が現れた、とテレビニュースが報じました。 富士北麓方面から見え、標高2,600m〜2,700m付近の残雪が、鳥が羽ばたく姿のように 見えるもので6月の出現は珍しく、春になってからの大雪の影響で、大幅遅れとなったようです。 農鳥は麓に春の訪れを告げるとされ、昔は田植えなど農作業を始める切っ掛けになった という事ですが、こんなに遅れては農事暦の役には立たないようですね) 07年6月17日(日) 天高く澄みて吹く風清かなる梅雨の中休(やす)みに梅雨を待ち侘ぶ 乾いた空気が気温の割りに暑さを感じさせません。週末には雨に、との予報は出ていますが。 例年ならばほぼ満杯という東京の水瓶が、半分近くに落ち込んでいると聞くと、 この晴れを喜んでばかりはいられません) 07年6月16日(土) 父の日があしたに迫りて落ち着かぬただ居るだけの父であるゆゑ 07年6月15日(金) 待ち侘びし梅雨でありしもあしたにはカンカン照りて真夏日なりし 中休み、と云われても、昨日の今日ですからねぇ、澄んだ青空と気温30.9度の 説明は付け難いように思います。この先一週間の予報でも、雨は無し、どうしましょ) 07年6月14日(木) 梅雨前線(つゆぜんせん)箱根の関所に足止めを食らひてをるや行く風さやか (この歌は朝の内に詠んだものです) (昨晩の予報は「秒読み状態」でしたのに、にしては時間が掛かり過ぎました。 よくある事ですが、西からの雨雲が箱根辺りの山(丹沢山塊)に引っ掛かって、 足踏みしたり南北に進路を変えたり、時には消滅したりして予報が外れる事があります) ((9月3日になって、気象庁より、関東地方の梅雨に関する訂正が発表されました) (梅雨入り・6月14日が6月29日に・・・梅雨明け・8月1日が8月11日に)) 07年6月13日(水) これほどに雨を久しく待つことなし紫陽花園に人影のなく (その、待ちに待った梅雨の雨が、東京ではやっと明日あたりからと報じています。 近所の公園の紫陽花が、見向く人がいないままに頭を垂れて雨を待っているようでした) 07年6月12日(火) 車椅子なれば世の中を仰ぎ見るかつての目線の今はあこがれ 座位での目線もそうですが、見るもの全てが私の手の届かない処にあるような・・・。 全てが、頭の上から聞こえてきて、また頭の上を通り過ぎていくような・・・・・。 とは言え、かっての私は、見下ろすどころか、 いつも頭を垂れる「有難うございます!」生活でしたが) 07年6月11日(月) <介護>とはビジネスなりと豪語せしコムスントップの涙を訝る その都度涙を見せているようです。年俸が6,000万円と聞くと悔し涙なのかと思ったりしますが、 本当の意味は果たして?と、彼の話を聞けば聴くほど分からなくなってきました) (折口氏は正確にはグッドウイルの会長ですが、コムスンの社長が辞任した今は、 コムスンの顔として出ずっぱりですので、「コムスントップ」としました) 07年6月10日(日) 初夏(はつなつ)のカラリと乾くそよ風が緑を揺らし吾が身にも入る (ましたが、今日は時折雷雨が襲ってきたりしました) 気温は高めですが、自分では動きませんので私にとっては「快適」そのものです。 それにしても降りません。この冬の降雪が少なかった事も手伝って、 首都圏の水瓶の貯水量は減る一方のようです。 例年以上に暑いだろう、との予報が出ている真夏が今から心配です) 07年6月9日(土) リビングで湯船に浸かりてヘルパーより箱根ドライブの余韻を聴きぬ 理由を問いましたところ、元同僚を交え女性4人でドライブ旅行をしてきたと、 その時の様子を嬉しそうに話してくれました。富士山こそ見えなかったようですが、 好天に恵まれた新緑の箱根は、乙女?4人の身も心をもリフレッシュしてくれたようでした。 かく言う私も伊豆半島が大好きで、東名高速が開通する前からガタガタ道を通い始め、 新婚旅行も伊豆へ行ったほどで、沢山の「思い出」を持っています) 07年6月8日(金) 蔓延(はびこ)ると群るるの間(あはひ)の悩ましさ黄花タンポポ梅林に美し これを、群れ咲いてて、きれい!と喜ぶのは観客一同、 持ち主さんはきっと、蔓延りやがって!と怒ってらっしゃることでしょうが) 07年6月7日(木) 「夢に見た」と吾を気遣ひてともがきは電話の向かふでおづおづと訊く 詰襟の貴方が去りゆく夢見しと病む吾を気遣ふ想ひの嬉し 折り返し電話を掛けて「未だ生きてるよ!」と話が弾みました。 なんでも詰襟、坊主頭の私がスー!と目の前から消えて行く姿を夢に見て気になったからと。 かく言う彼女は、ペースメーカに頼る不自由な生活をしています) 07年6月6日(水) 今日だけは鵜らの食事は抜きらしい鮎解禁に竿の放列 この日だけは仕事を休んででもと、両岸を沢山の釣師が埋め、釣竿の放列をしきます。 テレビニュースでお馴染みの風景ですが、ここ近年はカワウの食害が増えて、 解禁どころか放流するそばから捕食する始末に手を焼いているようです。 折角放流したのに・・・とは思いますが、自然遡上も居る訳ですから 人間様だけで・・・と言う訳にはいかないようです) 07年6月5日(火) 失せしもの失せゆくものの気高くて夢にさへ追ふ臥せて八年 今暁見た夢でも、カラマツに囲まれた痩せ尾根を歩いていました。 多分、富士山を撮ろうと登った本社ヶ丸への道だと思いますが、ほんとに不思議です。 未だに、不自由になった状態での夢は見た事がありません) 07年6月4日(月) 川蜷(カワニナ)はブランデーグラスを這ひ廻りメダカの棲家の掃除を為せる (去年の正月に孫娘が貰ってきた「ヒメダカ」が、子孫を遺してくれて現在はひ孫を交えて 12匹となって目を楽しませてくれています。二つに分けていますが、3月に買ってきた 金魚藻に「カワニナ」の卵?が着いていたらしく、何時の頃からか這い回るようになりました。 現在、大小14個?にもなって、グラスの内側に着く「苔」をセッセと食べてくれています。 お蔭さんで「写真」のようにクリアーです。二つの黒点が川蜷です) 07年6月3日(日) <千の風になって>臓腑に朗々と響きつつ独り佇む父の墓前に 07年6月2日(土) トリミングで消したきことのみ目立つなりわが全過去をまなかひに描(か)けば とてもじゃないですが、恥ずかしくって直視出来ない代物だと思います。切って捨てちゃへ!) 07年6月1日(金) 閣僚が範を垂るるやクールビズ スーツ脱ぎ捨て笑顔で並ぶ 揃ってスーツを脱ぎ捨て、クールビズ姿でニコニコしていました。 日本全国で、何百億?とかの節約効果が期待されるようですので、 皆さんが挙って冷房温度に目を光らせて欲しいものですね。 因みに我が家では、28度と決めて久しいです) 07年5月31日(木) 繁(し)吹く雨奔るイナズマ雷鳴高く五月晦日はかくて暮れなむ そんな五月も今日で終わり、そろそろ梅雨の匂いがしてきたような・・・) 07年5月30日(水) 修繕の効かぬ躯を今日もまた病院へ運ぶ点検受けんと 車椅子(いす)で待つ受付番号睨みつつ時計も見つつ欠伸もしつつ 治療技術の開発は遅々として進んでいないようで、 病院へは、定期的に進行状態を診て貰いに行くだけ。 先日のマスコミ発表で、人のES細胞を大量に作る技術が開発された、という事ですが、 過去にも似たような事は色々と発表されていますが未だに治療に繋がるものは 出来ていないようです。仮に出来たとしても発症初期でないと・・・のようです) 07年5月29日(火) 我が庭の蜜柑の花が咲き初めぬ♪思い出の道〜♪丘の道〜なき街に 庭の手入れをしながら妻が口ずさんでいた「みかんの花咲く丘」。 懐かしい、と言うか体にすり込まれている童謡ですね) 07年5月28日(月) <光化学スモッグに注意>と間延びしし声の響ける午後の気だるき 高いところに設置されている大きなスピーカーからの声が、 の〜んびりゆ〜るりと聞こえてきます。 あの調子でないと聴き取り難いんだそうですが、緊張感に欠ける事この上ない放送です) 07年5月27日(日) 読み終えてカチャッ!と閉じたる電子本余韻を胸にフォルダへ仕舞う 本を開くときも捲るときもマウスをカチャッ!とクリックして行います。 本を読み終わってパタンと閉じるあの一瞬を想い起こして詠んだ歌です) 07年5月26日(土) 大汗を掻きつつ我の介護なすヘルパーさんとともに汗をす どうしたものか、私も負けずに大汗を掻いてしまいます) 07年5月25日(金) 額に汗しつつ雑草抜く妻の脇より草らの産声聞こゆ この時期の雑草の勢いたるや呆れるばかりですが、 その雑草の小さな花などをグラスに挿したりして、結構楽しんでもいるようです) 07年5月24日(木) 今朝もまた八時きっかりに腕まくるヘルパーさんにこの身を預く ベッドより椅子に移されおはようさんプログラム追ふけふの始まる 07年5月23日(水) もう少し待ってくださいニッポンも「銃」が自由に購えますきっと! 益々アメリカナイズされて軍事面での貢献までもが期待されているとしたら? 怖いですねぇ〜ハイッ!それではそれでは! ならいいんですが、ちょっと心配です。改憲への動きが活発化しています。 まさか、第九条の不戦の誓いを撤廃しようなどとまで考えてるとは思いませんが、 国民の一人として目を離さずに、と考えている昨今です (精一杯の皮肉を込めてこの歌を詠みました)) 07年5月22日(火) 敗訴受け地裁をそがひに歩みつつ五月の緑葉の重きにねまる 打ちのめされた私にとっては、押し潰されそうなほど鬱陶しいものでした) そがい=後ろ向き・背中合わせ 07年5月21日(月) 酒の威を借りしか妻は冗舌に友と過ごししけふを語りぬ 「歌の発表会」の打ち上げで、「そこそこ呑んだ」ビールの所為か、 今日一日の出来事を懸命に報告してくれるんですが・・・) 07年5月20日(日) 久方ぶり遇ひし女性はふつくらと幸せですと言はんがばかり 薄化粧ながらギスギス感がなくなって大変好感が持てる女性に変身してました。 私がALSでリタイアしてからはメールだけのお付き合いになってましたので・・・。 仕事も、ご主人との関係も、順調と聞いてましたが、成る程と合点したものです) 07年5月19日(土) 学童ら帰りて静もる学舎(まなびや)に風力計は休むを知らず 風力計の「風車」が設置されていて強い風に勢いよく回っています) 07年5月18日(金) 街中を流るる川の真鯉らは浮遊する芥(あくた)に卵(らん)を託しをり 案の定大きな真鯉が産卵に夢中でした。 川といってもしっかりとコンクリートで護岸がなされていて、水路と言った方が当たっていますが、 所によっては淀みがあってゴミ、芥の類が浮いたりしています。いずれは流れて行くだろう物に、 自分の子孫の将来を託さなければならない鯉に、ちょっぴり想いを馳せたものでした) 07年5月17日(木) 沖縄は梅雨入り釧路は桜咲くわが東京は薫風さはやか 一方、釧路、根室には桜前線がゴールしたと報じました。 南北に長い日本列島なればこそですが、季節の移ろいを肌で感じ、 見聞きする度に歌心をくすぐってくれます。つくづく思います、 日本人で日本に住んでてよかった〜!と) 07年5月16日(水) 動かざる躯(み)に暮らしきて八年余想ひは巡る狂(ふ)れんがまでに 私の想いとは裏腹に推移していきます。 いまの私には、こうして歌にぶつける以外になす術がありません) 07年5月15日(火) 季(とき)ならぬ暴風吹きしあしたには樹下に累々と梅の青き実 昨夜(よべ)聴きし悲鳴は梅の青き実の暴風(かぜ)に抗ふ叫びと知りぬ もう少しってとこまで育っていましたのに残念です。 お陰で今年は、梅ジュースを飲めなくなりました。 それにしても、あの風は異常です。 どうやら西側に建ったマンションの影響かと思いますが、南からの風が特に酷いようです) 07年5月14日(月) 街をゆく人ら足どりも軽やかなり五月はこのやうに歩けとばかりに 五月を絵に画いたような、とでも云いましょうか実にいい陽気です。 街をゆく人々を見てるこちらも、思わず口笛を吹いて歩き出しそうになります) 07年5月13日(日) 花ひとつ然(さ)りとてひとつ母の日にけふのひと日は母にてありなん くれる瞬間ですが、当の妻は、結婚前に勤めていた会社のOB会へ嬉々として 出掛けて行きました。今日一日と言っても夜の9時までですが、私の介護を忘れて、 元の上司、先輩、同僚、後輩と大騒ぎをしてる事と思います。 余談ですが、何種類かの根つきの花ですので、頃合いを見計らって大きな鉢に 植え替えています。中でも去年の赤いカーネーションは立派に育って、 今日の「母の日」に合わせたように今が花盛りです) 07年5月12日(土) 帰りきて介護ベッドに身を伸ばす車椅子型に固まりし身を 座位の姿勢を保つことが大変で、また難しくなりましたので、 現在では、脚と脚の付け根にベルトを、腰と背もたれの間には 座布団を挿んで、両肘は肘掛に突いて上体の姿勢を保ち、首には、 頭の重みを支持するカラーを巻いてとなります。 この状態で数時間を過ごしますと関節が固まって痛みさえ覚えます) 07年5月11日(金) いま生(あ)れし雲は西から東へと流れ呑まるる蒼天の闇に きっと昨日からの強い北風と雨が、大掃除をしてくれたからでしょうが、 時折、淡い雲の塊ができては東の方へ流れていき、やがて消えてなくなってしまいます。 飽きもせず眺めていて、この歌ができました) 07年5月10日(木) 気の重き事のみ多き五月なれど薫風、青空、緑が救ひ 07年5月9日(水) 開け放つ車窓に流れる街並は晩春だったり初夏だったりで 咲き残ったツツジに新緑、皇居お堀端の柳はもう夏の風情です。 特に街をゆく人々の服装は軽やかで、初夏の風を楽しんでいるようでした) 07年5月8日(火) ボコッ!グーと腹を巡りし球体がポンッ!と噴き出し拍手を貰ふ 07年5月7日(月) スワッ火事!と見紛ふばかりに西日映ゆ窓が炎を抱き燃ゆるがに 西日が映えてただけの事ですが、部屋の中が炎でいっぱいって感じに見えますね。 昨日の夕方の出来事でした) ハナミズキ、ボタンにツツジは終わりですサツキ待つ間の雨音閑か 連日のように吹いていた強い風が止んで静かな雨です。 華やいだ一連の花達も風と今日の雨で終焉の時を迎えました。 次に控えるのは皐月、この雨を糧としてきっと見事な花を魅せてくれることでしょう) 07年5月5日(土) 遭難だ!混雑!渋滞!事故!笑顔・・<黄金週間>他人事(ひとごと)なりき 07年5月4日(金) 浅 薄 黄 萌黄 さ緑 深緑 若草萌ゆる五月青天 世は当にゴールデンウィーク、素晴らしい五月晴れの下、新緑が目に優しく沁みます) 07年5月3日(木) <九条>に護られ戦ふこともなくALS奴の侵略を享(う)く その日本国憲法第九条は不戦を誓っています。 不戦とは闘わない事、その不戦にに因んで詠んでみました。 (我が供ALSは、不治の難病として、治療の術は全くありません。 世に闘病と言う言葉がありますが、その闘病さへも許されない病です。 まるで九条のように、戦力(薬)を持たず、使わず(治療)で為されるがままです) 日本国憲法第九条には 一、 日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、 国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 二、 前項の目的を達するため、 陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。 とあります。 07年5月2日(水) 夏豆ともよばるる空豆あをあをと夏日に美味しビール片手に 確かにこれから旬を迎えるわけですが、今日、故郷出雲から来てくれた、 幼馴染み夫妻とともに一足お先に、塩茹でしたものをつまみにビールを戴きました) 07年5月1日(火) 竹藪のあの香漂ふリビングに剥かれし筍妖しく悩まし 包を 開いた とたん! 子供のころ さんざん遊ん だ竹藪の匂いが リビング中に広が りました。それもその はず、泥だらけの筍が3 本汗をいっぱいかいて納ま っていました、早速剥いて茹で ましたが、自然美とでも言いまし ょうか実に見事な姿を魅せてくれ ます。味ですか?それはもう言う までもなく最高です。ご馳走様! 07年4月30日(月) 見晴るかす芝生緑緑(あをあを)と春たけて朧の空を染めんがごとし (汚れのない新緑に包まれて、命の洗濯をしてきました。) 07年4月29日(日) 雷鳴にてゴールデンウィークの幕の開き町は日照雨(そばへ)に濡れて静もる 沢山の人々が海外へ国内へと旅行にお出掛けのようです。 東京の昨日は、晴れのち曇りのち雷雨、いっとき日照り雨もありましたが、 ほぼ晴れの状態で暮れました。いつもの事ですが、 私が住む町は車の通行量も人の動きもがガクンと減って静かです) 07年4月28日(土) 地裁へのこの道幾たび通りしや去年(こぞ)賞(め)でしツツジの咲き初めしけふも 整然と整備された官庁街の風景は、街路樹その他の植栽が彩りを添え 人工美の極みとでも言えそうな美しい街です) 07年4月27日(金) 歌詠まんと宙睨みゐる吾の鼻をくすぐる香りが夕餉に誘ふ おっ!時間だ!パソコン閉めなきゃ!、と待機態勢に入ります。 因みに私の夕飯は、9時から11時の間にと決まっています。 食べて食べさせてと妻が二役を遣りつつの事ですので時間を要します) 07年4月26日(木) 廃線の憂き目に喘ぐ銚子電鉄の危機を救ひき<濡れせんべい>が 銚子電鉄は千葉県内の、銚子、外川間6.4キロを9駅で結ぶ極小の鉄道です。 一時、ご多分に漏れず経営不振に陥り、廃線も時間の問題と騒がれたのを機に、 社員が一丸となって、サイドビジネスである「オリジナル商品」の販売に力を入れ始め、 テレビが大々的に報道してくれた事も手伝って、今ではファンクラブも出来るほどの 人気鉄道となったようです。特に「濡れ煎餅」の人気は凄まじく、現在はオンラインショップ での販売が、品不足で出来ない状況とも云われています。 「濡れ煎餅」が鉄道を救う、極小なればこそですが、今時珍しい話題でした) 07年4月25日(水) 陸奥(むつ)あたりに桜前線在りと聞く朝(あした)に残る花冷えとやら あの「弘前城址公園」でもチラホラ咲き始めたようです。 どうやら平年並みのようですが、こちら東京地方は、菜種梅雨とか花冷えとかで、 思わず<寒い!>がでるような日々が続いています) (陸奥(むつ)=青森県全域と岩手県の一部) 07年4月24日(火) お寝み!を耳にしお早う!で目を覚ますそんな一夜を過ごしてみたい 夜の眠りに備えていますが、体位交換(寝返り)等々で目を覚ましてしまい、 朝までグッスリは全くありません。 健常でいた頃のあの眠りを、今晩こそは、とベッドに横になるんですが) 07年4月23日(月) をちこちにバンザイ!ひびく街の裏にひそかに聞こゆ深き溜め息 選挙にはつきものの「泣き笑い」ですが、私の住む区では現職の区議が 5人も落選の憂き目に合うという結果となりました) 07年4月22日(日) 「公園にツツジ咲く」とぞ朝刊に報ずるモノクロ写真は寂し 見頃を迎えたと写真つきで紹介されていました。 でも写真はモノクロ、台所事情もおありでしょうが、今時花を紹介するのに、 なんでカラーじゃないの?と、寂しい思いをもったものです) 07年4月21日(土) <スレスレです頼りにします>と投票を促す電話で楽日が暮れる 必死さに心動くも吾は既に「郵便投票」で済ませています 皆さん押し並べて、スレスレです!とどうやら票数が読めてるようで。 私は、妻が代理で記載出来る「郵便投票」で既に義務を果たしています。 この「郵便投票」は、私たち障害者の先達の方々が、運動努力の結果勝ち取った 制度と聞いています。何れにしましても選挙戦は終わりました、どんな結果が出ますやら) 07年4月20日(金) 口々に福祉を叫ぶ選挙カーの「声」季(とき)ならぬ氷雨に沈む 区議選には68人が立ち50の議席を争っていますが、私がお世話に なっているせいか、福祉を口にされる候補者の声によく耳が止まります。 がしかし、先の東京都知事選に立たれた「浅野氏」の奥さんが、 「福祉は一部の人でしょ、票には繋がらないのでは?」と立候補に反対されたとか。 結果はそのとおりとなりましたが、区議選では果たしてどのような結果が出ますやら。 残すは明日一日となりました。冷たい雨に泣いた天気も快復して、春本番の中での戦いです) 07年4月19日(木) 手折りきてグラスに活けし野の花の白根に見たり雑草魂 着けていましたので、摘んできてグラスへ活けておきましたところ、 グラスの三分の一が白い根で埋まってしまいました。 陽の光が全く無い洗面所での事で、驚くばかりです) 07年4月18日(水) 色褪せし声張上ぐるも虚しかり煌く七色ネオンの海に この大きな海を相手にしては、ちっぽけな、それも病体では、 どのような声を張り上げようとも虚しさのみがのこります) 07年4月17日(火) むらさめに散り積む桜花(はな)の哀しくて行き交ふ人に踏まれてをりぬ 07年4月16日(月) 床に就く、吾と妻結ぶスイッチに親指置かれ<お寝みなさい!> その昔赤い糸にて結ばれし妻との現在(いま)は呼び出しボタン 隣室に寝(やす)みし妻にピーンポーンと夢路を破る助けて!コール 右向きに置かれし頭を左にとたったの仕事に寝る妻起こす 眠い目をこすりて妻は二度三度、四度目にポツリ外は朝よ!と 別室に寝ている妻を起こすためのチャイムのボタンが、安眠へと誘ってくれます) 07年4月15日(日) 訪ふ人の笑顔に問ひ掛く街中は<桜散ったかツツジはまだか> 季節の移ろう様を想いおこしたりしています) 07年4月14日(土) われはゆく桜の花びら舞ふ道を追風(おひて)に押され車椅子にて でも、その散る様子までが愛でられる花は桜だけかもしれません。 そよ風にチラチラハラハラと舞う桜並木をゆく幸せ、日本ならではですね) 07年4月13日(金) デコボコの歩道を車椅子で行く病む身ひとつをデコボコ揺らし (雨水が地中に浸透し、植栽を育て地下水ともなる、大変結構な舗装ではありますが) 完成当初は確かに滑らかに仕上げてあって、見た目にも美しくさえ感じますが、時間が 経つに従ってブロックの一つひとつが、浮いたり沈んだりしてデコボコになってしまいます。 地盤にもよりましょうが、少なくとも私が利用する歩道は何処も彼処もデコボコで、おまけに 車道側へ傾斜している処が大部分です。車椅子にはスプリングもショックアブソーバーも着いて いませんので、道のデコボコが身体にそのまま伝わって、私のように筋力の落ちた人間は、 大変辛い道行となります。序に言わせて頂きますが、視覚障害者用の「点字ブロック」も、 実を言いますと狭い道では避けて通れずに大変な思いをしています。 あちら立てればこちらが立たず。関係者は頭を悩ませている事と思いますが) 07年4月12日(木) 振返り振返りして九年目目指せるもののなくて彷徨ふ 三回と言はれしものを八回もまさかと祝ふ四月十一日 8回もの誕生日を迎えられようとは・・・・・。昨日が69回目でした) 07年4月11日(水) 大戦を知らぬがままに団塊の企業戦士ら復員し始む 今年から定年を迎えて順次退職なさると、喧しいことです。 技術系の企業では後継者が育っていないとかで、定年を延長してるところもあるようですが、 「熟年離婚」をと手薬煉引いて待ってる奥様方はヤキモキなさってることでしょう) 07年4月10日(火) 桜花(はな)の散る声を聴かむと耳澄ます若葉の芽吹く声らにもまた 若葉の芽吹きもしかり、まさかオギャー!とは叫んでないと思いますが、 きっと前者は、春を謳歌した達成感と、後者は、新しいスタートに燃えてる事と思います) 07年4月9日(月) 四月です!新年度です我もまた心新たに主治医の許へ 私も心を新たにし期待に胸を膨らませて病院へ行きましたが・・・・・。) 07年4月8日(日) 我はいまなにに怒るや花曇る街に目を遣るよすがなきまま いろいろありまして精神的にも疲れてしまいました) (よすが=拠り所) 07年4月7日(土) 散りのこる桜の囲む校庭に声の弾けし風光る朝に 先頃の寒の戻りのお陰で、充分観賞に価するだけの桜は残ってくれています) 07年4月6日(金) 声高に福祉を叫ぶ候補あり受くる吾なれど眉唾で聴く 福祉行政のお世話になっている私としては、大変有難い話ですが、 果たしてそれでいいんだろうか?と。巨大都市東京の知事には 優れたバランス感覚を要求されて然るべきと考え、苦慮しております) 07年4月5日(木) 去年(こぞ)の葉を纏ひし桜餅(もち)を口にして去年の新茶で春につかりぬ (お茶は、冷凍庫に保管してた去年の新茶を戴きましたが、一際美味しゅうございました) 07年4月4日(水) 雷鳴の轟く街に雪あらし桜に浮かるる卯月四日に 雪が降る 桜咲き満つ東京に十九年ぶりとふ四月の雪が このところの東京は異常とも言えるほどの冷え込みです。 桜は満開を過ぎ散り始めてさえいますが、今日の雪には驚きました。 桜吹雪に負けてはならず、とでも思ったんでしょうか、雷の光と音をバックに 見事なまでに雪が降りました。自然の悪戯とはいえ珍しいものを見せて貰いました) 07年4月3日(火) 夜嵐に吹雪くがごとく散る桜花(はな)の闇に消へゆく悲鳴をのこし 「凄い風ですよ!桜の花びらが舞い上がって飛んでいってます」を詠んだものです) 07年4月2日(月) 老い、身障、妊婦、子連れで満員のエレベーターに若きがひとり 地下鉄大江戸線の「若松河田駅」での出来事です。エレベーターの扉が開いたとたん、 私の脇から一人の若者が飛び乗るように入りました。降りる二人を待たずにですから驚きです。 乗ってから見回しますと、おばあさんと呼んでも叱られないだろう方が1名、車椅子の私と妻、 妊婦一人に幼稚園児ぐらいの女の子を連れた中年の女性、に彼。さすがにバツが悪かった のでしょう、鏡に映ってる顔は下を向いてました。二つの大病院が在るせいでしょう、 私が利用する時間帯はいわゆる弱者と呼ばれる方が大部分を占めています。 隣りにはエスカレーターの乗り口が在りますのに・・・不思議です) 07年4月1日(日) 抽選漏れの通知ハガキを握りしめ<のど自慢>観る妻の背寂し 出ようと往復ハガキで応募しましたが抽選で見事にハズレ。 2千数百人もの応募があったそうですから致し方の無い事ですが、悔しがることったら・・・。 地元練馬での開催とあって、一段と力が入ってましただけに残念!でした。 余談ですが、トップで元気いっぱいに歌った女性4人組は、 私の面倒を看てくれているヘルパーさん達でした) 07年3月31日(土) 巷には桜咲いたかわが庭にヒヨドリ来ずて椿咲き満つ メジロ用の牛脂やミカンを片っ端から食べ、折角植えたパンジー30株の花を食べ尽くし、 海棠の花芽も食べてしまいましたので、今盛りですのにチラホラしか咲いていません。 椿も随分食べられましたが、桜が咲き出したとたん来なくなりましたので、残った花が 今見事に咲いています。食べなければ・・・は分かってはいますが、何もねぇ) 07年3月30日(金) 早咲きも中手も晩生(おくて)も咲き揃ひ千川通りは桜のトンネル 殆どがソメイヨシノですのに、不思議なことに咲く時期にバラつきがあります。 20日の開花宣言の時には、もうかなり咲いてた樹もあったりしましたが、 昨日、一昨日のバカ陽気で一気に満開となりました) 皆さん!「アルバムのページ」に「桜」が満開です。見てやってください 07年3月29日(木) 枝垂れ咲く櫻一本が六義園に善男善女を集めて映える ライトアップもされて21時までの夜桜も楽しめるようですが、「繊細で温和な日本庭園」と言われ 日頃は静かな六義園も、この時期ばかりは沢山の人々で大賑わいとなるようです) たった一本の、と言ったら叱られそうですが、 ソメイヨシノが咲き出す前に見頃を迎えますので、その集客力たるや見上げたものです) 07年3月28日(水) 春風が耳元そぉ〜と撫でてゆく桜が咲いたと囁きながら 近辺の桜は6〜7分というところでしょうか、予報よりかなりのスローモーですね。 こうなったら、期待された、小中学校の卒業式には間に合いませんでしたので、 何がなんでも入学式に咲き揃って、子供達の門出に花を添えてほしいものです) 07年3月27日(火) 臥せをれば晴れに謳ひて雨に泣くほんにおいらは狂(ふ)るるがごとし 07年3月26日(月) 一瞬の地震(なゐ)に慄く被災地にまたもや見たり避難者の群れ 一瞬の恐怖を語る老いらみな顔引き攣らせ能登の訛りで 時を追う毎に増えゆく震災の惨状を見つむテレビ画面に いつきても不思議でなきとふ東京に住みて見つむる大地震(おおなゐ)被害を (07年3月25日(日)9時42分頃、またもや大地震(6強)が石川、富山両県を襲いました。 刻々と映し出される被害の状況に、遣り切れない思いでテレビ画面に見入っていました) 大地震(おおなゐ)に番組喰はれし日曜は朝刊二紙を角々(すみ)まで読みし (ちょっと不謹慎?かと思いますが、同じ場面の繰り返しに、新聞に目を落としました) 07年3月25日(日) 春嵐に震へしあしたのそぞろ雨に桜ほころぶ息吹を聴きぬ 雨の降り出しと共に止んで静かになりました。咲きしぶっている桜も、 この暖かい雨を糧にして、一気に咲き揃うものと思います) 何も彼もここまでくれば上等よ!ALSをテレビに曝す NHKテレビ「”生≠フかたち」に出る決心をした時の歌です。 実を言いますと、テレビへの露出は、散々悩んだ末の決断でした。 ディレクターさんと3時間づつを2回話し合った末に、 この歌のような心境になって決めた事でした) 散り果てしあとの梅が枝もまた嬉し春陽のなかに小さき実の見え 長生きはするもの敗者を足蹴にす横綱を観し春場所土俵に (私は、一大相撲ファンとして、横綱朝青龍の蛮行は絶対に許す事は出来ません。 精一杯の皮肉を込めてこの歌を詠みました) (横綱だから外国人だからは許されません。どのような教育、育成をしたのか 親方(元朝潮)の教育者としての力量を疑います) 先ず六輪ソメイヨシノの咲き初むる梢を囲むケイタイ、カメラ 気象庁職員を取り囲むようにして、報道陣、一般の参詣者の方々が、 桜(基準木)の梢を見上げているなかでなされました。 未だ気温が低く、一気にとはいきそうにありませんが、いよいよの春本番です。 それにしても、ドイツのカメラクルーまでもが来ていたのには驚きです) 立ち止まる冬の背撫づる北風にお彼岸の空は高々と澄む 今日などまさに冬晴れで、吸い込まれるような青空が見事でした) 初雪だ名残りの雪だとかしましき三月半ば都心に雪舞ひ 武骨なるシラス漁師の掌に躍る透明な命は春陽のなか あした咲かんと気負ふ蕾に見る春は桜の彩(いろ)のほんのり差して 春寒にすくめし首をかすめゆく風にかそけし沈丁の香の 餌に群るるスズメのおしゃべり楽しげで学んでみたし鳥語とやらを ひと肌の温くさの酒に酔ふ宵はガラス戸叩く風さへ恋し 連敗がガチンコなればあの騒ぎ矢張りと膝打つテレビ桟敷に 勝てばそれ負ければなほさら八百長と朝青龍の土俵の険し 買ったのかいや勝ったのか横綱を土に這はせし力士の笑顔 潔白を証明なさんと横綱とすまふ力士の汗の光りて 鷲掴む懸賞金に知る重さ横綱に勝つことの重みを (横綱に勝っての、22本(110万円)は金額だけではありません) (まさかとは思いますが、初日、時天空、二日目、雅山に敗れての黒星発進。 「週刊現代」が星を売ったの買ったの八百長だのと大騒ぎした後の本場所です。 皮肉にも、ガチンコでは勝てない、と、自らが証言したような結果となってしまいました。 協会が名誉毀損と告発しましたので、司法の場で争われる事になりそうですが、 三日目の今日は、普天王に難なく勝って初名乗りを受けました) <芝浜>を語り納めに高座をおりる円楽の背よ夢であれかし 演じたのを最後にこの度引退を表明しました。脳梗塞の後遺症で思うような 語りが出来ないから、と言うのが理由のようですが、最後となった高座 には沢山の観客から励ましの声がとんだようです。惜しいの一言です。 落語の「芝浜」は私も大好きで、何度聴いてもその度に、 落ちの「よそう。また夢になるといけねぇ」が実に見事に納まります) (あれかし・「夢で」あってほしい) 雨音に目覚めし未明春なれや重たきものの澱みてをりぬ 身ひとつを絞りて歌ふ♪おふくろさん 他人(ひと)の手になる詩と知りつつも <炊いたの>とはんなり一言添へて届きしくぎ煮を噛みしめ噛みしめて食ぶ 頬を刺す風に見上ぐる桜樹の梢に見たりあしたの春を 車に靴、カメラ、へら竿、マイクまでみ〜んな持ってけ!ALS奴! 厨辺に鎌首もたげて菜花らは真(まこと)の春陽を捜してをりぬ 目薬を点して横たはり独り寝のベッドに夢の美しき追ふ 浅春に食むタラの芽の匂ひたつハウスに生れし春の香と味 受話器より洩れくる声に耳立てる聴きゐる老妻(つま)の笑顔につられ 燦燦の春日を浴びて冬枯れの林ひとつが笑ひてをりぬ (葉の全てを落とし枝のみの雑木林ですが、もうすぐ芽吹きの季を迎えます) (光が丘公園の雑木林に立って・・・・・) (この時期に観るということは、ちょっと不思議な事ですが・・・) (のんびり屋さんで冬眠の機を逃したか、慌て者で温い冬を春が来たと勘違いしたのか?) 秋に日の落つるにも似て冬が逝く三月一日春日(はるひ)燦燦 誰ひとり我を咎める人のなくALS(やまひ)と歩む日々の寂しき 離れ住む母の介護と吾の介護ヘルパーさんは休むを知らず 風邪引きてマスクに顔を隠しゐる妻との距離を測りてをりぬ 病む日々にあしたがあるを身をもちて語る人らをテレビに視たり 秒針が刻むリズムに支配さる真夜に耳鳴り寄せては引いて 清拭(せいしき)に身体ひとつを剥かれゐてポッコリ出でし腹など観てる 廉いでしょ!この大根が百円よ! ハイハイゆんべも戴きました 酔ひ潰れ綿のごとくに眠りたく医師に背きて呑む酒不味し 池袋地下街埋めて声もなき人らの黒き流れ行き交ふ 整然と街もコースもランナーも東京マラソン氷雨に濡れて 都庁発ビッグサイトを目指す群れ競うにあらず嬉々とし流る 氷雨降る東京の街をランナーの群れが蠢く氷河のごとく ゴール成すランナー押し並べ笑み湛え有難う!に楽しかった!を CMと氷雨に祟られし放映をぬくぬくと観し東京マラソン ボランティアさん・12.000人 幼児(をさなご)は野鴨の群を右に左にパンくず使ひ束ねて遊ぶ 喪失せしもの惜しみつつ聴き入りぬテープに遺れるわが歌声よ 辛酸も苦汁も甘露も嘗(な)めましたALS(エイエルエス)と八年余り 春一番吹き荒(あ)る未だ降雪の観測なきまま雨を伴なひ リニューアルせしとふ夕餉の牡蠣鍋に溢れんばかりの白菜シャキッと スズメらが餌(ゑ)を啄ばむを見るカラスそれを見ながらお茶などすする 東京にて大手町なる気象庁に雪未だ降らず新記録成る 泣く者あり笑ふ者ありさまざまの影響のこし暖冬ぞ往く 没(い)りのこる月が見おろす 如月の凛とこごゆる朝(あした)の街を 風立ちぬ春立つあしたの吾が街に南の風がふんはり立ちぬ イライラしてヘルパーを待つこれがもし恋人ならばと時計を睨み 俺様の棲家と知ってか蟻ん子よ冬日溜まれるリビングに遊ぶは 友が逝く我を励まし呉れゐしに我の励まし聴かぬがままに 暮れなずむ街に夕月懸かりゐて点き初めし街灯(あかり)と競ふがごとし 喰ふ犬がゐなくも収まる妻と吾の喧嘩は介助を頼むを機とし 臥せをれば豆撒くニュースに目をそらす虚しく響く「福は内!」にも リビングにて夕焼け雲に見護られつつ介護入浴金曜四時半 入日に向き歩むに前を行く人のシルエットの影がゆらめき止まぬ 花どきの陽気に背押され冬枯れの街を医師待つ病院目指す 4月上旬、桜が咲初む頃の陽気です。一口に「暖冬」などと括ってるようですが、 北風に冷えしコートを脱ぎ捨てて「暑いッ!」と妻はストーブを消す 芝生辺に寝転ぶ自転車よ何してをる駄々をこぬるや疲れてゐるや 苔の生すクスノキ冬日を遮りて根方のベンチは人待ち顔で 小春日の溜まりしリビングにぬくぬくと夕陽に透ける月など観てをり 枯れ葉積む雑木林は静もりて餌(ゑ)を漁るツグミの足音ばかり 屠蘇気分ぬけし二十日に読みなほす賀状に想ふ各々の新春(はる)を 掴む藁なくてもがきし八年を愛しと想ふ現在(いま)安穏にして 「外は寒〜いッ!」のヘルパーさんと冬談義われは布団に温く温くと居て 年金を孫を艶歌をそれぞれに語る友らと酒酌み交はす 美しくひるがへり舞ひ初雪の地に着くせつなにはかなく消えゆく 冬枯れにひとり八手の白冴えてこの寒空に何をか言はん 枝から枝へ渡るメジロに身をまかせ白梅楚々と匂ひて小春 「納骨を済ませました」の挨拶状 病友ひとり仏となりぬ 執拗に吾を追ふカメラは何を視んALS(えいえるえす)を診らるる部屋にて 凛と聳つ冬富士西に輝きて千万都民の暮らしを睨む 孫娘(まご)の目に光るものあり同じものを目に溜めババは見送る背なを 冬晴れに浮く三日月は淡淡し夜空にするどきそれとは異なり うかららは一つ顔にて帰り来ぬディズニーランドに遊びし宵に 暖冬と言はるる冬も厳しかりALSに臥せて八度目となり 臥して辿る棚の書籍らの背表紙に思ひ出多く夢路に落ちゐき 蒼く澄む宵空つき抜くるビルディング灯のパズル模様を抱へて立てり <神の手>とまでは言はねど願はくば孫抱く腕の一つもあらば 孫といふめんこい幼がふたりゐて先生やったり保育士したり 手抜きでも朝餉の見事七草にお澄まし顔の御節が並ぶ 「朝ですよ!」の声に起こされおめでとさん。ゆんべの夢は内緒にしとこ お雑煮に飽きたかメジロら狭庭辺のミカンに群れて日がな一日 初のつく事をニュースに観つつ吾は初看護を受く正月四日 門松も注連縄飾りも無き商店街(まち)は「謹賀新年」と貼り紙にあり 行く行くの予告どほりに孫台風オメデトウ〜ッ!に嵐の予感 のどをこす若水凛と元朝に命を充たすすみずみまでも
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