日ごと日ごとに


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一日一首を義務づけて
私がんてつの身の周りに起こったこと、ALSとの格闘?の模様、
季節の移ろい、世の中の出来事までをも、三十一文字に纏めて、
日記のつもりで短歌らしきものにしています、どうぞ、ご笑読下さい。

2006年11月、私達ALS患者が集まって、現在迄の各々の体験を
岩波書店より 「生きる力」(840円) として、出版しました。
購って下さい、読んで下さい、印税は全額ALS協会へ寄付されます。
「生きる力」 へのリンクはこちら


・・08年版は「短歌のページ」へ収納しました・・


09年12月31日(木)
 「新」(あらた)なる漢字一字に往く年を想ひ遣りつつ新年を睨む



(09年も今日でお仕舞い、色々な事がありすぎて一言では括れない
一年でしたが、私の一字は
「疑」とさせていただきます。
尚、この一年も相も変らぬぼやき短歌をご愛読下さいまして有難うございました。
身体の続く限りですが、来年もぼやき続けますのでどうぞ宜しくお願いします。
皆様どうぞお揃いで、佳いお年をお迎えになりますよう祈念申しあげます)

09年12月30日(水)
 うつうつと十一年を燻りて今年も暮れぬ燃え立たぬまま

09年12月29日(火)
 介護事業所(じぎょうしょ)の暦は数字オンリーで利用予定をメモらっしゃいと

(私に関わってくれている介護事業所から、毎年末になるとカレンダーを
戴くんですが、これが全部、数字プラスメモ欄で出来ていて、便利に
使えるんですが、一部あればいい訳で残りはお蔵入りとなってしまいます。
勿体ない話ですが、貰ってくれる人もいませんのでねぇ)

09年12月28日(月)
 夜の更けて凍てつく路地をみだれゆくヒールの音が眠りをやぶる

(下の路を行く女性のヒールの音が、4階の私の部屋まで聞こえてくることがあります。
普通はコツコツとリズミカルなものですが、昨晩のは当に千鳥足のそれ。
このご時世なにがあっても驚きはしませんが・・・・・)

09年12月27日(
 うかつにも年末ジャンボを買ひ忘れ夢見ることさへ叶はぬ年の瀬

(毎回、最低でも10枚は買い続けていましたが、如何したものか
今回は、最終日を忘れてての買い忘れ、買っても当たらぬことは
ほぼ100%決まりですが、絶対に当たらない筈もない分けです
から、当たる!を夢に見つつ楽しんでいました。だけに、残念!です)

09年12月26日(土)
 孫娘(まご)にみる五か月ぶんの成長に目を見開きて我が身かさねし

(来ました来ました夏以来のご対面です。世の中には「三日見ぬ間の桜かな」
てのがありますが、それほどじゃあなくとも子供の成長って早いですね)

09年12月25日(金)
 入院か!と電話をとればさにあらず、弾みし孫娘(まご)の「あした行くから」

(入院の話があってからもう4ヶ月が過ぎようとしています。
午前中にベルが鳴る度に、来たか、と身構えることに疲れてしまいましたが、
今日のは嬉しい、孫娘一家が予定を繰り上げて明日から来るとの電話でした)

09年12月24日(木)
 <イブ>という光り輝く夜が更けてテレビを落とし眠りに入りぬ

(発光ダイオードが開発されて以来、クリスマスに向けての
イルミネーションが年々派手になってきたようです。
街のネオンや灯りとのコラボレーションが
豪華さを演出しているようですね)

09年12月23日(
 もしもしにつづく正調出雲弁、電話の向こうにふるさとがある

(私の故郷出雲の山村で生まれ育ち今も在住の友人は、
懐かしい出雲の訛りをそのままに、電話での話に付き合ってくれました)

09年12月22日(火)
 朝いちに汲む水道水(みず)日ごとに冷たさを増しきてけふは冬至冬中

(ビルの屋上に設置されている給水タンクは、一番高いところに設置され
遮るものが無い状態で、太陽、風雨、時には雪にも曝され
るんですから、水温は気候に比例するようです)

09年11月21日(月)

 十一年臥せきて想う、告知受けし遠い昔のあの日のことを

(既に一昔を過ぎ、今あることが不思議なほどです)

09年12月20日(
 煤払いなさるる仏像(ほとけ)は一年(ひととせ)の憂世の埃に塗れてござる

(歳末の風物詩とも言える神社仏閣の煤払い行事が、
あちらこちらで行われたとテレビニュースが伝えています。
考えるまでもなく、無数の善男善女が、憂世の埃を身に着けた
ままお参りに押し掛けるんですから、神様、仏さんも大変でしょうね)

09年12月19日(土)
 宅配便送って届いて届いて送る歳末行事のなんと忙(せわ)しき

(お歳暮のみならず、サンタさん、その他の贈り物が日本中を往ったり来たり。
宅配業者はフル稼働でしょうが、便利な世の中ですね)

09年12月18日(金)

 冬晴れは痛みともなうものなりて吹き荒(さ)ぶ北風(きた)に身震ひひとつ

(本格的な冬型の気圧配置となって、東京はギンギンの冬晴れとなりました。
北風が強く、寒さが痛く感じるほどですよ、とは来訪者各位の言葉でした。
そうでしょうとも、添えられる手の冷たさで充分体感できました。)

09年12月17日(木)
 ちまたにはジングルベルとヒジョウベルが不協和音となりて溢れぬ

(ジングルベルに浮かれる人々の陰で、沢山の人達が悲鳴を挙げています)

09年12月16日(水)

 正月を迎える為にあらずして入院準備に散髪を為す

(ヘルパーさん他数名の来訪者から、「これでお正月が迎えられますね」
と、声をかけられました。そんな時代が確かにありましたね。
今回はさにあらず、8月末から入院を待ってる間にぼさぼさになっただけです)

09年12月15日(火)

 値引きしてまた値引きして値引きしてデフレ地獄は底なし沼ぞ

(日本経済は今、円高と株安に喘いでいます。
輸出大国日本にとって、製造業界を打ちのめすに充分なレベルです。
政府はデフレに陥ったと発表しました。世は挙げて値下げ合戦です。
高級感を売りとするデパートは、地下以外はガラガラで閉店騒ぎです。
一方、大型のアウトレットがあちこちに出来て沢山のお客を集め、
あの銀座にユニクロが進出し、一杯280円の牛丼が現れました。
たとえ値下げをされようとも、ボーナスは勿論賃金さえもカット
されるようでは、購買意欲を殺がれて当たり前の世の中となりました)

09年12月14日(月)
 暮れのこる茜の空に後ろ髪魅(ひ)かるるままにカーテンを引く


(どんよりとした黒雲が太陽を遮って日中の気温が上がらず、
皆さん寒い寒いを連発してましたが、午後になって突然雲が消え
冬晴れの好天気となりました。日本海側では雪になってるようですから、
西高東低の冬型となったようで夜に入って一段と冷え込んできました)

09年12月13日(

 十一年臥す吾を嫌〜な奴に変えALSはいまも棲みをり

(健全な精神は健全な肉体に宿る・と云いますが・・・・・)

09年12月12日(土)
 やもすれば寝たがる身体に<薬>もて鞭討ち椅子に座りて暮らす

(病人いや、私にとって「寝たきり」ほど嫌なものはありません)

09年12月11日(金)
 往診をしくれしホームドクターは微笑み添えて「佳いお年を」と

(いくらなんでも早過ぎますよ先生!、入院するまではお願いしますよ)

09年12月10日(木)
 日替わりで秋と冬とが訪れてけふは小春日公孫樹の眩しき

(流石に夏は訪れませんが、このところの目まぐるしさったら呆れるばかりです)

09年12月9日(水)
 晩秋の朽ち色蓋ふ街にゐて青空蔽ふ雲を憂ひぬ

(陽射しゼロのどんよりとした寒〜い一日でした)

09年12月8日(火)
 メジロらに設えおきしハチミツにハナバチ訪ひく小春日のどか

(冬になるとメジロを呼ぶために、ミカン、ハチミツ、牛脂を庭に
置いていますが、小春のような今日の暖かさに誘われたんでしょう、
トラマルハナバチ(図鑑で確認)と、もう一種(不明)がハチミツの容器に
入っては飛び出すを繰り返していました。たまたま来て見つけたのか、
何匹なのかは不明ですが、庭に陽が差さなくなるまで続きました。
自然界にもちゃっかりしたのがいるもんですね)

09年12月7日(月)
 北風の思ふがままに黄落は秋の仕舞ひと庭すみに踊る

(庭隅に降り積もった落ち葉が、今日の冷たい強風に舞い踊っています)

09年12月6日(
 ピ〜ンポンとピンポンピンポンピ〜ンポンと宅急便はお客を急かす

(暮れにきてお忙しいのはわかりますが、突然来といて早く々々はないでしょう。
どういうわけか、手が放せないような事をしてることが多いんですが、
今日は尿器を使っての採尿中でしたので、少々お待ちを頂きました)

09年12月5日(土)
 ああ師走!ひっそり届きし七枚の喪中葉書に想ひを遣りぬ

(12月に入ったとたんに喪中葉書が届くようになって、今日までに7枚が。
この11ヶ月間に7人の方がお亡くなりになり、哀しいお別れとなりました)

09年12月4日(金)
 野良猫を嫌うひとゐてノラ故に面倒みやるひとらの笑顔

(野良猫が増えて、その糞害に憤慨される住民の方々対野良猫愛好グループの
対立の様子をテレビで視ましたが、餌を遣り、トイレを置き、不妊手術を
施したと笑顔で野良猫を擁護される皆さんの気が知れません。そんなに猫が
お好きなら自然におくんじゃなくご自分で飼って管理されればいいだけのことです。
犬や猫は古来、人と共に生きる動物で、自然界に居るものではない証拠に、
野良をつけて呼びますね。野良兎、野良猿なんて聞いたことありません)

09年12月3日(木)
 日の暮れて闇に消えいし雨脚のたけたる音に聞き耳たてぬ

(一日中降り続いた冷たい雨が、夜に入っても上がりません。
シトシトと降るだけでなく、時々ですが激しくも降ってくれます)

09年12月2日(水)

 ゆ〜らりと船ぞこ見せて飛行船、不況に荒れる師走の海を

の〜んびりと船ぞこ見せて飛行船、殺伐とした地上をよそに


(一度乗ってみたい、と思ったんですが、車椅子はバツでした)

09年12月1日(火)
 夏に咲き秋を彩り冬いまだ百日草は飽きるがまでに

(種から育てた一鉢の濃いオレンジ色の百日草が、
8月から咲きだして師走の今日になってもまだ咲いています。
百日草とは良く言ったものですが、少々・・・ます)

09年11月30日(月)
 大相撲、男女のゴルフにジャパンカップ、二つのテレビをいったりきたり

(昨日は見逃せないスポーツ中継が重なって2台のテレビで観戦しました)
☆・大相撲十一月場所千秋楽・横綱 白鵬の全勝優勝で幕・
☆・カシオワールドオープンゴルフトーナメント・-21 小田孔明 が優勝・
☆・LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ・-6 横峯さくら が優勝・
☆・第29回ジャパンC・が東京競馬場で行われ、ルメール騎手の
  1番人気ウオッカが、2センチ(鼻)差の死闘を制し、初戴冠

09年11月29日(

 我を看る妻に笑顔の消えし日は溜息まじりの涙雨ふる

09年11月28日(土)
 寂しさもひと恋しさもALS(なんびょう)も忘れさせらる小春日温し

(今日のように穏やかに晴れて温かい日を、小春日とよびますね。
(本来の小春は、陰暦10月の異名ですが)
何方が名付けたかは知る由もありませんが、
日本語の素晴らしさにあらためて感心します)

09年11月27日(金)
 男吾に更年期障害でしょうね、と診くるる女医は私も同じと

(私も同じ症状がでるんだけど、気にしないの、とホームドクター。
発症の時期こそ違うようですが、男性にもあるんだそうで)

09年11月26日(木)

 池の面に夏を謳ひし布袋草は寒さに負けて日ごと朽ち逝く

(ちっちゃな池一面を埋めるように繁茂していた布袋草の葉が、
枯れるそばから水中に沈んで朽ちていきます。それもそのはず
あと4日で師走です、いよいよ本格的な冬の到来ですね)

09年11月25日(水)

 「新蕎麦を始めました」の隣に小さく「しばらく休業」と無念の張り紙

(蕎麦っ食い(蕎麦好きな人)にとっての新蕎麦は、絶対に食べずには
過ごせないものなんですが、蕎麦屋にとってもひと稼ぎ出来る絶好の季節物です。
何があっての休業かは知りませんが、折角仕入れた新蕎麦粉が泣いてることでしょう)

09年11月24日(火)
 朝青龍は張り手をかまし駄目を押し千代大海に引導渡す

(今日10日目の朝青龍戦で敗れた千代大海が、2勝8敗となり、
遂に11年間務めた大関の座から陥落することになりました。
横綱に負けての陥落ですから、形としてはOKでしょうが、
右から張られ両まわしを取られての吊り出し後に食った、
胸辺りを両手で突く駄目押し、悔しくないんでしょうかねぇ。
両足をバタつかせるほどの吊りですから、土俵の外へ降ろした時点で勝負あった!です。
14回のカド番記録を持つほどですから、負け癖がついて誇りをも失ったとは思いたく
はありませんが、来場所の10勝を考えると、復帰はほぼ絶望的でしょうね)

09年11月23日(
 かねて吾を励ましくれし友三人(みたり)は癌との闘病(いくさ)に敗れ逝きたり

(皮肉を絵に描いたような話ですが、癌はまだまだ怖い病気ですね)

09年11月22日(

 吾に愚痴をこぼすひとゐて吾は我の愚痴の重みを背負ひしままに

09年11月21日(土)
 初日から不入りの九州大相撲スター引退世(なきよ)の哀れを観たり

閑古鳥はご当地力士の魁皇をカテカテカテと啼いて励ます

バタバタとズルズルズルと大関はカド番相撲に磨きをかけぬ

大相撲は両横綱に乗っ取らるる。白星献上力士糧にし


(開催中の大相撲九州場所が、酷いことになっています。
初日こそ7.000人と定員を1.000人割る程度でしたが、大入り御礼幕は
下がらず仕舞い。その後も半数にも満たない3.000台後半で館内はガラガラ、
当に閑古鳥が鳴いてる状態ですが、砂被り席にさえ空席が在るのなんて私は
初めて見ました。それもこれも国産のスター力士が居ないが為の客離れでしょうが、
現実は、スターどころか5人の大関中、千代大海、魁皇、琴光喜の不甲斐無さったら
目を覆うばかりで、勝ち越してさえいれば大関の座を追われる心配は無い!とばかりに
カド番回数の記録更新に励んでるようでは、お先真っ暗としか云いようがありません。
それにしても、国産の生きのいいお相撲さんが育ちませんねえ。)

09年11月20日(金)
 世はあげて安売り合戦に血道あぐ、ひとり勝ちせし円高よそに

(政府は今日20日に発表した11月の月例経済報告で、
日本経済は「緩やかなデフレ状況にある」と認定したそうです。
これ以上物価下落が続くようだと、不景気どころの話じゃなくなりますが、
90円を割るほどの円高の所為か、日本の株価は下げ続けています。
何がなんだかさっぱり分からぬままに、狂歌紛いのこんな歌を詠みました)

09年11月19日(木)

 地下鉄を乗り捨て訪ひ来し病院はしょぼ降る氷雨に濡れて吾を待つ

十七年ぶりとふ寒さは霜月に十℃を割り込む東京に雨


(3ヶ月ぶりの診察に行ってきましたが、
引き続きベッドが空くのを待つことになりました。
今日の東京は予報に反して冷たい雨となりました)

09年11月18日(水)
 家蜘蛛は宙を舞ふごと左に右に上へ下へと糸を操り

(我が家には何時のころからか家蜘蛛が棲みついています。
ちっちゃな蜘蛛でピョンピョン跳ねたりして可愛いい奴ですが、
不思議なことに決して巣をかけません。何を食べてるんでしょうね。
今日も天井からぶら下がって遊んだりしてました。)

09年11月17日(火)
 紅葉狩る人らの列は口々に去年のそれを褒めつつゆきぬ


私が撮った14年前の西沢渓谷です

(山梨の西沢渓谷へ紅葉狩りに行ってきた方の話によれば、けっこう綺麗でしたけど、
「去年の方が綺麗だったよねぇ」と大声の賑やかな一団とすれ違った由。
紅葉の賞見期限は一週間、その中でも最高潮は精々3日です、
全く同じ条件で観るなんて不可能ですから比べようなどありません)

09年11月16日(月)

 銀シャリを100グラムほど腑に収め秋の旨みに酔ひて候

(美味しいですよ!と戴いた新米を、昨夜食べましたところ、
当に旨い!でした。だからといって食べ過ぎるようなことはなく、
定量の100グラムに止めたことは言うまでもありません)

09年11月15日(

 ちらちらとはらはらはらとさざんかの散りしく道や秋日和


09年11月14日(土)
 この秋も稔りひとつのなきままに我の現(うつつ)は冬へふみこむ

(病人やってるんですから、当たり前の話でしょうが。
たまには嬉しい事、楽しい事があったって・・・は、贅沢かな?)

09年11月13日(金)
 インフルのワクチン注射(うた)るる右腕に痛みのひとつなきぞ哀しき

(予定より遅れること3週間、やっと今日季節性のインフルエンザワクチンを
射ってもらえました。期待した新インフルは26日に、とのこと。
身体に一物持つ者にとっては、出来るだけ早くと思いますがこればかりは。
それにしても、注射も接種後の痛みも腫れも全く無いのはどうしてでしょうか)

09年11月12日(木)
 洗髪に秋の終わりを知りました。それもそのはず<一の酉>です

(春はひと雨ごとに温かくなる、と言いますが秋はその逆で、
昨日の雨が、一気に気温は勿論水道水の温度さへも下げました。
東京ではもう一の酉です。昔からの言い伝えにあるとおりに
寒くなって、冬への一歩を踏み出したようです)

09年11月11日(水)
 友からの宅配便の封を切る妻は喜々とし童のごとく

しっとりのダンボール箱には「お袋の心」でくるんだ食材あまた

さつまいも、ズイキ、さといも、ヤーコンと秋の稔りは友の手に生る


(その他に食用菊、ハヤトウリ、等々がダンボール箱が張り裂けんばかりに
入っていました。いつもながらに、ただただ有難うを返すのみです)

09年11月10日(火)

 昼餉をへほっと庭など眺めるに、妻は今晩なにを食べたい?

(どちらさんでも、同じようなことが繰り返されていることと思います。
私の場合は、何が出てきても美味しく食べる事を条件に、
「よきにはからえ」と答えて46年です)

09年11月9日(月)
 舞茸は枯れ葉の揺り籠に収まりて深山(みやま)の秋の香をつれこし

(群馬の山で採ってきた、という自生の舞茸を戴きました。
大きいものだったようですが、珍しいのでとのお裾分け。
お陰さんで枯れ葉の香りと共に深山の秋を堪能することが出来ました)

09年11月8日(
 チチチチとメジロがふたつ秋色に染め初む庭の枝枝をわたりぬ

(桜が咲くと同時に姿を見せなくなったメジロが、やっと帰ってきてくれました。
早速、蜜柑と蜂蜜の給食セットを設えましたが、スズムシが終わった
と思ったら今度はメジロ!と女房殿は嬉しい?悲鳴をあげています)

09年11月7日(土)

 立冬にしては温いと電話の友は紅葉の出来を愁ひてをりぬ

(今月末に京都のモミジを観に行くという友人。
「こんなんじゃ綺麗な紅葉は無理だろうな」と今から心配してます。
綺麗汚いよりも時期が問題で、「綺麗になった日に行けばいい」だけのこと、
と言ってやりましたが、これが難しくって臍を咬む思いをするんですよね)

09年11月6日(金)
 天高く大気はあくまで澄みわたる我が街の秋眩しきまでに

(雲一つなく晴れた青空は、高く高く広がって一日中穏やかに輝いていました)

09年11月5日(木)
 われひとり取り残されたるうつし世の夜半のよどみにともし火さがす

(次から次へと、私を追い越して逝った友人知人たちの事が頭を離れません)

09年11月4日(水)
 何故に訃報は続くけふもまた竹馬の友の愛妻みまかる

折にふれ夫婦で励ましくれたるにまさか我より先に逝くとは

あの彼が独りで歩むこれからを想ふに辛し秋の夜長に


(C型肝炎を発症し、医師の管理の下に生活してる、とは聴いて
いましたが、まさか!それもこんなに速く亡くなるとは驚きです。
なにしろ、4月26日に来てくれて、6人でワイワイ!
やって別れたあとになって、治療を始めた云々でした。
人の命の儚さを、嫌!というほど味わいましたが、彼のこれからを
考えると遣りきれないものが込み上げてきます。合掌)

09年11月3日(
 癌を身に棲まはせ三年。カラオケに夢を見しまま歌友は逝きぬ

(胃に始まった癌がアチコチに転移を繰り返し、遂には骨髄で急激に体力を落した由。
私と同じカラオケ大好き人間で、病院から抜け出してはコンクールに出場し、
全国大会のステージを目指していただけにさぞや無念だったことでしょう。合掌)

09年11月2日(月)

 遅れます!電話の声をかき消すやうに「人身事故」とのアナウンス哀れ

(3時に行きます、の知人を待ってるところへの電話。「事故で電車が
動かないんで遅れます」。その声の向こうでホームのアナウンスが、
人身事故云々と報じていました。人身事故イコール投身、でしょうね。合掌)

09年11月1日(

 青空と南の風が支配せし練馬の霜月は夏日で始まる

(11月に入っての夏日は珍しいことのようですね)

09年10月31日(土)
 いつしれず緑の失せしハナミズキは秋の日を背にボロを纏ひぬ

(外来種であるハナミズキが、公園植栽や街路樹としてすっかり定着しています。
がしかし、紅葉は中途半端で愛でる対象には程遠く、どころか実の生らない樹は
葉が下向きに垂れてみすぼらしくさえあります。これで春の花でも見事なら、と
思いますが、これがまたいまいちでどうにも好きになれないでいます。
以上は東京でのことで、ハナミズキの名誉のために添えますが、
多分!気候が温か過ぎてるんではないかと思います)

09年10月30日(金)
 秋秋と飽き飽きするほど聞かされし秋晴れのけふ夏日となりぬ

(戯れ歌でご免なさい。
秋晴れ、秋晴れ、秋晴れと、予報士さんほかの仰るとおりの
一日となりましたが、ほぼ無風状態でしたので練馬でも気温
が上がり、皮肉にも夏日となってしまいました)

09年10月29日(木)
 下腹のポコリと出しを嘆きつつ妻はまだ食む<あと引き豆>を

(お腹ばっかり肥って!もうやだぁ〜!
と言いながら・・・茹でた落花生を口に運んでいます)

09年10月28日(水)

 天高し冬晴れ空にこの寒さ襟をかき抱く秋晴れの朝

(真っ青な空にけっこうな冷え込み、思わず冬晴れ!って口走ってしまいました)

09年10月27日(火)

 紅葉なす<いろは坂>には渋滞す車のごとく思ひ出詰まる



(今、日光いろは坂の周辺は写真のように紅葉真っ盛りです。
休日ともなると駐車場化するほどの車が押し寄せているようですが、
奥日光大好き人間の私にとっては、まだ上り下り各一車線道路が
一本しかない頃からの思い出が沢山詰まった道路でもあります)

09年10月26日(月)
 看護師のバイタルチェックを終えし手が凝り固まりし心身(しんみ)に添えらる

(と、とたんに眠くなって寝入ってしまうんですよねぇ)
(週3回各2時間の看護を受けていますが、ALSに侵された心身の
ケアをして貰うことで、在宅療養生活が楽しいものにさえなっています)
(これ本音です、決してスリスリじゃありません)

09年10月25日(
 頼られて三十五年も今の吾はにょうぼに縋りて青息吐息

(お得意のぼやき短歌です。)

09年10月24日(土)
 尊厳が、プライバシーがあってこそ<南田洋子>は銀幕の星

(人間何方でも、スッポンポンに剥いちゃえば只の人と云いますが、
この度亡くなられた南田洋子さんが当にそれで、旦那さんである
長門裕之氏の口から出る闘病の様子は、ファンならずとも耳目を
覆いたくなるほどのものでした。ご本人は認知症を患ってて、何ん
にもご存じないままに逝かれたんでしょうが、スターの最期に
しては余りにもお気の毒で、こんな歌を詠んでしまいました)

09年10月23日(金)
 ひとの言ふ、先の見えない介護だね。「先」とは若しや終わる日ですか?

(おとなげのない歌で、ご免なさい!<m(__)m>)

09年10月22日(木)
 助け乞ふ我に何方も振り向かず「お願いしますッ!」の声に目覚めぬ

(道の真ん中に足を投げ出して座ってる私の両サイドを、沢山の人が
行き交ってるのに足を止めてくれなくて、大きな声で「お願いします!」
とやったところで夢から覚めました。自分の寝言で目覚めることは
ちょくちょくですが、どうしてこんな変な夢を見るんでしょうか?)

09年10月21日(水)
 雨に散り風に散りして病葉を脱ぎ捨つ桜に秋の淋しき

(近所の桜並木の中に、葉を落してスカスカ状態のものが数本あります。
残ってる葉も、虫食いの穴が無数に開いてて見るからに病葉です。
これでは、紅葉などとても無理なはなしで来春の花さえ危惧されます)

09年10月20日(火)
 病みをれば新インフルが恐ろしく入院指示の無かれと祈る

(幸か不幸か未だに入院の指示がありません。当初、連休明けには、
と聞いてましたのでてっきりシルバーウィーク後かと早合点して
ましたが、この際ですから、新インフルエンザのワクチンを接種
して免疫が出来てからに、と祈るような気持ちでいます。)

09年10月19日(月)
 愛ちゃんが走るをパパがビデオで追ってママはニッコニッコ運動会に

(皇太子ご一家は17日、長女愛子さま(7)が通う学習院初等科の
運動会に参加され、リレーなどに出場した愛子さまの様子や、
にこやかに応援されるご夫妻の様子がテレビニュースで流れました。
2年南組の愛子さまは、黄色い鉢巻き姿でリレーの第3走者として
バトンを受け取り、トラック1周を駆け抜けました。雅子さまは拍手、
皇太子さまはビデオカメラを構えての応援、南組が1位でゴールすると、
愛子さまはガッツポーズでおお喜びしてました。
これが普通のご家庭であれば、この歌のようでいいんでしょうが)

09年10月18日(
 けふひと日出掛けし妻は雑踏に介護疲れを捨ててきたらし

(今日は女房殿の月一度の休日でした。
と言いましても、朝の10時から夜の9時迄でそれ以降はまたぞろ私に
べったりの生活にもどりましたが、非日常的な環境で時間を気にしないで
過ごしてきたせいか(大袈裟かな?)ちょっぴり元気になったような感じです)

09年10月17日(土)
 スズムシの鳴き声(ね)とおのく虫籠に産みつけられし卵の数多


白いツブツブが卵です

(五月蝿い!ほどだった鳴き声が秋の深まりとともに間遠となり、
現在は、残った数匹が絶え絶えに聴かせてくれてる程度です。
でも写真にあるとおり、卵を沢山遺してくれたので来年も楽しめそうです)

09年10月16日(金)
 奥さんのその後はどう?と友人に訊くにためらう「難病」と識り

(入退院を繰り返すような状態とは聴いてますが・・・)

09年10月15日(木)
 プライバシー?あるはずないだろなにもかもスッポンポンに剥かれて暮らす

(ヘルパーさんその他のお手を借りての在宅生活に、
興味を示した知人との遣りとり中に出た言葉そのままです)

09年10月14日(水)
 深みゆく秋知るけふで三度めの塩焼き秋刀魚の脂ののりに

(北海道沿岸から始まった秋刀魚漁が、秋の声と共に南下しますが、
それに比例して脂ののりも益し、旨い!サンマが戴けるようになりました)

 季ならぬ雷鳴とどろく宵闇に月なく星なく稲妻奔る

(こんな時期になんで雷?ですが、今晩のは賑やかでした。
強い雨も一緒になって大騒ぎをしてくれました)


09年10月13日(火)
 硝子透(ご)しに入りくる秋の陽リビングの隅々までも夏日で満たす

(外から帰ってきた妻の第一声が、アッチチチチッ!、爽やかな風に
吹かれてた体が部屋に入ると、むっ!とするほどだそうです。
それもそのはず、陽射しがリビングの中程まで入り込んでいます)

09年10月12日(
 くきやかな出雲路(いずも)の秋にタスキ継ぐ若きらの汗黄金に輝る

(第21回出雲全日本大学選抜駅伝競走が、本日、秋晴れの下21チームが
参加して、出雲市の周回コースで行われました。勿論テレビでの観戦ですが
出雲大社をはじめ懐かしい風景にふれレースそっちのけで楽しめましたが、惜しむ
らくは、稲の刈り入れが終わっていて黄金色の海原を視られなかったことでしょうか)
(尚結果は、日大(二連覇)、山梨学院、東洋、の順で来年はシードされます)

09年10月11日(
 東から西へと航(わた)るジェット機が南の空を雲で埋めゆく

(雲一つないスッカンピンの青空に、夕方近くなって一本二本三本と飛行機雲が
伸び、やがてそれが薄〜く帯状に広がり南の空を覆いつくしてしまいました。
羽田を発ったジェット機が日本海側え渡る航空路のようで、
朝夕に各一回づつラッシュ的に飛ぶ時間帯があるようです)

09年10月10日(土)
 南天の穂先にとまる赤トンボ日が没ちぬまにねぐらへいそげ

(赤トンボが山から降りてき始めたようで、我が家の
庭にも立ち寄って翅を休めてゆくようになりました)

09年10月9日(金)
 入院の指示待つ我は友人の電話にさへも助けを乞ひぬ

「何時まで」のその何時までがないままに「何時に」を只只待つ身の悲哀

来ましたよ!電話にとびつく妻の目が違う違うと背中を向ける


(問い合わせても、「ベッドの空き待ちです」の一点張り。日毎にストレスが溜まります)

09年10月8日(木)
 台風十八号(たいふう)の遺しし秋天澄み亘り東京五輪のあの青空のごと

(各地に風と雨による被害をもたらした台風18号が、東京へ素晴らしい
青空を置いて行きました。あの、昭和39年(1964)10月10日の
東京オリンピック開会式当日の、NHK北出アナウンサーの名文句
「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような・・・」
を彷彿とさせるような青くて高〜い空です。あの日の前日は秋雨が降り続いてて、
国民皆んなが心配してたほどでしたが、一夜明けると花丸つきの日本晴れ!、
白黒テレビに噛り付いて一喜一憂してたのを久し振りに思い出しました)

09年10月7日(水)
 夕暮れは寂しいですねと妙齢のご婦人三人(みたり)が秋を語りぬ

(たまたま仕事で来られたお二人さんが鉢合わせ、鈴虫の鳴き音を耳にしてから
始まった秋談義に女房が加わって、丁度日暮れ時だったこともあってか皆さんが、
異口同音に夕暮れ時のえも云われぬ寂しさを語り合っておられました。
男の私も同じで、長じてからは特に感じませんでしたが、それまでの
あの不思議な寂しさを、今でも嫌〜なものとし身体が覚えています)

09年10月6日(火)
 壊れたる「自律神経」棲みつきて己の好きに我をいたぶる

(男の更年期は70歳から・・・と仰る方がいらっしゃるようですが、
首から上が突然カーッ!と熱くなって大汗を掻き、心臓がバクついて
ついには呼吸が浅くなって乱れ、息苦しくなるようなことが度々です。
ホームドクターによれば、自律神経の不具合によるものだそうですが、
女性の更年期障害に似通った症状が出ようとは、厄介なことです)

09年10月5日(月)
 焼き栗を口に含みてしる秋はふるさと出雲に置いてこし味

(焼き栗なんて、ほんとに久し振りに食べました。
戦後、少年期を出雲の山村で過ごした私にとっての栗は、お八つどころか
腹の足しにもなる貴重な食糧で、山中を駆けずり回って調達したものです。
竈や、五右衛門風呂の窯に放り込んで破裂させ、周りに燠灰を振り撒いて
お袋にこっぴどく怒られたのも今となっては懐かしい思い出です)

09年10月4日(
中秋の月愛ず宵はがらになく三十一文字などもてあそびをり



09年10月3日(土)
 落選と読んで見る夢白々しオリンピックは夢のまた夢

残念!と云はずもがなよ開催に諸手を挙げぬ国民
(たみ)は寡黙ぞ

民意なきままに終焉迎えたり五輪招致の白昼夢ああ!


(石原都知事の肝いりで進められていた、2016年大会の東京都開催は、
皆さんもご存じのとおりの結果となりました。世論調査のようなものでの
反応は、反対と無関心派が70%以上と出てましたので、IOCの調査委に
読まれていたのかも知れませんね。因みに私は、初開催国でどうぞでした)

09年10月2日(金)
 しとど降る雨音を背に訃報きく、入院待つ吾の耳に重たく

(癌と闘うこと6年、遂に力尽きてのご逝去でした。合掌)

09年10月1日(木)
 ベッドより起こされふ〜っ!と息を吸ふけふこれからを占ふがごと

(8時間を身動ぎもしないで熟睡していた身体を、
起こして椅子に座ることから今日の一日が始まります。
先ずは息がしっかりと吸えてるか、痰の絡みはどうか、等々ですが)

09年9月30日(水)
 夜、夜ごと満ちゆく月をむら雲の向かうにさがす仲秋の宵

(今年の中秋(旧暦8月15日)は、10月3日で満月は4日です。
予報はお月見に不適と出ています、果たしてどのような名月を鑑賞できますでしょうか。
尚、「仲秋」とは、旧暦の8月をいい、「中秋」はその真ん中すなわち15日のようです)

09年9月29日(火)
 秋の蚊の羽音を耳にそを澄ます遠のきゆくを見遣れぬままに

(どこに潜んでたのか家蚊の五月蝿い夜でした。
計らずも、頬、首、足の親指と3か所の血液を、
蚊族繁殖のために提供してしまいました)

09年9月28日(月)
 暑いけどクーラー回すほどでなく残りの夏を苦しんでます

(閉めきってると暑いし、開けると風が冷たくって・・・)

09年9月27日(
 我慢してこのまま朝を待てそうになくてにょうぼの眠りを破る

(6時でした、暑くって眼が覚めたら汗びっしょり。
4時に膝下と胸、肩がスースーして寒く、薄での毛布を掛けてもらって
寝てから2時間でした。8時になればヘルパーさんが来てくれるんですが、
この汗じゃあ熱中症?なんて考えたら暑さが倍増してしまい我慢どころ
じゃあなくなって、昨夜4回目となるピ〜ンポンを押してしまいました)

09年9月26日(土)
 俺が見たゆんべの夢を教えてよ、二人で登ったあの山はどこ?

(夢といっても、叶いそうにもない事を願って「見る」夢と、
就寝中に勝手に出てきて目覚めさせてくれる「見た」夢がありますね。
こちらは絶対に、他人さんと共有出来ない自分だけの夢でもあります。
この歌は当然後者ですが、こんな身体になっても山へ登ってるんですから
不思議です、それも何処の何方かも知れない人とですからねぇ)

09年9月25日(金)

 長かりし連休明けてほっとする間も無く明日は土曜日なりき

(朝の5時前から始まったしつっこい痰の排出に、妻共々が疲れ、
今日も訪問看護ステーションの看護婦さんに助けて貰いました。
これが若し休日だったら・・・・・救急車で病院行き?ですが、
落ち着いてからの帰宅がことのほか大変で、逡巡してしまいます)

09年9月24日(木)
 バンザイ!に胴上げ騒ぎも他人事、アンチ巨人はチャンネル替える

(眼を剥いて頑張ってる監督が引っ張る巨人と、ドッチラケで「野球の事は喋らない」と
いう監督が率いる中日では、こうなって当然!でしょうが、面白くないことこの上無し。
その昔、やくざ紛いの読売新聞勧誘員に3時間も居座られ辟易としたところへの
江川、桑田事件で、私は筋金入りのアンチ巨人になりました)

09年9月23日(
 妻のゐて心安まるはずのけふ入院仕度に追はれて暮るる

(私の生活は全介助ということで、人手は勿論、色々の小道具を
使いながら成り立っていますので、入院に備えての用意を始めました。
本来なら、パソコン三昧でのんびりと過ごす水曜日ですが、連休も今日で
明けますので、明日以降のお呼び出しに慌てないようにとの準備です)

09年9月22日(
 仙台に住まふ女孫が罹患せし新インフルに脅えて暮らす

(新インフルエンザが、深く静かに蔓延しつつあるようです。
がしかし、不思議なことに私の知る限りですが、私に関係する方々に
罹患した人は一人もいらっしゃらない様で、安堵しているところです。
この歌の仙台の孫(小4)は、5日程で快癒して、
うつらなかった家族と連休を楽しんでるそうです)

09年9月21日(
 五日間を如何に過ごさん頼るのは<119>のみ被看護難民

(世の中はお休みムード一色の中、ひとり鳩山内閣だけが精力的に働いているようです)

09年9月20日(
 台風十四号(たいふう)が狙う列島は晴れわたり
シルバーウィークとふ秋の燃えたつ


(ゴールドに対するシルバー、巧いネーミングをするもんですねぇと感心します。
昨日の土曜を入れての5連休、早速、乗車率だ渋滞だと喧しいことですが、
列島を睨んで北上してた台風14号も、北からの高気圧に圧され房総の
端っこをかすめた程度で東海上へと遠ざかりました。紅葉には少々
早いようですが、お墓詣りには絶好の秋日和が続くようですね)

09年9月19日(土)
 幼子の歌ふひばり≠ェ急逝せし友を連れ来ておいらを泣かす

(小学4年生10才の少女演歌歌手・さくらまや・が歌う、ひばりの「りんご追分」を
聴いてるうちに、今年の春急逝した友人が歌った、「津軽のふるさと」を思いだし、
しばしを女房とふたり涙しながら感慨に耽ったものでした。
男性でありながら実に味のある「ひばり演歌」を聴かせてくれた人でしたが)

09年9月18日(金)
 長月の大気は重く湿りをり吸へど吸へども吾が身満たさず

(近日中に入院の運びとなりそうです)

09年9月17日(木)

 救急車を後にし見上げる青空は高く広ごり苦しさ癒す

(先月23日(日)に続いてまたまたホームドクター休日(水)の発作でした。
致し方なく主治医の居る大学病院へ救急車のお世話になりました。
ストレッチャーごと降ろされて運ばれる構内から見上げた空の美しさったら、
苦しさを一時忘れさせてくれるのには充分すぎるものでした)


09年9月16日(水)

09年9月15日(火)
 振り返り思ひ起こせし六十年、赤面なして懺悔にはしる

(色々とありましたが、ALS罹患を機に60年の「私の人生」は終わり、
考えてもいなかった、新しい人生が始まり現在に至っています)

09年9月14日(月)
 

09年9月13日(
 夜の闇にひとり目覚めて聴く音はエアーマットの人工呼吸

(一年を通して「床ずれ予防の為」にエアーマットを敷いて寝ています。
空気を満たしたり抜いたりして、身体を支える部分の硬度を交互に
変化させ、身体表面の血流を滞ることのないように、との工夫です。
ところがこれが曲者で、トントコトントン、トントコトントンに、時折
シューシューシューと吸排気音が加わって、夜のしじまを破ってくれます)

09年9月12日(土)
 音もなく降る秋雨に燃え滾る怒りを預けひと日過ごしぬ

(ALS関係のML(メーリングリスト)へ、病友からの切実なSOSが投稿されました。
曰く、「採算が合わないので、ヘルパー派遣を今週で止めます」。事業所がボランティアで
ない事ぐらいは百も承知ですが、サービスを受けるがわにとっての派遣引き揚げは、
呼吸器装着患者にとって死活問題と云えるほどの重大な「事件」です)

09年9月11日(金)
 いいことが断るほどにあればよし、断る勇気をもたざるわれに

(添え書きは省略させていただきます)

09年9月10日(木)
 はっきりと余命宣告されぬまま十一年をALS(やまい)と活きぬ

(告知時に聴いたのは、「2,3年で亡くなる方もいます」でしたが、
もう11年です。ガタがきて当然でしょうが、
妻を筆頭に私を支えて下さる方々が頑張ってくれました)

09年9月9日(水)
 明日あたりお呼びあるかと入院を待つ身ひとつのよすがなき日々

(前回の入院は10年前で、4ヶ月待たされた挙句の「明日入院してください」でした。
今回は事情が違いますので、こんなことにはならないでしょうが・・・・・)

09年9月8日(火)
 いつしれず蝉声絶えて巷には長袖羽織る人ら行き交ふ

(今年も蝉の声が突然のように途絶えました。何時ものことですが不思議です。
季節の移ろいを知るには絶好のシチュエーションだと思いますが、暫くは、
大陸育ちの乾いた大気が列島を支配するようですから楽しみです)

09年9月7日(月)
 迫りくる病院暮らしに脅えつつ小康保つ我が身ねぎらふ

(入院を経験された先輩方の評判が、私の背中を引っ張ります)

09年9月6日(
 日曜で、耳を澄まして裡に棲む奴の機嫌を聴きつつ過ごす

(日曜日はホームドクターを筆頭に、訪問看護ステーション、介護事業所の
殆どがお休みで、いざ!SOS、が利きません。といって119へお願いすると
即病院行きで大騒ぎになってしまいますので、一日をそ〜っと遣り過ごしました)

09年9月5日(土)
 風鈴をかなでる宵の涼風に誘はれすだくスズムシ清か

(開け放った窓から入り込む風が、ひんやりと感じるようになりました。
風鈴を鳴らすのは勿論ですが、リビングの鈴虫にも秋風を届けたようです)

09年9月4日(金)
 二十歳のヘルパーさんはマネキンのごとく固まり我を見詰めぬ

(某事業所で、常勤として働かれる事になった二十歳の女性ヘルパーさん。
この度、見学と称して先輩ヘルパーさんと一緒に来てくれました。
その初々しさといったら・・・、なんでも看護助手からの転身だそうで、
在宅介護の経験はゼロ、全てが初めてということですから、ご苦労が
多いのではと思いながらも、このように若い方が介護ヘルパーとして
働いてくれることに少なからず喜びを覚えるものです)

09年9月3日(木)

 長月の日暮れは雨にせかされてスズムシ集く居間に迫りく

(天気が悪いせいもあってか、あっという間に暗くなってしまいました)

09年9月2日(水)
 持て余す病躯ひとつは脱力に頻脈ともなひ息さへ苦し

(主治医に訴えてはいるんですが・・・・・・・・・)

09年9月1日(火)
 ねむり草をむりに眠らせじっと観る起きだすときのご機嫌みんと



(ネムリグサをつっつくと葉を閉じて下を向くんですが、どのような意味が
あるんでしょうねぇ、自然ってほんとうに不思議で、面白いものですね)

09年8月31日(月)
 ぶッ壊す!と豪語せしひと自民城の崩壊尻目に政界を去る

吹き荒れし民主旋風に加担せんと台風十一号
(ひとつ)列島を襲ふ

(この度の衆院選は、マスコミの事前予測通り、の結果になったと云っても
過言ではないと思いますが、国民が自民主導の政治にノーを突きつけた事は
否めない事実だと思います。それにしても、あの小泉元総理のキャッチフレーズ
「自民党をぶっ壊す!」が、こんな形で実現したのには少なからず驚いています)

09年8月30日(
 頻脈を御す術のなき日曜を身柄横たえそっと過ごしぬ

(どうして日曜日なんでしょうね。金、土と調子が好かっただけに不思議です。
今日の歌は意地でアップしました、明日以降が心配です)

09年8月29日(土)

 小用をし終え目覚めて大事なきことに安堵し眠りに落ちぬ

(し終えるまでは現実のことと、いい気分で放出してましたが、
ハッ!と気が付いたところで女房を起こし、見て貰いましたが問題なし。
不思議な事があるもんですが、このような夢を見たのはもうこれで3回目です。)

09年8月28日(金)

 狂おしきまでにうるさき蝉声に包まる森にゆく夏惜しむ

(気分転換にと、この夏最後となるだろうカンカン照りの中を、
光が丘公園へ行って森林浴を楽しんできました。当然、蝉の声の嵐です。
その声たるや騒々しいまでのもので、森全体に轟いていました。
往く夏を知ってるだろう蝉たちの、子孫を遺さんがための大合唱でしょうが、
明日後半あたりから秋雨前線の影響を受けて、雨模様になるとのこと、
自然界に棲む蝉たちの最後の頑張りだったのかもしれませんね)

09年8月27日(木)
 戻りこし夏の輝き(ひかり)は天に地に登校急ぐ児童(こ)らの背にさへ

(今日午前中の光り輝く太陽は当に真夏のそれで、今頃になって、不順だった
天候の埋め合わせを・・・・・する筈ありませんが、心地好い暑さとなりました)

09年8月26日(水)
 落蝉を哀れと見遣るな夏の日に子孫遺しし誇りにねむる

(日本の蝉は、4〜7年と云われる一生を幼虫として地中で過ごし、
地上に出て成虫になってからは一週間で死んで仕舞う、が定説でした。
がしかし、この一週間は人工飼育の場合で、自然に暮らす成虫は
一ヶ月程は生きて活動している、との説が発表されています。
私はこちらに軍配を挙げたいと思いますが)

09年8月25日(火)
 今の吾を例えるならば富士山の八合目にて道に迷う図

(富士山の八合目ともなると空気が薄くなって、苦しさに順応できない人々が
沢山リタイアして下山する高さでもあります。それに引き替え、我がALSには
リタイアなどという都合のいいものはありません。それどころか立ち止ることさえ
許してくれない病気で、日々頂上を目指して登り続けています。そして八合目、
呼吸、嚥下、発声の障害が出ることで、頂上へ向う道の選択に迷うこととなります)

09年8月24日(月)
 白昼夢であればと思ふ救急車の客人となりしあの苦しさが

小康を得しといえどもこれからを如何になさんと悩みのつのる


(ALS患者が、一度は通らなければならない道に差しかかりました)

09年8月23日(

09年8月22日(土)
 蒸し風呂のごとき住処の夏の日はツクツクボウシの鳴き音に暮れぬ

(厚い雲に覆われ殆ど陽が射さない一日でしたが、無風状態で大変蒸し暑く
口をきくのもおっくうなほどでした。前線が南下する明日以降は、大陸生まれの
乾いた高気圧に被われるようですから、カラッとした夏を期待しましょう。
それにしてももうツクツクボウシです。夏の終わりを演出する蝉だけに寂しいような。
関東ではニイニイゼミに始まる蝉の季節ですが、アブラゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ
と移って、最後にツクツクボウシの登場と相場が決まってたんですがねえ)

09年8月21日(金)
 リビングの鳴き音涼しきスズムシを煩いと聴くけふの憂鬱

(きのうを引き摺ってる筈はないんですが、どうにもいけません。
体調がいまいちなのも手伝ってると思いますが)

09年8月20日(木)
 われは今誤診であれよと医師の目を見つつ聴きゐるALS(やまひ)のイロハ
 
不治といふALS(やまひ)に苦しむ吾に医師はホーキンス博士(はかせ)と同じタイプですねと

誤診などあるはずなきと覚悟せし吾にして覚ゆ「落胆」の渦


(待ちに待った診察日でしたが、案の定と云いますか、矢っ張りと云いますか、
広義のALSですね!のあと、イギリスのホーキンス博士と同じで、全体の10%程が
このタイプで、外国では認めない研究者も、と30分をかけて、罹患後の進行の違い等々を
説明してくれました。何れにしても誤診などではなく、前任の教授が仰ってた通りに落ち
着いた形ですが、内心は、酷い落胆と、煮えくりかえるほどの怒りに満ちみちています)

09年8月19日(水)
 とにかくに始まりました衆院選、結果待つ間の大言壮語

(どのような審判が下されるのかは、マスコミによって、既に数字さえ発表されています。
根拠あっての事とは思いますが、有権者の投票行動を、事前に数字にしてしまう
大胆不敵さには呆れるばかりです。でも、これが結構当たるんですよねぇ、不思議です。
いずれにしても、これからの日本をどう導こうとしているのか、各党が発表している
マニフェストを、風や、流れに影響されないで、充分に吟味する必要はありそうです)

09年8月18日(火)
 絵手紙に残暑見舞ひを託しつつ介護費請求なさる優しさ

(ヘルパーさんを派遣してくれてる介護事業所から、
当然ですが月に一回、介護費用の内、自己負担分の請求書が届きます。
それに必ず添えられているのが手書きの絵手紙、時候の挨拶は
勿論ですが、私を気遣う言葉に満ち満ちています)

09年8月17日(月)
 かげろふの揺らめく道に車も人も炎(も)ゆるがごとく熔けゆくごとく

(今日のギンギラの太陽が醸しだした現象ですが、暑さというより熱さを感じます)

09年8月16日(
 核の傘さしてゆきます寺詣で、あの日と同じ炎天の下

(日本が、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」との非核三原則を、
堅持していることについては、異論を唱えるものではありません。
が、それはあくまでも原則であって、現実は果たしてどのようなものなのかを、
知る術を持たないままに「核廃絶論」に戸惑いを覚えるものです)

09年8月15日(土)
 送り火の煙たなびくさ庭辺に黙祷捧ぐ戦没者(ししゃ)の御霊に

黙祷を捧げ思ひぬ終戦かはたまた敗戦記念日なるや


(今日8月15日は終戦記念日と称され、戦没者の慰霊祭が執り行なわれたりしています。
私は「終戦」に違和感を覚え、ひとり「敗戦記念日」であると心に決めておりますが、
1952年(S27年)に講和条約(平和条約)が発効して日本の独立が回復され、
駐留軍が撤退し始めた時点が、事実上の「終戦」であると考えています)

09年8月14日(金)

 叶うならやってみましょうペルセウス流星群(りゅうせいぐん)にALSを治してくれと

(ペルセウス座流星群は、毎年8月12〜13日ごろを中心に見られる
流れ星群のようで、今年のピークは昨日の未明に迎えたようです。
昔からの云い伝えに「流れ星が消えるまでに願い事をすれば叶う」がありますが、
ならばと、より効率のいい、群れで出てくれる、時に・・・・・は虫が好過ぎますね)

09年8月13日(木)
 渋滞を臥せゐる床に視る我はハンドル擱(お)きて八年余り

(帰省ラッシュによる渋滞がピークを迎えているようですが、
大変だなあ〜程度に、覚めた目で見ている私がいます)

09年8月12日(水)
 天は狂(ふ)れ地の揺れ動き人震(ふ)るる、にほん列島夏の暗澹

(長梅雨が明けたと発表された後になって暴れだしたゲリラ豪雨に、
台風9号がもたらした大雨による被害が加わったところへの静岡沖地震。
震度6弱にしては、比較的軽微な被害に止まったようですが、お盆ウィーク
による民族大移動中の足を止めたり引っ張ったりと、あこぎな悪さをしてくれました。
今日の東京は待ちに待ったほんものの夏空です。予報によればしばらくは続くと
のこと、そうあってほしいものですが、東北地方は梅雨明け宣言が出ない
ままに秋を迎えようとしていますので、稲作への影響が心配されます)

09年8月11日(火)
 リビングの窓開け放てば入りくる熱く湿りし風にまた閉づ

(蒸し暑さに耐えかねてクーラーのお世話になってましたが、
午後になって雲が切れ陽も差してきましたので、新鮮な空気と
入れ替えようと開けてびっくり、もわーッ!とした熱い風に降参しました)

09年8月10日(月)

 雨に泣く広場に櫓の組みあがり盆踊り衆を寂しく待ちぬ

(今年の夏はもうヒッチャカメッチャカですね。
この度は、台風9号の悪さによるゲリラ豪雨、あちらこちらで酷い被害が出てる
ようですが、人的、物的被害の他に、行事が延期又は中止になったりと悩ましいことです。
あの甲子園では、史上初という降雨ノーゲームが2日続き関係者は頭を抱えているとか。
今日になって気象庁が、東京地方は12日から夏空が続く、との予報を出しましたが、
ほんとかいな!と、素直に受け取らないでその日を待つことにします)

09年8月9日(
 洗濯物が乾きませぬと嘆きつつ出して仕舞ひて出して仕舞ひて

(午後になって、どんよりした空をときおり黒雲が奔り、強い雨を降らせては
娘を慌てさせています。それでなくても無風、多湿ときてて乾かないのに、
大小5人分と大量ですから大変!、カラッとした本物の夏が待たれますね)

09年8月8日(土)
 襲来といへど嬉しき孫台風ニコニコ顔が二つ並んで

お姉ちゃんは姉さまらしく妹もらしく育ちてコンニチハ!だと


(正月4日にさよならして以来のこんにちはですが、小学4年生と5才の幼稚園児の
成長ぶりには眼を見張るばかりです。もう少しで、お母さんと肩を並べそうなの
だけは勘弁してほしく思いますが、こればかりは如何ともし難い事ではあります)

09年8月7日(金)
 梅雨空の晴れし朝(あした)は秋立ちてゆく雲に観る夏と秋とを



(夏らしい夏にならないままに立秋を迎えてしまいましたが、
今朝の東京は予報に反して、夏と秋が同居してるような空となりました。
夕刻には激しい雨が降り遠雷さへ聞こえましたので、事実上の梅雨明けかも知れません)

09年8月6日(木)
 廃絶を口にするだにうそ寒しオバマ(あなた)は核の鎧を着たまま

(広島に原爆が投下されてから64年、今日「原爆の日」を迎えた広島では、
「原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」が開かれました。4月に、「核兵器のない世界」
をめざすと謳ったオバマ米国大統領が、一段とクローズアップされた一日でしたが、
我が麻生総理は式典前の記者会見で、「北朝鮮の核から我が国を護るためには
米国の核の傘が・・・」と述べました。今流に云えば花丸付きの「KY」ですね。
それにしてもです、オバマさんは本気なんでしょうかねぇ?信じたくは思いますが)

09年8月5日(水)

 打ち棄てん思ひ出、愛着、誇りまで、吾を装ひし服、靴にのせ

十年を臥せてやっとこ「抜け殻」となりし服、靴「燃える塵」とす


(収納場所が手狭になって、困った!困った!を連発する女房殿に、
俺の物を捨てちゃって!と云い続けて5年、それでも手を付けずに
置き場所が・・・、入れるところが・・・と念仏を唱えてますので、
この度、息子を頼んで「強制廃棄処分」をしてしまいました。
もう用が無いんだから捨てろ!とは云いましたが、いざとなると嫌〜なものですね)

09年8月4日(火)

 スズムシの餌に群がる蟻んこよ♪チリリンとでも鳴いたらどうじゃ

(リビングの窓際に置いたままに一晩放置したスズムシ篭の餌に、
蟻んこの大行列です。運んでる様子はなくて食べに来るだけの行列だった
ようですが、スズムシと違ってお礼の♪チリンもありません。当たり前でしょうが)

09年8月3日(月)
 梅雨止むを待ってました!と蝉声の嵐となりてスイカの旨し

(今日は、午後にはいって晴れ、
南の空には夏雲さへ湧いて蝉の声が一段と力強くなりました)

09年8月2日(
 横になろう!この苦しさから逃れるために己に負けて椅子から降りる

(30分も横になると嘘のように楽になることを覚えてしまって、
就寝時以外は横にならない!、と自分を律していたのに・・・です)

09年8月1日(土)
 八月と聞けど躍れぬ梅雨雲の支配す街にうつうつとゐて

(気象庁も頑固ですよね、こんな酷い夏だというのに「梅雨明け」は
取り消さないんだそうです。人々は「戻り梅雨」という便利な言葉を
使って、ほんとうの夏空が広がるのを足踏みしながら待っています)

09年7月31日(金)

 不敵とも見ゆる笑顔の裏に在るものを見極む麻生太郎の

睨みしは政権奪取か?笑顔なき鳩山由紀夫のポスターに問ふ


(8月30日の投票日を睨んで、政界のみならず日本国中が喧しいことですが、
自民、民主両党党首のポスターに見る表情は、現在置かれている立場を物語っている
ようで、この歌になりました。果たして、選挙の神様はどちらに軍配を上げるんでしょうか)

09年7月30日(木)

 蝉しぐれ浴びつつ歩む並木路に木漏れ日ゆらす風の涼しき

(炎天下の蝉時雨は、暑苦しさを増すことはあっても涼しさを
演出するものではありませんね。でも昨日のように、適度な風が吹くと、
木漏れ日が躍ったりして目にさへ涼しさをもたらしてくれます)

09年7月29日(水)
 天空に弓張り月の、むら雲の流るる梅雨の晴れ間に魅入る


(お月さんが小っちゃくってご免なさい)

09年7月28日(火)
 ポトポトと吾の首、顔に落ちてます頑張るヘルパー(あなた)の貴重な汗が

(汗には種々な呼び方があり、あの高見山が、苦しい稽古に思わず流した涙を、
汗だ!と云ってはばからなかったことは有名な話ですが、ここは何方でもが、
労働によって掻く汗を詠ったものです。問題はその程度ですが)

09年7月27日(月)
 何時知れずにょうぼの料理に慣らされてポカリスエットがからくて飲めぬ

(ポカリスエットは体液に近い状態に作られてるようですが、
それでさへ塩辛さを感じて飲み難かったりします。習慣とは不思議なものですね)

09年7月26日(
 止まったな?探ってる刺した!吸ってるよぉ!身動ぎできぬ俺と知ってか

(こ奴は何者でしょうか?・・・私はただひたすらに我慢あるのみです)

09年7月25日(土)

 開け放つ窓より飛びこみリビングに甲声(かんごえ)のこしトンボは去にし

(トンボを見てキャー!はないだろう、と思いますが、当のトンボ君?は
リビング中を飛び回ったあと一目散に外へと逃げてゆきました。
種類ですか?それが不明で、私にとっては初めて目にしたトンボでした)

09年7月24日(金)
 遂に!かと息苦しさに身構える、何方でも往く道と知る身は

(療養生活が始まって以来、初めて経験する体調の異変です)

09年7月23日(木)
 梅雨明けしはずの東京今日もまた雨に始まり蒸し蒸し暑し

予報士の予報を聴くに虚しかり戻りし梅雨を如何
(いかん)と説くや

(九州南部から一日置いて関東甲信地方が突然!梅雨明けしたのが14日。
余りの唐突さに驚いたものですが、案の定、夏空が東京を支配したのは
15、6日の二日間だけでした。今日になってエルニーニョ現象が云々
と説明してますが、このあとの一週間も愚図つくと聴くともううんざりです)

09年7月22日(水)
 開幕を知らせるベルに待ち焦がる天文ファンの夢よ今かと

世紀また一生一度と囃されし皆既日食
(にっしょく)ショーの幕は開かず

黒雲の覆ふ空より雨に風、悪石島に悲鳴の聞こゆ

成す術のなきまま過ぎゆく「その時」に虚しさつのる天文ファンの

洋上に浮かぶ船より中継
(おく)られし皆既日食にしばしを酔ひぬ


NHKテレビから拝借しました

(今日一日、日本列島を、皆既日食狂想曲の大合奏が被いました。
結果は悲喜こもごも、皆さんご存じのとおりですが、特にトカラ列島中の
悪石島では、嵐模様となって建物内に避難するというお気の毒なショーに終わりました。
それにしてもです、奇跡の賜物といわれる地球って素晴らしいですね)

09年7月21日(火)
 解散に万歳三唱なす衆議院議員(ぎいん)おのおのごとの思惑胸に

(衆議院が今日、麻生総理の手によって解散されました。
難しいことは、テレビ、新聞にお任せして此処では触れませんが、
何時も不思議に思う事が、今日の本会議場でも繰り広げられました。
河野議長が「解散詔書」を読み終わると同時に始まった全議員揃っての万歳三唱です。
480人の議員さんが、その地位を失うというのに万歳とは摩訶不思議です。
これを機に政界から引退なさる方々は別として、300人の小選挙区選出
の議員さんにとっては、万歳どころの騒ぎじゃないと思うんですが)

09年7月20日(

 目覚むるも重き空気に背伸びする気力さへ萎え二度寝に没ちぬ

(昨日の虹に期待しましたが、さっそく朝からこの始末です)

09年7月19日(
 夏の日の没ちゆく空に虹の立つけふのひと日を寿ぐがごと



(晴れたり曇ったりの空からほんの一時降った日照り雨のお蔭でしょうが、
陽が没ちる直前の15分間にご覧のような虹がたちました。
それも二本、何かいいことが・・・あればいいですね)

09年7月18日(土)
 初蝉を聴きつつ横切る公園に水浴びあそぶ子の声跳ずむ

(公園を往きに通った時は、蝉の声が全く聞こえず子供たちの元気な声だけでしたが、
帰りに寄ってみると、私にとってはこの夏初となる蝉の大合唱でした。
それもそのはず、どん曇りだった空が青空に変わって、
強い陽射しがクッキリとした影を映していました)

09年7月17日(金)
 祈るように週間予報の太陽さがす皆既日食ショーまで五日

(この7月22日には、東京は勿論日本全国で部分日食を観察することができるようです。
また奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部など、皆既日食帯と呼ばれる
細長くのびた地域・海域内では、皆既日食を観察することができるようです。

尚、日本で皆既日食が観察できるのは、1963年7月21日の北海道東部で見られた
皆既日食以来、実に46年ぶりです。次回の皆既日食は、2035年9月2日の北陸・
北関東などで見られるまで26年間起こらないようですので、
22日には何がなんでも晴れて欲しいものですね)

09年7月16日(木)
 目を凝らす三対一の九回裏ツーアウト満塁ツースリーに

(野球の醍醐味とでも云いましょうか、最後の一球を投ずることによって
どのように展開するか、を推理しながら観ると楽しさは倍増しますが、一瞬
にして勝敗が決した場合は、双方が喜怒哀楽のどれかを味わうことになります
尚この歌の試合は、ライト前ヒットで同点のあと空振り三振で延長戦に入りました)

09年7月15日(水)
 紫陽花を、蛍を、愛でる声いずこ、梅雨雲消えて夏雲の湧く

(季節の移ろいを歌に詠んでみました)

09年7月14日(火)
 梅雨明けと聞いて見上ぐる青空に夏だ!夏だ!と積雲の立つ



(唐突とはこんなことを云うんでしょうが、
今日突然!、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられる、と発表されました。
去年より5日、例年より6日早いそうですが、あと1週間はぐずつく
との予報を昨日聞いたばかりでしたので正直ポカン状態です)

09年7月13日(月)

 木漏れ日の躍る道ゆく涼風に背なを押されて葉音を耳に



(猛暑日にあと少しというとんでもない暑さでしたが、光が丘の森は
道なりに風が吹き抜けて、心地の好いひと時を提供してくれました)

09年7月12日(
 選挙(えら)ばれてヨシッ!と輝く一瞬に見せし笑顔に覚悟をみたり

(東京都議選の開票が進んでいます。投票率は54.49%
果たしてどのような結果が出るのやらと興味津々ですが、
早々に当確が出た候補者の笑顔は一段と輝いています)

09年7月11日(土)
 梅雨空に蕾つき挙ぐ槿(むくげ)の枝を忙しく行き交ふ蟻を見てゐつ

(ムクゲの新枝が伸びて蕾がつき、やがて膨らみだしたところへアブラムシが
着くと蟻んこの出番です。目的は、アブラムシ?それとも樹液?でしょうか?)

09年7月10日(金)
 ラクイラ・サミットに笑顔ふりまく総理殿は知るや知らずや麻生降ろしを

(報道画面に観る限りですが、我が日本国総理の笑顔の大安売りには、
少なからず違和感を覚えます。外交に笑顔が不可欠なのは承知してますが、
先進国の一員として、新興国からの突き上げを喰らっての閉幕のみならず、
国内に目を転ずれば、麻生降ろしの逆風に解散、選挙の日取りさえ取り沙汰
されてる状況をご存じであれば、とても笑顔どころの騒ぎじゃあないと思うんですが)

09年7月9日(木)
 三方のビルより木霊す選挙カーの「必死の願い!」に心耳を閉ざす

(東京都議選もいよいよ終盤となり、
各陣営の「お願い運動」が益々ヒートアップしてきました。
我が家は北側に二車線道路と、私鉄の駅を背負ってる関係で、
選挙となると入れ替わり立ち替わり選挙カーが立ち留まって実に賑やかです。
その音たるや、東、西、南側に建つビルと校舎に跳ね返り「コダマ」となって
我が家へ飛び込んできますので、その内容は全く聴き取れず、早々に
郵便投票を済ませた私にとっては迷惑な騒音でしかありません)

09年7月8日(水)
 故郷の<出雲>を新聞(しめん)に見つけしに活字が語るは「父親殺し」

(私の故郷は島根県の出雲ですが、日本でも一二を争う過疎県とあってか、
全国的に話題になるような出来事は殆ど起きていないようです。
当然!首都圏で島根とか出雲を見たり読んだりする機会は皆無に等しく、
寂しい思いをしているひとりですが、その珍しい報道が、13才の次男が
父親を刺殺するというショッキングな事件には正直がっかりです)

09年7月7日(火)

 満月が逢瀬たのしむ織ひめと彦星たたずむ天の川(かわ)の辺照らす

(今晩は云わずと知れた七夕です。
東京の日中は、雲が切れて青空からの日差しが肌を焼くほどでしたが、
夜に入って風が止むと同時に雲量が100となり、天の川どころか満月さへも
隠れてしまいました。この歌は、雲の向こうで観られるだろう宇宙イベントを
詠ったものですが、ご両人?にとっての月の光はきっと邪魔ものだったことでしょう)

09年7月6日(月)
 裕ちゃんよ!あの歌声をもう一度聴かせてくれよ痺れるほどに

(石原裕次郎が亡くなって22年。昨日、国立競技場で23回忌法要が11万6.000人
のファンを集めて、盛大に執り行われた事は皆さんもご存じのことと思います。
映画に歌にと同世代の若者に羨望の目を向けさせたものですが、私はあの歌声に
惚れた一人で、今聴いても 好い声だなあ〜 と男ながらに聴き惚れてしまいます)

09年7月5日(
 三回の食事のあとに襲ひくる頻脈いまは息苦しさも

(ホームドクターは自律神経云々とつれないことですが、
100〜120をウロウロされての2時間は辛いものがあります)

09年7月4日(土)

 都議選に民の心を推量(はか)らんと衆議院子の姦しきこと

(昨日から始まった東京都議会議員選挙は、来たる衆議院選の前哨戦と位置づけ
られて姦しいことこの上なし、今回は自民、民主が58と同数の候補者を立てての
鍔迫り合いです。結果が衆院選を左右するというんですから、注視するどころか
戦々恐々として12日を待っているものと思われますが、50%に満たない
投票率が果たして民意に沿うものかどうか、私は甚だ疑問に思ってはいます)

09年7月3日(金)
 あめんぼを追ひかけまわす亀のゐて水面に波紋の左に右に

(光が丘公園にある池には沢山の亀がいて、甲羅干しするもの、
泳ぐもの、この歌のようにあめんぼうを追いかけまわすものと、
鴨がいなくなった今頃になると人気を独り占めしています)

09年7月2日(木)
 富士山(ふじやま)を開くに難し季節(とき)外る雪を頂き眠りて御座る



(今年もまた、頂上からのご来光は拝めなかった富士山の山開きでした。
全4コースが登れなかったのは12年ぶりだそうですが、6月になって
から降った大雪が、多い処では3mもあって除雪に手間取ったとか。
もっとも、河口湖口(吉田口)では、正午になって解禁されたそうですから、
ご来光は別として頂上まで登った人々も大勢おられたようです)

09年7月1日(水)
 折にふれ昔の話が出てきます臥せて十年昔日愛(を)しむ

(ALSと十年強、話と言えば病気療養のことばかり、面白い筈がありません。
そこで出るのが、健常でバリバリ遣ってた頃の話。それとてもう昔の事です)

09年6月30日(火)
 水無月の晦日に想ふ雨に泣く文月迎ふ覚悟をせねば

(水無月とは言え、皮肉にもたっぷりと雨が降った6月も今日でお仕舞い。
明日はもう7月ですが、梅雨はこれからが本番、じとじととした鬱陶しい
日々が続くことを想うと、心穏やかにいられるはずはありません)

09年6月29日(月)
 遙々と那覇より訪ひこしテレビマンはALS(やまひ)と生きる「力」を訊かんと

ALS
(やむ)我をジャーナリストはテレビジョンに引っ張り出さんと誘ひぬ熱く

臥すわれに幸せあるとは思はねど妻との「今」を語るに愉
(たの)

(またまたのテレビへの出演依頼です。
それも、沖縄那覇在住のフリーのジャーナリスト氏が飛んで来ての4時間強の取材でした。
ALSとの11年を、明るく生きてる原動力は何だ!とのことでしたが、
暗い部分は放送出来ない、とのことで少なからず不満ではありますが受ける事にしました。
TBSでの放送だそうですが、撮影はこれからですので何時になりますやら)

09年6月28日(
 沖縄の梅雨明けし日の東京は雲の垂れこめ蒸し蒸し暑し

明日からの一週間は、雨、曇り、曇り、雨、雨、雨、曇り、なり


(昨日の猛暑日から一転して、今日の東京はどん曇りの後で暫し本降り
があったりしましたが、最高気温が26度どまりなのに70%以上の
湿度のせいか蒸し蒸しとした嫌〜な一日でした。予報によると明日
からの一週間は、曇りと雨のオンパレードです。ご自愛下さい)

09年6月27日(土)
 目出度きは東京支部の十周年、祝賀パーティーの賑々しくて

創立と告知を合図に十年を共に歩みし
ALS(やまい)を糧に

何時いつもボランティアさんの笑顔満つ集ひに加わる何かを得んと


09、06、27 於・戸山サンライズ

(ALS東京都支部創立十周年祝賀会が、新宿の「戸山サンライズ」で開かれました。
私が告知を受けたのは、99年11月8日、同じく丁度10年です。
何かの因縁?を感じて参加してきましたが、笑顔笑顔の
オンパレードの中、有意義な2時間半を楽しんで?きました)

09年6月26日(金)
 照りつける暑さをのがれひとときを光が丘の木陰に憩ふ



(久しぶりの光が丘公園、天気には恵まれましたがこの暑さ。
木陰を選んで歩くような散歩でしたが、時折吹く風の心地好さったら)

09年6月25日(木)

 体重を計るに我は車椅子ごと乗り睨む八十四キロ

八十四引く二十九は五十五キロ、我が身細るを知りてたゆとう

まさかとふ数字に驚く九キロを九ヶ月にて失ひしとは


(去年の9月24日に計った時が64.1s、それから九ヶ月経った昨日が55.4s。
これが意図的にやった減量ならバンバンザイ!なんでしょうが、「体重を落とすと
体力も落ちるので気をつけろ」と主治医に云われてる身ですからねぇ・・・・・。
ちょっとしたショックですが、食欲が湧かない イコール 食べないで、何時の間に
やらの体重減だったようです。いずれにしてもホームドクターに相談してみます)

09年6月24日(水)
 地下鉄の防犯カメラを一瞥しアリバイ証明託し乗り込む

(この度の菅家さんじゃあありませんが、アリバイが無かったばっかりに
犯人に仕立て上げられ、17年余を塀の中で暮らしてこられました。
物騒な世の中ですので、何時なんどき我が身に災難が降りかかってくる
かも知れませんが、警察、検事を向こうに回すおそれまでをも善良な市民が
考慮しなければならないとは・・・・・情けない世の中になったものです)

09年6月23日(火)

 慇懃に墓地を購へとは若しかしてALSに臥すと知ってか

(ひっきりなしに勧誘の電話が掛かってくるのはどちらさんも同じだと思いますが。
中年以上と思しき女性の声がしつっこく電話を掛けてきます。余剰?でしょうか)


唐突に屋根替えせよとは若しかしてビルの四階に住むを知らぬな

(五階建ての、四階の屋根を替えろ!って言われてもねぇ。手当たり次第に
電話をしてるんでしょうが、一戸建てだと思いました、には呆れちゃいました)


爽やかに生命保険に入れとは廃疾者たると知つてのことか

(何方でも入れますとしつっこいんで、じゃあと事情を話し始めると、途端に掌を返します)

財産の運用などとは若しかして年金暮らしをお主知らぬな

(株、先物取引、等々と余計なお世話です)

チャンスゆえマンション購へとは若しかしてマンション住まひをお主知らぬな

(今だったら都心でマンションライフが楽しめますよだったり、脱一戸建てをと煩い事です)

早口で光フレッツを導入(い)れろとは現に使ふを知らぬなお主

(これが実に不思議です。それも何度もですからねぇ)

お上品に互助会加入を勧めるはトラブル隠しを知らぬと読みしか

(色々のトラブル隠しがある、との噂が飛び交っているようでは)

09年6月22日(月)
 空腹を覚えぬままに晩餉の席に連れてこられて欠伸をひとつ

椅子に座し一日暮らす糧なれば食の進まぬ晩餉に励む


(何時の頃からか空腹感が無くなって、自分の方から腹減った〜!は出ません。
医師の指示は12〜1500キロカロリーですから、3食に分けると僅かな量
ですがそれさえ自分の方からは欲しいと感じないんですから不思議です。
でも、口え運ばれる物はしっかりと噛んで食べるように心がけてはいます)

09年6月21日(
 父の背を見ずに育ちし我なれば息子の背なをじっと見てゐつ

(親父である私の背中を見て育ったはずの息子が、不惑を迎えました)

09年6月20日(土)
 青嵐(あおあらし)止みし夏日の暮れなずむ庭に佇み夕星(ゆうづつ)仰ぐ

(さしもの梅雨もお休みをとったようで今日は晴れました。
南の風が強めに吹いて青葉の森が葉裏を魅せながら揺れています。
久し振りの太陽に熱せられた大気は28度にもなって夏日を演出しています。
やっとのことで陽が没ちて、暮れそうで暮れない空には、雲間に星が瞬いていました。
そういえば明日は夏至もう折り返し点ですね、これからは日ごとに昼間が縮んでゆきます)

09年6月19日(金)
 若きらの笑顔に囲まれ手足を伸ばし万緑目蓋にリビング入浴

(男女3人の若者の手による訪問入浴。リビングへ浴槽を置いてのこと
ですが、気分だけは、万緑に囲まれた露天風呂での♪い〜い湯だぁな!)

09年6月18日(木)
 微笑みを湛えし人は鏡の中に我れの笑顔に笑顔を返す

睨まれて睨み返して睨まれて鏡の前の我れと遣り合う


(柄にもなく、鏡を見てて閃きました)

09年6月17日(水)
 口ずさむことさへ忘れてはや十年はなうたひとつもうたへぬままに

(口ずさむ・・詩や歌などを、思い浮かんだまま低く声に出して言ったり歌ったりする。
鼻歌・・・・気分のよいときなどに、口をとじたまま小声で歌う歌。・・・・・・・・・・・・)

09年6月16日(火)
 突然の訃報に知るは病を得独り寂しく逝かれし老友(とも)

老友は約束をせしメル友になれぬがままに身罷り賜ふ ・合掌・


(老友(年齢不詳・女性・少なくとも私より5歳は上)の訃報です。
それも4月に病院で亡くなられたようですが、「今後一切連絡はご無用に願います」
との但し書きの付いたものが、親戚一同 名で届きました。
生涯を独身で過ごされ、小学校教師を定年退職されてからは、名古屋に居らっした
御母堂を引き取って、亡くなられるまでの2年間を一緒に過ごされましたが、その後は
悠々自適の生活とはいえ独り居の寂しさを口にされるようになりましたので、私が、
パソコンを遣うことを勧め、メル友になろうよ!と約束を交わしたものでした。
あれから2年、会う度に難しい!もう少し、と言ってましたので、6月8日の歌
「未だこぬメールに想ふ老友はパソコン学びに頓挫されしや」と詠いましたが、
まさか既にお亡くなりになっていたとは知る由もないことでした。 合掌!)

09年6月15日(月)

 地を湿し葉に潤ひをもたらしし梅雨が身内に澱みてゆきぬ

(梅雨入りしたと思ったらもうどっぷりです。
必要不可欠の雨水ですから降ることは大歓迎ですが、厚い雲に覆われ寸時の
日差しさえ無いような日々がつづくと、身も心もがど〜んよりとしてしまいます)

09年6月14日(
 午前四時吾を看に起きし妻の身に眩暈、ふらつき、嘔吐の襲ふ

救急を頼み身支度整えて妻はレスキュー隊に身柄を預く

容態を診、訊きしのちに受け入れる病院探す時間に苛立つ

母倒る!一報受けし長男の引き攣る顔が駆けつけて来
(き)

検査また処置を終はりし身柄をそろり帰りこし妻病人のごと


(驚きました!朝の4時ちょっと前、ベッド際での作業中に突然私の足上へ倒れ込んで、
気持ち悪〜い、目が回るぅ〜、助けて〜!、傍にいるのに、無理に動くな!としか
言えないもどかしさ、女房が何時も言ってる、私は独り暮らしだから・・・に成す術が
ありません。15分程経ったところで、動けそう となって自分で119番へ救急依頼
をしたあと、もう歩けない!と倒れ込んでしまいました。突発性の高血圧の発作だった
ようですが、一時は脳梗塞を心配しましたので、受け入れ先が決まるまでの30分が、
どんだけ長く感じたことか。一通りの検査、治療を終え4時間程で帰ってきましたが、
流石に疲れきってて、医師の云いつけ通りに早速寝込んでしまいました。
尚、日曜の早朝にも拘らず、あれやこれやと面倒を見て戴いた「さくら介護センター」
の社長さん、サ責さんには心から感謝申し上げます。有難うございました)
(後日談・珍しく薬を服み、今朝(15日)まで綿のように寝たのが効いてすっかり元気になりました)

09年6月13日(土)
 欠伸して欠伸してまた欠伸してなほも眠たきつゆ空のもと

(梅雨空の所為にしたんじゃあ怒られそうですが、兎に角眠いんです。
充分に寝てるつもりですが不思議です。沢山の薬の所為?それとも疲れかなぁ〜?)

09年6月12日(金)
 誤診とは信じぬままに検査室のベッドへ身を置く吾はハムレット

(ハムレットの劇中にある有名な台詞に、英語の
「To be or not to be, that is the question」があります。
これが発表された明治中期には
「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」と訳され、
坪内逍遥は
「世にある、世にあらぬ、それが疑問じゃ」とし、
近年の訳では
「生きるべきか死ぬべきか」というものが多いようです。

何れもが私にぴったりフィットするセリフですが、
今日は、病気の正体を
「知るべきか、知らざるべきか」と悩んでの検査でした。
万が一にも、現在の主治医の口から出た、治療可能な病気だとしたら・・・・・、
初診から10年診て戴いた、大学病院教授の「診断」を覆す事になりかねません。
たとえ僅かでも、回復するとすればこんなに嬉しい事はありませんが、
無駄に過ごした事になる11年弱を思うと、心穏やかに居られる筈がありません)

09年6月11日(木)
 去年(こぞ)の秋赤トンボらの遺したるヤゴを手許に里親の日々

(去年の秋でした。赤トンボが番った状態で飛び交ったり、池に卵を産み落としたり
してましたので、5月のはじめに池の掃除ついでに探したところ、5匹の小さな
ヤゴが見つかりました。やはり居たかぁ!と早速ガラス容器に移して脱皮の
様子などを観察してますが、成長に差がありすぎて少々ですが心配の日々です)

09年6月10日(水)
 梅雨入りと聞いて見晴かす涼風の渡る甍(いらか)に跳ねる光を

(昨日の東海までに続いて、今日は「関東甲信、北陸、東北南部地方が梅雨入りした
と見られます」と気象庁が発表しました。随分と回りくどい言葉を遣うものですが、途端
に晴れの日が続いたりして訂正した、過去の愚を冒さない為の自衛策かと思われます。
何れにしても世の中は皮肉なもので、今日の東京は薄雲に覆われてはいますが
明るくって、強めに吹く風は気温のわりには涼やかで、時折ですが薄日さえ
差したりしていますので、梅雨と聞いても成程と納得できない私です。
尚、私の中では、雨模様となった5月28日に梅雨入りしたものと勝手
に決めていますが、昨日までの14日間で太陽が顔を出したのが2日と
三分の一に対し、雨は7日も降って残りはどん曇り、を根拠にしてのことです)

09年6月9日(火)
 なめくじの闇に遊びし踏み跡が二すじ三すじ朝光(あさかげ)に輝る

(ビルの四階というより、三階の屋根にあたる部分が我が家の庭ということですが、
不思議なことに、こんなところにもナメクジが湧き、夜間限定ですが這いずり
廻ってくれます。今朝も人工芝の沢山の踏み跡に着いた粘液が、朝の光
を反射してクッキリと美しいほどでした。とは言え、ナメクジは害虫です
から駆除の対象でしょうが、特に悪さをしませんので放任しています)

09年6月8日(月)
 未だこぬメールに思ふ老友はパソコン学びに頓挫されしや

(パソコンの勉強を始めたので、出来るようになったらいの一番にメールするから、と
約束したのが2年前。私のアドレスも渡してその時を心待ちにしていますが未だにです。
外でばったり遇ったりすると、もう少し!なんて言ってますが随分と永いもう少しです)

09年6月7日(
 蝶々の遊びし庭に悲鳴きく青虫つけるのヤメテクレ!よと

(害虫には葉を食べるものと、アブラムシのように葉や樹から養分を吸い取るもの、
に大別されると思いますが、今盛んに花を咲かせているクチナシのように
「オオスカシバ」(蛾の一種)という天敵の幼虫(大きな青虫)に葉をすべて
食べられてしまうようなこともありますね。蝶々が舞う姿は見ていていい
ものですが、置き土産(卵)を思うと嬉しくはありませんね)

09年6月6日(土)
 日々積みしものの重みに沈みゆくままにあしたの朝を迎へし

(ノーコメントとさせていただきます)

09年6月5日(金)
 冤罪を解かれ出獄せし菅谷氏(ひと)は梅雨空仰ぎ青い!と笑ふ

(未熟なDNA鑑定を証拠に、女児殺害の罪に服していた菅家氏が、
新DNA鑑定が出した「同一人物と認めない」を新証拠として、昨日、
無期懲役の罪から解かれ釈放されました。鉄格子、高い塀から解放され、
晴れて自由の身となった菅家さんの口からでた「空が青い」は絶妙です)

09年6月4日(木)
 来しかたを語るに重し臥せをれば口吐(つ)く言葉の泥に塗れて

(10年にも及ぶ在宅での闘病?生活で、すっかりネガティブな人間になってしまいました)

09年6月3日(水)
 痴漢とふ罪で職を失ひし警官あなたに母御のお座(は)すや

地位、名誉、あしたの糧をも奪はるる痴漢に奔る男の性
(さが)

(警察官のみならず、教師、大学教授等々と、決してやってはいけない筈の方々がです。
捕まった時の事を考えることさえ出来ない程の、何かが衝き動かすんでしょうが)

09年6月2日(火)

 青空が茜に染まり暮れなずむ水無月二日は薫風のなか

(6日ぶりの青天、吹く風は爽やかで薫風とよぶに相応しいものでした。
ほんのいっ時、青空が淡い茜色に染まったあとの6時52分に東京の陽は没ちましたが、
晴天の日暮れはじつにスローモーで、暮れなずむ がぴったりのショーに浸りました)

09年6月1日(月)

 ここまでは届くはずなし薫風のビルの四階四号室に

(五日ぶりに太陽が顔を出し、いっ時でしたが青空も広がりました。
6月に入ったとはいえ吹く風はまさに薫風でしょうに・・・・・です)

09年5月31日(
 ひとの言ふ走り梅雨です降り続く雨に濡れきて息はずませて

薫風を忘れしままに五月逝く明日は六月水無月なるぞ


(早いもので五月も今日で終わりですが、我が練馬では4日間も雨が降り
続いて、心地好い薫風が途絶えたままに梅雨を迎えることになってしまいました)
(現代の6月は梅雨に入っていて、水なし月どころか水気たっぷりの一ヶ月のはずですが、
なぜか旧暦では水無月(みなづき)と呼ばれていますね。そこでちょいと調べてみました
ところ、ありました!水無月の「無」は「の」という意味の連体助詞「な」なので
「水の月」を意味することが分かりました。少々勉強になりましたが、難しい!)

09年5月30日(土)
 難しき話に蜘蛛の割り込みて夫婦喧嘩は水入りとなる

(丁々発止?と遣り合ってるところへ、
家蜘蛛が天井から降りてきて目の前に留まりました。
むか〜しから住み着いてるお馴染みさんで、
見るに見兼ねて仲裁に割って入ってくれたんでしょう)

09年5月29日(金)
 球麻痺の未だ発症(いで)ざる吾を前に主治医ぼそりと病が違ふ

すわ!誤診?いやいや中途で新病に変化なしたる症例あると

早速に検査しますと予約取る医師の目に見る明日への光


(きのうの定期診察で、突然跳び出した「ALSではないかも」発言。
発症を自覚してから11年も経過してるのに、未だに球麻痺(嚥下、発語障害)が
出ないのはおかしい、というものですが、では?に対して「CIDP」(ギラン・バレー症候群)
の名前を出して、直ぐに検査しましょうと。6月12日に2時間掛かりだそうですが、
果たして、どのよな結果が待っているのか気になるところです)

09年5月28日(木)
 駅ごとに乗りくる人らの手に濡れし傘の握らる地上は雨らし

(晴れ男の面目丸潰れの小雨におくられ、いつもどおりに地下鉄大江戸線の
練馬駅を出発しましたが、中野坂上駅から乗り込んできた人の手に傘が握ら
れていて雨が降り続いていることを知りました。ところが若松河田で降りて地上
へ出てみるとパラパラ程度の雨、附いてるねぇ!と病院への道を急ぎました)

09年5月27日(水)
 ひと晩を水道工事の騒音に溺れてもがく白みてもなほ

(近所どころか一軒おいた先での水道工事、一晩中の掘削作業から出る
騒音で、安眠どころかイライラのしどおしで朝を迎えてしまいました)

09年5月26日(火)

 
自転車を二十分漕ぎつつ来し人はウツギの花が咲き初
(そ)めました、と



♪卯〜の花〜の匂う垣根にホートトギ〜ス早も来鳴きて忍び〜音も〜らぁす〜夏ーは来ぬ

(余りにも有名な歌ですが、「卯の花」の本名?は空木で、ウツギが付く木は
何種類かがあるようです。春の終わりというか初夏の声が聴かれるようになると
咲く卯の花ですが、咲きだすとやがて梅雨がやってくるからと、昔から植物暦として
利用されていたようでもあります。歌中の「匂う」ですが、ウツギの花に香りはありませ
んので、ここは、花が盛んに咲いている様子を「匂う」としたものと勝手に解釈しています)

09年5月25日(月)
 入れ替はり立ち替はり来る「神様」を二十四時間監視カメラが

(お客様は神様です、と言ったのはあの三波春夫ですが、その大事なお客様を
「監視」してるのがご存じの「防犯カメラ」、それも視てるだけでは事足りないと、
録画までしてるんですから失礼な話です。まあ物騒な世の中ですから致し方の
ないこととは思いますが、コンビニでの強盗事件や万引きが一向に無くならない
ところをみると、抑止効果さへなくなってしまったようです)

09年5月24日(
 去年(こぞ)に着し物はと妻は思案顔、おんな心の失せざるままに

年一度五月に開かるOB会に妻は出掛けし装ひも新たに

疲れた〜と帰りこし妻は止め処なくけふのひと日を語りてをりぬ


(妻が、長女を産むまで勤めていた会社の「退職者の会」へ出掛けました)

09年5月23日(土)
 狂るるごと風吹き荒ぶ狭庭辺のスズメの親子は風と戯(たわぶ)

(一昨日のあの大風の中、スズメが給餌のために二羽の子雀を連れてきてましたが、
時折の突風に羽が逆立つほどに煽られて、餌の口移しさえ失敗して大騒ぎをしてました)

09年5月22日(金)
 (もだ)し立つ庭園灯は咲きほこる皐月を灯す宵の狭庭に



09年5月21日(木)
 出来る筈なきと思えどALSの治療医薬を夢にさへ見ゆ

十年を耳研ぎ澄まし目も開き治療技術の今かと待ちぬ

出ては消え消えては出でくALSの遺伝子治療に振り回されし


(自分の中ではもうとっくに諦めてるんですが、今朝がた又夢に見てしまいました)

09年5月20日(水)
 はつ夏の陽ざしうけつつ薫風に背をおされゆく車椅子にて

(最高気温が30度にも昇った中、吹く風が乾いてたこともあって爽やかでさえありました)

09年5月19日(火)
 柔らかき酸素の充つる庭にたち若葉青葉の緑に浸かる

(森林浴の超ミニ版、緑の葉っぱが放出する新鮮な酸素を胸一杯に吸い込む幸せ)

09年5月18日(月)
 キュルキュルがギューギューギューと啼く不思議恋に身をやくカワラヒワらの

(庭に来ているカワラヒワの啼き音は、キュルキュルキュルキュルと聴く耳に優しいんで
すが、いざ繁殖期ともなるとこの歌に詠んだようなギューギューギューに豹変します。
雄が雌を呼ぶ手段であることは間違いないはずですが、鶯などと比べると
凡そ囀りなどとはいえない代もので、可哀相ですらあります)

09年5月17日(
 関西に新インフルの患者 また マスク姿の増殖つづく

(心配されていた事が、どうやら現実味をおびてきたようです。
神戸、大阪で二次感染が起き高校生を中心に44名(19:30現在)の患者が出たと
発表されました。この方達の行動範囲を考えると、三次、四次も、と危惧されます
が、罹っても比較的軽い症状に終始するようで、過剰に反応しないよう求める
専門家がいらっしゃいます。せめてもの防衛策としてマスクを着けて行動するぐらい
でいいようですが、そのマスクが品切れになる騒ぎまで起きているようです)

09年5月16日(土)
 ひと月を戻りし寒さに着たものか、ストーブ焚くかに迷ひつ暮れぬ

(朝からどんよりとした寒い一日でした。東京の最高気温は20度、
四月中頃に逆戻りとのことでしたが、一度暖かさを体験した身体は
桜が終わった頃の気温でも寒い!と感じるようになるんですね)

09年5月15日(金)
 口ごもる、言わずもがなと胸にをきこれより始まる我慢に備ふ

(ご判読下さいますように)

09年5月14日(木)
 浮き、沈む、自民と民主を映すごと五月の空は日替り模様

(解散、選挙を控えて喧しいのは、マスコミによる支持率調査。
上がったの下がったのと、それらしい折れ線グラフなどを示してしたり顔です。
お互いが足の引っ張り合いをやってるようで見苦しい限りですが、
16日には、民主党の新リーダーが決まって、いよいよの選挙戦突入でしょう。
それにしてもです、五月の空はどうしてこうも替わりやすいんでしょうね)

09年5月13日(水)
 みどり萌ゆなだりをゆけば栴檀の香りにつつまる芳しきそに

(新緑以上深緑未満の光が丘公園の散策を楽しんできました。
身ひとつがあさ緑一色に染まるんじゃあないかと想わせるほどの
遊歩道の丁字路を左に折れたとたん、甘ったるいようないい香りに
包まれました。若しやあれ?、大木が二本白っぽい花に覆われて
枝を大きく広げています。見ると「センダン」との木札が、格言にある、
「栴檀は双葉より香し」
の香りのことなんだろうと、その場を離れましたが、
未だにあの香りが鼻をくすぐってて少々食傷気味です)

09年5月12日(火)
 給付金うけて買います女房殿はあれもこれもと定額超えて

(女房殿の夢は、あれもこれもと膨らむばかりです。
金、弐萬円也で買える物なんてたかが知れています。
ということは、私の分も含めて?・・・・・でしょうねぇ)

09年5月11日(月)

 悪しきこと嫌なことのみつづくはず無きと思へどけふの憂鬱

09年5月10日(
 印鑑を手にして妻は玄関へハイ!ハイ!ハイ!と母の顔して

(娘夫婦と息子夫婦から、母の日のプレゼントが宅急便で届きました。
若しかして?どころか、来たよ来ましたよ!と急ぎ足、今日ばかりは二人のお母さんです)

09年5月9日(土)

 五月晴れを深呼吸せず新型のインフルエンザウイルスに脅え

(予報通りに晴れました、が、両手をうう〜ん!と伸ばして
深呼吸ができない雰囲気に包まれています。
それもそのはず、遂に、今朝早く成田へ到着した旅行者3人を、感染者であると
確認、発表されました。患者さん3人は直ちに隔離され治療に努めてるようですが、
お気の毒なのは当該患者さんの近隣の座席に居た乗客の49人さん、今後
10日間は、施設で缶詰状態を強いられるというんですからほんとお気の毒です。
尚、同じく近隣の座席に居た11人の方が、問題無しと既に自宅その他で
生活をなさっていますので、こちらは保健所が追跡調査をしてるようですね。
今となっては、何事もないように、と祈るほかありません)

09年5月8日(金)
 雷鳴をきく空暗く今しにも雨を降らすと告げるがごとし

長雨のあがりし朝
(あした)の遠雷は気だるきものを晴らしてゆきぬ

(雷の音に目を覚まして外を見てもらったところ、降ってないけど雲は真っ黒よ!。
やがて降りだした雨が、強弱を繰り返しつつ昼過ぎには薄日さへ差すようになり、
やっと終わったぁ!と喜んだのも束の間また降ったりと、目まぐるしい一日でした。
明日は文句なしの晴天、だそうですから、久しぶりの日光浴と
洒落込みたいんですが、予定が入ってて動きがとれないんでした)

09年5月7日(木)
 連休の明けしあしたの雨空にうう〜んと背伸びす眠気まなこで

(連休後半それも子供の日から降りだした雨が今日も降り続いています。
長い休み明け、さあやるぞ!が萎えてしまいそうな暗く重〜い一日でした)

09年5月6日(
 うからから引きはがされしヒメダカの悲鳴が聴こゆブランデーグラスに



(友人が養殖?した沢山のメダカを譲ってくれましたので、鑑賞用にと5匹
を移したんですが、環境が急に変わったせいでしょうね、落ち着かないこと
この上なし、ほんとに可哀相なほどでした。でも今は、すっかり慣れたとみえ
追いかけっこなどやってますので、近日中には卵を産みつけるかもしれません)

09年5月5日(
 こどもの日に、乾ききったる天と地を湿しをります皐月の雨は

(大気も大地も世の中の空気も人の心までもが酷い乾燥状態でしたが、
今日の雨で、天と地はひと先ず潤うことが出来たでしょうが・・・・・)

09年5月4日(

 みどり萌ゆ、早みどり、緑、翠(みどり)萌ゆ日本全国みどりの日です

万緑に覆はる列島をわたりゆく皐月の薫風
(かぜ)にあしたをみたり

(新緑が、五月の陽を受けてひときわ美しい今日は「みどりの日」です。
それもゴールデンウィーク真っただ中、日本中の人々が、日頃溜まったであろう疲れを
解放しようと、みどりの風を求めて里へ山へ観光地へと押しかけています)

09年5月3日(
 渦潮は液晶テレビいっぱいに我れを呑まんと大口開けん

(テレビニュースに見た鳴門の大渦潮、ワイド画面いっぱいの
迫力は鮮明さもあって見てる私を引き込む勢いでした)

09年5月2日(土)
 大渋滞(じゅうたい)をテレビ画面に知る朝は五月晴れとふ青空高し

不景気も豚インフルも渋滞も皐月の薫風
(かぜ)に吹かれて清か

(5連休初日の今日は高速道路の大渋滞で始まりました。
東名で66キロと気が遠くなりそうな数字ですが、薫風爽やかな五月晴れの下、
不景気も新インフルエンザをもこの際忘れて、思い思いに楽しまれているようです。
心配なのは海外への渡航、マスク持参で予定通りに出発されてるようですが、
飛んで火に入る夏の虫、を地でゆくようなことにならなければと・・・・・)

09年5月1日(金)
 目に見えぬ豚インフルのウイルスに世界中の目が釘付けとなる

(日ごとに拡大してゆく豚インフルエンザ騒ぎですが、幸いにも日本には未だ
上陸していません。とは言え、昔と違って飛行機で行き来するんですから、
感染していても発症前に入、出国してしまう可能性を考えると、
水際での防御が如何に重要かが伺い知れます。
それにしてもです、従来からインフルエンザウイルスは、低温に強く高温には滅法弱い
ものと言われていた筈でしたのに、夏に向かう今頃になって何故?と訊いてみたい心境
ですが、新型だからだよ!なんて返ってきたら目も当てられませんので止めときます)

09年4月30日(木)
 卯の花の匂ふあしたに吹きわたる風は薫りて皐月咲き初む

(卯の花の匂う卯月(4月)も今日で終わり、明日からは風薫る皐月(5月)です。
大型連休の真っ最中ですが、豚インフルエンザの警戒レベルがフェーズ5と
指定され、日本でも厳重な警戒態勢を布いているようです。ゴールデンウィーク
とはいえ、浮かれてばかりはいられないような雰囲気ではあります)

09年4月29日(

 胸いっぱいスモッグ吸ひ込み細首に重りを曳いてく黄金週間

不景気に追ひ討ち掛けらる豚インフルに翼もがれてふて寝にすごす

給付金持って行きましょ高速道を日本の果てまでETCで


(現在は、世に言うところのゴールデンウィークだそうですが、マスコミが騒ぐほど
には盛り上がってはいないようですね。それもその筈で、景気はどん底、あしたの
雇用さへ保障されていない状態に、豚インフルエンザ発生の追い討ちですから、
多分!海外旅行を含んだレジャーを、手放しで楽しめる人は少数派でしょうね。
とは言え、高速道料金が1000円になったので、と四国へわざわざうどんを食べに行く人も
居るぐらいですから2日からの5連休は各高速道路が大渋滞に陥ることは必至でしょうね)

09年4月28日(火)
 春長けて竹の子どもに問ひかくる背丈伸ぶるやひと皮剥けしや

(子供らの成長と竹の子のそれをかけた積りです)

09年4月27日(月)
 自死をせし清水由貴子氏の詳報を我れを看くるる妻とふたりで

饒舌を忘れいるらし老妻は溜息吐
(つ)きつつニュースに魅入る

看る妻と看らるる我れのはざまには触れるを拒むパンドラの箱


(芸能活動を休止して、母親の介護に専念していた元女優の清水由貴子(49)さんが、
父親の墓前で自殺されたニュースは、皆さんもよくご存じのことと思います。
私ども夫婦にとっても実に複雑な出来事で、見てはいけない、触れては
いけないものを感じつつ重〜い空気に包まれたひと時でした)


09年4月26日(
 七十路の顔を引っ提げ一堂に集ひ酒酌む世相を肴に

(旧友4人が遊びにきてくれました。皆んなが70歳で年金生活と、ほぼ同じような
環境ですから、話題も共有できて、草なぎ君を筆頭に、介護、少子化、闘病、
定額給付金、高速1.000円、プロ野球、購読新聞等々で盛り上がりましたが、
ETCを搭載してると土日祭以外でも割引される、は初耳でした)

09年4月25日(土)
 しとど降る雨おと耳に目をやれば八手の葉陰にヒヨドリの二羽

(予報どおりに降ってくれました。それも冷たい雨が止み間なくです。
風が吹かなかったのがせめてもの一日でしたが、八手の実を求めて来てた
ヒヨドリが濡れそぼって葉陰にひっそりといる様は、あのギャングぶりが嘘のようでした)

09年4月24日(金)
 新聞に載る人間になれ、といふ教えを果たすALS(やまひ)とふたり

生業は「闘病」なれどその様を朝日新聞
(しんぶん)紙面に見るは悔しき



(さくら会(中野)I/Tサポート部の今村さんと仁科さんの、ご活躍の様子を取材に
来宅された筈でしたが、私の事が前面に出てるのには少々面食らっています)

09年4月23日(木)
 一人去り二人去りしてポカンとひとり被介護者なればの憂鬱

捨てる神はたまた拾ふ神在りて我が療養は寧日ならむ


(年度替り?は無関係でしょうが、このところのヘルパーさんの
交代劇には正直疲れました。新ヘルパーさんが慣れてくれるまでの辛抱
ですが、しばらくは双方が、がまん我慢の時間を共有することになりそうです)

09年4月22日(水)

 咲き競ふツツジの織りなす春色の園に身をおく飽きるがまでに


練馬・平成つつじ公園

09年4月21日(火)
 筋力の失せて心の躍らざる吾は口笛のひとつも吹けず

(肺活量は勿論ですが、腹筋も弱ってしまい自慢?の
ホ〜ホ〜ホ〜ホ〜ホーホケキョッ!ケキョケキョケキョケキョホーーーホケキョッ!
が、吹けなくなってしまいました)

09年4月20日(月)
 乳房に影がと目を伏す女人がひとり明日の介護(しごと)は休むと去ぬる

(ヘルパーさんの、明日は精密検査を受けるために休みます!にドキッ!でしたが、
念の念の為、ということでひと安堵、とは言え結果が気になるこれからの数日です)

09年4月19日(
 新芽吹く公孫樹大樹の幹に聴く命育む血潮の声を

「血潮=樹液」
「樹木が水を根から吸って葉から蒸散するときに生ずるもので、幹を上昇する水の流れ
を樹液流と言い、一般に広葉樹では道管と呼ばれる細胞を通って流れる」そうです)
(では実際に樹液の音は聞こえるのか?・春先になると自然観察会などでは大木の幹に
聴診器や耳を当てると、 樹液の流れる音が聞こえます。などと言われています、ちょうど
ストロ−で水を吸い上げるとき、ストロ−が水で満たされているときには全く音が
でないのと同じのようで、水の流れるような音は、樹液の流れる音ではなく、
風や幹のゆれる音が幹を伝わって聞こえるもののようです)
(と解かってしまえば実も蓋もない話ですが、ここはひとつ
短歌ということで目を瞑って頂きたく思います)

09年4月18日(土)

 葉桜の根方に咲き次ぐツツジらの赤であったり白であったり

(桜が終わりを告げる頃になると咲き始めるツツジですが、
この春は例年になく早い盛期を迎えているようです)

09年4月17日(金)

 病みたればスッポンポンを二人の手にて湯船へ運ばる宙(そら)飛ぶやうに

(椅子に座ってる私をスッポンポンに剥いてから、男女二人のヘルパーさんが
上下体を別々に担当して、イチニのーサンッ!で平行に持ち上げて運んでくれます。
勿論、胴上げのように上向きですので天井が目の前、ちょっとした
スリルを週に一度金曜日の訪問入浴で味わっています)

09年4月16日(木)

 泣きわめく夢に目覚めて目を凝らす夢に蠢く「何」かを見んと

(変な夢に目が覚めて、今の何?状態。
あんな夢を見なきゃあならないほど、色んな意味で疲れてる?んでしょうか?)

09年4月15日(水)
 陽に透けるムクゲの若葉にきく悲鳴!樹液貪るアブラムシ奴よ




(永い休眠から覚めたムクゲの芽が、春風に促されて日ごとに葉を広げ、
今日の強い日差しに光り輝いていました。ところがです、油断大敵とはこのこと、
枝から葉の裏にも、もうアブラムシがびっしりと付いて我が世の春を謳歌してる
じゃありませんか、早速殺虫剤を見舞ってやったことは言うまでもありませんが、
自然の営みの不思議さ、凄さをこんな小さな鉢植えにさえ見ることができました)

09年4月14日(火)
 むなしくてやがてあほらし大声を出せども谺の返りこぬ世に

(どうぞ、ご判読くださいますように)

09年4月13日(月)
 一病を背負ひて息災なればこそ愚痴のひとつもこぼしてみたし


09年4月12日(
 今ごろはさくら花さく前線のいずくを往くやいずくに充つや

散りはてし桜に想ふ今にして陸奥あたりの咲き満つ花に


(今年の桜は、と言っても東京のですが、3月21日に咲きだして満開になったのが
4月4日とずいぶんとのんびりしてましたが、散り足の方は強風も手伝ったことも
あってそれこそアッと言う間に散ってしまいました。今はもう葉桜ですが、桜前線は
今日も北上中で、山へ登ったりしながら北海道を目指しているものと思います)

09年4月11日(土)
 おめでとう!と差し出されたる真紅の薔薇に
七十一歳
(ななじゅういち)の誕生日を知る



(今年も巡ってきました。ただ 生きている だけのような毎日ですのに)

09年4月10日(金)
 歌に詠むことなき春の寧日を喜ぶべきかと思案に暮れぬ

(一日が、無意味に過ぎ去ってゆきます)

09年4月9日(木)
 エコエコと喧しき世にけふもまたひっそりとゐる病む身であれば

(私どもの生活でのエコとはイコール節約、というよりは無駄を省くことでしょうか。
代わりにマンパワーを最大限に遣わせてもらってます。)

09年4月8日(水)
 介護職相手の講義に大学教授(せんせい)はバーンアウトを熱く語れり

マイナーと呼ばれしALSの講習会に集ひし人らにバーンアウトとは

手に余ると吾より離れしケアマネが講師と呼ばれ壇上に立つ

三ヶ月吾を看たことで「胃潰瘍」「鬱」を発症したとケアマネ

私です!と名乗るをはばかるバーンアウトの温床呼ばわりさるる身なれば


(ALSの見本?として参加した講習会に、講師として壇上に立たれた私の元ケアマネの
口から出た、「ALS患者のケアーマネージメントを3ヶ月間遣ったら体調を崩し、胃潰瘍が
悪化し遂には鬱を発症した」と、とうてい信じることのできないレベルの話をされました。
ALS患者の介護の大変さは、身をもって知ってる私ですが、このような話を聞かれた
受講者(介護関係者)の皆さんの、「関わってみようか」、という意欲を殺いで
しまったのではないかと危惧してiいるところです)
(バーンアウト=燃え尽き症候群)

09年4月7日(火)
 花びらの覆ふ水面を二つに分けてボートはゆきます千鳥ヶ淵を


今日の朝日新聞から拝借しました <m(__)m>

09年4月6日(月)
 プライドを持ち続けるか捨て去るかALSとの暮らし背負ひて

09年4月5日(
 春愁の波に呑まれん花ぐもる街ゆく足の重きに疲れ

09年4月4日(土)
十年を臥せゐて顔の変りしや<コレ>と呼ばるる醜き貌に

 逡巡し逡巡してなほ言ひ難し吾を<コレ>などと呼ばないでくれ、とは

情けなやヘルパー不足を解かっちゃゐるが吾をコレと呼ぶ人が来るとは


(椅子に座ってる私を指さして、中年の女性新ヘルパーさんの口から出た
「コレを立たすの?」にはびっくり仰天。案の定、全ての仕事に気持ちが
入ってない方でしたので私も大変ですが、うっかりクレームでもつけよう
ものなら即辞められますので、ここはひたすら我慢の一手です。)

09年4月3日(金)
 青空の下に広ごる光が丘に桜咲き満ち甲声もまた


09年4月2日(木)

 餌を漁りときには水浴ぶメジロらの姿の消えし桜咲き満ち

然もあらん雀遊
(たかなき)庭の賑わいの失せて淋しきさくらの春に

(現金なもので、桜が咲きだした頃からメジロと雀の来訪が間遠に
なってきて、ついに昨日は一度も姿を見せませんでした。雀はまだ
5.6羽ていどが時折来てますが、一頃ほどの賑わいはありません。
勿論、シジュウカラとカワラヒワは桜の花には関係なくヒマワリの種を求め
て来てますのでこのままでしょうが、やはりヒヨドリを加えた5種の揃い踏みが
あってこその賑わいだろうと、我が家の庭にとっては寂しさを託つ季節となりました)
(雀遊=たかなし鷹無・天敵の鷹が居なければ、雀ものんびりと遊んで
いられる、という判じもののような単語ですが、苗字としては有名ですね)

09年四月一日(水)
 練馬区はゼロ一つぶん増額し給付しますと四月一日

(大騒ぎの末に決まった「定額給付金」。既に住民の手に渡った所もあるようですが、
我が練馬区でも給付手続きのお知らせが今日届きました。
ジジババ二人でその額なんと40万円。但し、区長の印影の代わりに、
ウインクをした区長の似顔イラストが捺してあり、日付も四月一日と
大書してありますので、返信していいものかどうか悩んでいるところです)

09年3月31日(火)
 散り惜しむしだれ桜は春風にゆれて出を待つソメイヨシノの




09年3月30日(月)
 吾をつれて移籍すヘルパーは今後とも変わらぬ介護をさせてもらうと

(この度、2年程来てくれていたヘルパーさんが、ご自分で介護事業所を
立ち上げられ、従来の事業所を退職されました。突然のことで驚きましたが、
私のことは従来通りに看てくれる、ということで安堵したところです。
介護を受ける身にとって、ヘルパーさんの交代ほど大変なことはありません。
勿論、大変なのはヘルパーさんとて同じで慣れてスムースに事が運ぶように
なるまではお互いが我慢がまん!の連続で、けっこう疲れるものです)

09年3月29日(
 雑草といふ名の草を曳き損ね此奴の根性に負けて手をひく

(この寒さにもかかわらず植木の根方は雑草だらけ、
女房が目の敵にして抜き取ろうとしてるようですが、
千切れてしまって抜けない!とご機嫌斜めです。
一口に「雑草魂」といっても、踏み付けられるだけでなく抜かれる
ことにも根を張って抵抗してるんですから見上げた奴らですね)

09年3月28日(土)
 虫どものうごめく春のかしましく芽吹き、さえずり、春風さへも

(春風が吹きだすと芽吹きが始まり、鴉を代表とする野鳥たちは
恋の季節を迎えますが、そうとは知らずに冬眠から覚めた
虫どもは、子育て用の食糧となる運命です。自然の
摂理の不思議さですが、芽吹きの音、野鳥の
囀りに春風の騒々しさが加わって、
いつしか春は長けてゆきます)

09年3月27日(金)
 北風に戸惑ふ桜花(さくら)の下をゆく冬着にくるまる人らとともに

足をとめ見上ぐる時間を惜しむがごとくそそくさとゆく花冷えのごご

咲き惜しむ桜よありがとう一年坊主の入学式まで残すを十日


(東京の桜は、例年より一週間早く21日に咲き始めましたが、
季節はずれの寒気が居座っているせいで、一向に咲き進まずに、
今やっとの三分咲き程度です。この寒さは来週半ばまで続くそうですから、
今年の入学式は満開の桜に祝って貰えそうな流れになってきました。)

09年3月26日(木)

 人の手に人が手を添ゆ人の手の代わりなさんと人の手をもて

(ヘルパーさんの手は・・・私の手でもあります)

09年3月25日(水)
 囃されて咲き初む桜は花冷えにふと立ち留まる戸惑ひ顔で

(咲いた!と発表されたのが21日、一向に咲き進まないままに
明日からは大陸からの寒気が列島を覆うようです。
満開に咲き揃う日がいつになるのか気の揉めるきのう今日です)

09年3月24日(火)
 ちょいと変、変なルールのWBCと言えど応援す侍ジャパンを

マウンドに国旗を立てしチームには負けるでない!と祈るがごとく

五戦目に勝ち越す快挙に得しものはWBCチャンピオントロフィー


(ワールド(世界)を謳っているにしては参加国が16とはお寒い限りです。
もっともオリンピックでは排除されることが決まってますので当然ですが、
こんなにも面白いチーム競技が普及しないのもまた不思議ですね。
それにしても、何故日韓戦を5試合もやらなければチャンピオンに
なれないのでしょうか?、不思議ですね)

09年3月23日(月)
 春宵の膳に向ひて酢もずくに春をいただく香りの春を

酢もずくの磯の香りは柚子の香もつれて腑に落つほろ酔ふわれの


(もずくの酢のものは大好物で時々膳にのりますが、春先の新物の味は格別です)

09年3月22日(
 桜花(はな)を待つ東京(みやこ)大路を駆け抜ける三万五千に目を奪はれし

風に雨ものともせずにマラソンを駆ける人らの笑顔の眩し

マラソンは勝負を忘れ走れれば楽しきものとテレビに観たり

優勝が決まると同時に始まりしマラソン祭りのにぎにぎしくて

完走を目的となす人々の歩きながらのフィニッシュが続く


(3万5.000人が出場した第3回東京マラソン、強い南風に雨も交じるという
悪条件の下でしたが、沿道を埋めた大観衆の応援に答えるように
33.916人が規定の7時間以内にゴールしたようです。)

09年3月21日(土)
 開花宣言なす気象庁係官の見上ぐる枝枝にさくらの数輪



(ついに咲きました!去年より1日、例年より7日早い開花です。
それにしても早いですねぇ、この調子で年々早まっていったら、そのうちに
入学式どころか卒業式が満開の桜の下で行われるようになるかも知れませんね)

09年3月20日(
 いまの世にうまい話などある筈が無いこと信じぬ人らの憂鬱

(何故?如何して?って話が余りにも多過ぎます)

09年3月19日(木)

 瀬戸内の春とふ<釘煮>が桜前線を追ひ越して来ぬ友からの春が

(今年も、瀬戸内の春の便り、と言われるイカナゴの釘煮が届きました。
幼馴染が精魂込めて炊いた!ものだけに美味しいことは勿論ですが、
桜に先駆けての春を有難く堪能させてもらいました)
(桜前線は今日現在東京までは到達していませんが、
この21日土曜日には開花するとの3回目の予報が出されています)

09年3月18日(水)
 訊きまする訪ひ来し人に帰り来し妻にも訊きます桜咲いたか

桜咲く便りを待ちゐて耳にするハクモクレンの咲き満つ春を


(外出の機会が少ない私にとって、アチコチから来られる訪問者は格好の情報源です。
4月中旬と言われる温さに、そこの桜咲きました?あそこは?返ってくるのは、
ハクモクレンが綺麗ですよ)
(西の方では記録的な速さで咲きだした所が在るようですが、
都内でもフライング気味にチラホラ咲きだした公園の桜を昨日
放送してました。でも、靖国神社の標準木は未だのようですね)

09年3月17日(火)
 おふくろが病院ベッドに臥すといふまさかが起きぬ春未だき日に

六十年ぶりとふ入院に思ひ馳す男三人を育てし七十年
(ななそぢ)

老ひてなほ不肖の息子
(われ)に気を遣ふことに疲れし挙句のことか

退院と聞ひて安堵す検査漬けに気力失せざる老母
(はは)なればこそ

母といふお人は子らに愛
(やさ)しくて己れに厳しき人であるらし

(93歳になる母が後頭部の激痛を訴えて入院しました。
先生はくも膜下出血を疑ったようですが検査の結果はシロ。
点滴に自由を奪われることを嫌って、退院するという気丈なところを
見る限りもう大丈夫だろうとは思いますが、なんせ93歳です。この際です
からゆっくりと休んでくれればと思いましたが、4泊5日での退院となりました)

09年3月16日(月)

 春が来た!春が来たよと大人が四人手折りし五本の土筆を前に



誰が何時、何処で号令かけたやら植物
(もの)みな芽吹く芽吹くよ芽吹く

(ヘルパーさんが摘んできてくれた土筆を囲んで賑やかです。
各々が、子供の頃に摘んだり、踏んづけたりして遊んだ
思い出などを語ったりしていっときを楽しみました。
土筆は本格的な春に先駆けて頭をもたげますが、時を同じ
くして草木も一斉に芽を吹き出します、自然って不思議ですね)

09年3月15日(
 キュービッド然とし小箱にマシュマロはお澄まし顔でホワイトデーに

(その昔ホワイトデーが騒がれ始めた頃に、製菓業者が挙げて「マシュマロ」を
贈ろう運動をしてましたが、残念ながら定着しないまま現在に到りました。
でもでもです、絶滅したわけではなく、ホワイトデー用に小さな
化粧箱に納まってしっかりと自己主張していますが、
本来の真っ白ではない、フルーツ味
が主流になってるようです)

09年3月14日(土)
 暖冬と嘆きし冬を越したれば桜咲く日の早しと報ず

あと十日開花待つ日のそわそわと去年
(こぞ)の写真を開きて過ごす

(東京の桜開花日が一旦25日と発表されたあと、二回目には
一日早まって24日には咲くでしょう、とのことです。
どうやら、28,9日の週末には、最高潮となる運びのようですね)

09年3月13日(金)
 曇り、雨、曇り、晴れ、雨、晴れ、曇り三寒四温の無きまま春に

(地球温暖化の影響でしょうか、
三寒四温と言われるような季節の移ろいが見られませんね。
春に三日の晴れ無、は生きてるようで不順な天気に終始してます)

09年3月12日(木)
 身構えて新ヘルパーに病む身を預く「思ひ遣り度」を推し量らんと

ガチガチの鎧を身に着け吾の身に添える手の温もりは母親のそれ

独り立ちする日まで待つこれからは我慢!我慢のむしろに座して


(やっと、新ヘルパーさんが来てくれることになって今日は二回目、
ガチガチ状態で、緊張されてるのが直に伝わってきますが、
これは皆さん共通で、慣れるまでは双方が大変です)

09年3月11日(水)

 春あさき雛の節句に彩添えし桃の一枝にみどりの芽吹く

(花が終わっても枯れることなく花瓶のままに芽を吹きだしました)

09年3月10日(火)
 収入は無かれど確定申告す介護費用の節減なさんと

所得税ゼロと書かれし申告書をしげしげと見る人生初の


(去年は年金以外の収入がゼロで本来なら申告はしなくてもいいんですが、
納税証明が必要になる場合がありますので、しっかりと受領印を貰ってきました)

09年3月9日(月)
 ウイルスに感染してると真っ赤な字もて脅かすだけが己(うぬ)が仕事か



(このホームページでアドレスを公開してる所為でしょう、来るは来るは、
毎日毎日数えきれない程来ますが、中にはウイルスを持ち込んできます。
迷惑この上無い事ですが、何故?ウイルス防除ソフトがそうと判ってて
侵入を防いでくれないんでしょうね。この真っ赤なページは一瞬ゾッ!とします)

09年3月8日(


 何故に笑ってをられるなどと吾に訊くなよこれが活きる道なり

09年3月7日(土)

 このままに眠りに落ちてそのままに夜明けをしらぬあしたがほしい


09年3月6日(金)
 またまたの訃報に慄(おのの)く旧来の親友われを追ひ越し逝きぬ

華麗なる社交ダンスを舞ひ納め積み木のごとく崩れし親友
(とも)よ!

カラオケにダンスに長けたる友は己
(な)の旅立つ舞台をしつらえて逝く

何故にこうもつづくや七人の親友
(とも)、友(ゆう)、知人を葬送(おく)る哀しみ

(店のお客さんから始まった、夫婦単位でのお付き合いでしたが、
ご夫婦ともに歌と社交ダンスが上手く、私達夫婦の羨望の的でもありました。
その彼がこの度、動脈瘤破裂と脳梗塞を併発してあっけなく逝ってしまいました。
何でもダンスの発表会で、2曲目が終わり控え席に戻った直後のことだったようですが、
さぞや無念だったことでしょう。合掌!!)
(それにしてもです、去年の8月からこの度で七人の友人、知人が
彼の地へと旅立って逝きました。下は55歳から、上は72歳ですから、
平均寿命年齢を大きく下回ってる方々ですので悔しさは一入ですが、
本当に複雑です。何だか取り残されたような変な感覚に取り付かれています)

09年3月5日(木)
 春の陽の温さにつつまる道行きはふた月ぶりの病院通ひ

聴くだけの、訊かれるだけの診察を受けて後にす診察室を

空しいと云わば虚しき治す術なきしにありて打つ手なしとは


(昨日まで雨、そして明日はまた雨との予報が出てますのに、
今日は一日中ピンカンの晴れ、風も無く穏やかな絶好の外出日和に
恵まれて、行ってきました病院へ。でもでも・・・・・です)

09年3月4日(水)
 街燈のひかりの中を音もなく雪が舞ひます弥生の雪が

降る積る!嬉しき予報を鵜呑みに朝のカーテン開くわらべのやうに

まぼろしと消えしや庭の雪景色、氷雨に濡
(そぼ)つ冬枯れさらす

嘘つきめ!などと言ふまひ三月に大雪つもる予報が外れ


(夜に入って雪になり、都心でも明朝までに5センチの積雪となるでしょう。
と気象予報士さん、都心に雪がそれも5センチの雪です、この冬初の
積雪ですから、例え寝る前に見たものがミゾレであっても、深夜以降
の冷え込みで雪となって積もるんだろう、とベッドへ潜り込みましたが)

09年3月3日(火)
 いつになく言葉少なき妻はぽつりとけふの三日は母の立ち日ね

母さんに追いつきましたと妻の目に光るもの見ゆ六十七歳


(本来なら、三月三日は女性にとってはお祭りの日でしょうが、
妻にとっては少々辛い日となっていて、特に今年度はお袋さんが
旅立った67歳と同い年、感慨も一入だろうと思います。
その妻も4月には目出度く?68歳、お母さんを追い越すことで、
自分なりの歴史を積み重ねていってくれるものと思います)

09年3月2日(月)
 くきやかな液晶画面に奪はれし目が欲しがりぬデジタルテレビ

(電気屋さんの店先で見る液晶テレビの美しいこと、ついつい足を止めて
見入ってしまいますが、デジタル化までにはまだ2年以上あるし、
第一今のテレビが問題無く視られてるんですから逡巡します)

09年3月1日(
 角がとれ丸くなりたる我にまた角(ツノ)が生えたと外野が囃す

(いい歳をして!と言われそうですが、こればっかりは性分のようで、
このところの色々のトラブルを機にまたぞろ頭をもたげてきたようです)

09年2月28日(土)
 <鱶ひれ>を食して思ふ故郷に<ワニ>と呼ばるる<鮫>を食ひしを

(冷蔵庫を掃除したら賞味期限を何年も切れた「ふかひれ」の缶詰が出てきた、
とかで昨晩の食卓に上りました。勿論!頂き物で大事に仕舞い込んだ挙句の
登場でしたが、これが結構なお味で思わぬところで贅沢を楽しむことができました)
(私の故郷 出雲では鮫のことをワニと呼んでいました。鱶は「ふかひれ」で
ポピュラーですがワニは鰐として当たり前ですから、不思議な呼び方を
したものと、方言の面白さに改めて感じいった次第です)

09年2月27日(金)
雪が降るただ真っ直ぐに落ちてきて差し出す両掌
(て)に吸われて消える

春あさく冬のをはりに降る雪のあわあわあわと消え入るばかり


(昨晩から降り続いていた雨が10時頃から待望の雪になりました。
といっても、やっとこさ雪になったようなもので、積るどころか
着地をするかしない内に溶けて消えてしまいます。
地上温度が4度以下で雪になると言われていますが、日中2度台に推移
したにも関わらずしっかりとした雪にならなかったのは、もう春なんでしょうね)

09年2月26日(木)

 寝たきりに<させず>と<なれば>に想ふこと
吾に携はる介護事業所
(じぎょうしょ)事情

(事業所の介護に対する姿勢の違いを目の当たりにしての歌です。
ご判読くださいますように)

09年2月25日(水)
 降りつづく氷雨を見上ぐるこの雨が雪であればとけふで三日目

(雪が降りませんねぇ!折角の冬ですから一度ぐらいは雪景色を見たいものですが)

<菜種梅雨>いやいや<花待ち雨>だろう三日つづきの氷雨に飽きて

(菜の花はもうとっくに咲いてアチコチで賑やかですが、桜はまだまだ、
でもこの雨で、蕾は 目を覚ましたことと思います)

09年2月24日(火)
 テレビに観る後生大事の<お宝>が<贋作>と識る快感に酔ふ

(テレビ東京12チャンネル(アナログ)で放送(火曜日)されている長寿番組
「開運なんでも鑑定団」が好きで、欠かさずに観ていますが、お宝の評価額
の意外性の面白さを売りにしているようですね。鑑定士が、観衆を集めての
放送収録時間内に、あれだけの蘊蓄を披瀝できる筈がないことは疑う余地
のないことで、事前調査の上で面白可笑しく構成したものと思いながらも
観ています。まんまとそれに乗せられる私も私ですが、高値が附いた
 おお〜!よりも、贋作と指摘されての二束三文の方が面白く
感じるのは、性格が悪い?いやいや、きっと皆さんも
同じではないかと・・・・・思いますが)

09年2月23日(月)
 不覚にも涙流しし歳をへていま拭ふ間のなきほど流す

(もともと涙もろい方でしたが、いまは喜.怒.哀.楽すべてに手放しです。
ALSのせいで情動のコントロールが難しくなる、とも言われているようですが)

09年2月22日(
 厨より漂ひとどく肉じゃがの匂ひがせかす食前薬(くすり)を服めと

(ALSに効くかもしれない?という薬「リルテック50」は、
朝晩の食前30分に服むよう処方されていますが、パソコンに
夢中になってたりするとついつい忘れていたりします)

09年2月21日(土)
 春霞ならぬ黄砂に覆はれし街にふりくる春陽の温し

西からの春の便りにつつまれて想ひを馳せぬ大陸育ちに


(春の便りと言われるものは色々とありますが、嬉しいものは別として、
嫌われる代表格は「杉花粉」次いで中国大陸からの「黄砂」でしょうか。
その黄砂が今日東京上空にも飛来したとNHKニュースが伝えました。
どれどれと青空を仰ぎ見ましたところ、何となくですが赤味がかっているような
感じに見え、これもあの「中国産」であると思うと成程と変に感心したものでした)
(尚、現在大陸で急速に進んでいるという人工的な環境破壊による
砂漠化の影響で、その頻度を増してるようですので困った事です)

09年2月20日(金)
 お話が、と向かいに立ちしヘルパーさんは恐縮しつつも此方を辞めます

8コマ中6コマ辞めるとつれないことを何故どうして?に体力的に

ひと回りお若い方に去られて思う女房はとっくに限界のはず


(この度、50代半ばの女性ヘルパーさんが、体力減退を理由に、辞めます!と。
そう言えば女房はもうすぐ68歳です、一回りも年寄りでありながらも、
亭主であるが故に辞める分けにもゆかず、面倒を看てくれてる
ことに感謝をしなければと・・・・・これが難しい!)
(コマ=介護時間の単位。例えば、8:00〜10:00の2時間を1コマと表現します)

09年2月19日(木)
 七十歳(とし)相応ならば諦めたるものを病のなせる業には抗ひゆかん

(歳なりに老いたんじゃあなくって!全てがALSの悪戯なんです!
抵抗したってどうなるもんじゃあないんですが)

09年2月18日(水)
 腑に落ちぬ事のみ多き世界にありて介護を受くる腑に落ちぬまま

(分かりません!解かりません!判かりません!
介護の世界っていったいどうなってるんでしょうか?)

09年2月17日(火)
 戻りこし寒さにほっ!とす如月に夏日を過ごししあしたであれば

(土曜日に練馬で記録した24.4度には正直驚きましたが、やっと寒気が戻ってきました。
今日は強い冬型の気圧配置となって、冷たい北風が一日中吹き抜け気温も
急降下、今晩は氷点まで下がるとの予報も出されています。
三宅島では雪が降ったというんですから本物です)

09年2月16日(月)
 河津とふ冠いただくさくら花如月の伊豆を緋色に染めぬ



(河津桜が例年より早く見頃になったと、テレビ、新聞が報じています。
昨日、実際に愛でてきた方の話によると、現在すでに満開で、
日曜日と重なった事も手伝って観光客で溢れかえってて、
東京からの往復に車で14時間掛った、と少々お疲れのようでした)

09年2月15日(
 介護とふ仕事に支えられたる療養はけふもキチンとひと日が終はる

介護とふ仕事に追はるる青年は<お寝みなさい!>と次へと急ぐ


(寝支度を始めるのが23時ジャスト、あれこれやってお休みなさい!
となるのが24時半、週4回来てくれてる青年ヘルパー氏は、
自転車で30分かかるという次の訪問宅へと慌ただしく出発します。
こんな生活をするようになって約4年、ヘルパーさんに遣って貰う以上
仕方のない事ですが、たまには遣り残した事に後ろ髪を曳かれることだっ
てあります。その逆で早く寝たくてもそうはいかないのが今の生活ですが)

09年2月14日(土)
 かにかくも戴くチョコの嬉しくて相好くずすバレンタインデーに

戴きしチョコを横目に妻の言ふあなたと私の元気の素ね!

口にすることをためらふチョコレートの芳しき香に酔ふてしばしを


(恵方巻デー?が終わったと思ったらもうバレンタインデーです。
チョコレートが世界中の恋人同士の仲を取り持つ日のようですが、
日本でも同じ意味は勿論、商魂逞しい製菓業界に、煽られての義理チョコ
全盛に加え、今年は逆チョコまで出てきて売れてるようですね。
そこで、私のような者が戴くチョコレートは〜?となりますが、
私とその方との潤滑油であると、嬉しく戴いています)

09年2月13日(金)
 冬枯れの街を吹きぬく春一番のもたらす温さに呆れるばかり

(東京地方にも春一番が吹いた、と気象庁が発表しました。
去年は2月23日でしたので10日早く吹いたことになりますが、明らかにそれと判る
温かくて強い風が、光が丘公園の遊歩道を歩く私の帽子を飛ばすほどでした。
それにしても暖かです、明日は20度にもなるというんですから呆れます)

09年2月12日(木)
 急患が出たのでご免と往診を断る医師の声は弾みて

(家庭医による月一の往診が一時間程前になってキャンセルされました。
電話の向こうから聞こえる先生の声が、息せき切って、って感じでしたので、
余程急を要する患者さんだったんでしょうが、ほんとうに医師稼業も大変そうですね)

09年2月11日(
 おしゃべりを止めてお互ひ耳澄ます血圧計の音を聴かむと

ドクドクと血潮の流れる音のしておしゃべり始む雪が降らぬと


(血圧を計る際に「ちょっと黙ってて!」と言われる事がありますね。エアー
を抜いてゆく段階で止まってた脈の音が聞こえだすところが重要で、
看護師さんは聴診器を耳に、真剣な目でメーターを睨んでいます。
おしゃべりをしてると音が取れない、そうで、計られてる私も
耳を澄ましてその音が聞こえてくる時を待っています)
(一首目・血圧計が音を出すわけではありませんが、情景描写の意味で入れました)

09年2月10日(火)
 如月にねまり待ちわぶ白雪で化粧しかがよふ東京の街を

雪化粧なせし朝
(あした)をまなうらに雨音を聴く如月の床に

(雪が降りません!みぞれと風花はほんのちょっと舞いましたが、
積るほどの本格的な雪は未だにです。外回りをなさってる方々
にとってはただただ迷惑なだけでしょうが、一度ぐらいは雪化粧した
東京の街をじっくりと観てみたいものです)

09年2月9日(月)
 ブリ大根、なます、サラダに、糠味噌、と末は卸され吾が腑を満たす

(たかが大根、されど大根!、それも青首大根一本です。
今時珍しい大きなものを98円で買ってきた女房殿が、
腕を?ふるって作ったものですが、何れもが美味しく、
大根の素晴らしさを満喫しました)
(卸され=大根おろし、に)

09年2月8日(
 吾をヘルパーに託して出掛けし女房はけふのひと日を歌姫となりぬ

(今日の会はカラオケの愛好者200人程が一堂に会して、
日頃の練習の成果を発表するものです。
歌うのは一曲で2コーラス、たった2分ほどの出番ですが、
10時から夜の7時までを大音響に包まれて仲間と一緒に過ごす
んですから、きっと今頃は亭主を忘れて夢中になってるものと思います)

09年2月7日(土)

 「拘縮」を予防すマッサージは強縮せし内なるものをも融き解しくるる

(拘縮予防と浮腫み除去を目的とするマッサージを週二回と、看護婦さん
によるそれを週三回受けていますが、ハードな部分は僅かであとは心地の
良いマッサージです。お陰さんで、心身ともに融き解されて何時の間にか
眠りに落ちてしまうという至福の刻を過ごしています。・・・・・・・・・・・・・・)
(拘縮・皮膚.筋肉などの関節周囲の軟部組織の収縮によって起こる、
関節の動きが制限された状態。・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(強縮・硬くこわばること。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

09年2月6日(金)
 錠剤を咽に詰まらす苦しみを知っちゃいましたまさかの我が

手も足も声も出なくば苦しみを訴ふ術を如何とせんや

呑み下すたびに身体が思ひ出す錠剤詰まらすあの苦しさを


(不覚にも錠剤を喉に詰まらせて(正確には貼り付いて)しまいました。
食事は勿論服薬に至るまでを、喉を通す時は必ず天井から吊るした
ブランコに顎を乗せて呑みこんでいます。首の筋力が落ちて頭の
重みを支え難くなってのことと思いますが、この時は、新聞を読み
ながらそれも左上に目をやりながらという不届きなことをしてました
ので反省しきりです。それにしても、あの苦しさを自分ではどうする
ことも出来ないのに、助けて!を知らせられない恐怖、今後の課題です)

09年2月5日(木)
 冬陽さす梢にかたき花芽らは青空あおぐ春立ちし日に

(きのうは立春で暦の上では春の到来ということでしょうが、
暖冬とはいえ、まだまだ春だ!花だ!と浮かれるような陽気ではありませんね。
この歌にある花芽とは桜の蕾のことですが、冬芽とも呼ばれるように固く
縮こまったままに、寒さが緩むのを待っているようです)

09年2月4日(水)
 チョコレートの二の舞ならん「恵方巻」に乾海苔業者の福笑ひ見ゆ

(「恵方巻」の起源はいくつもの説があり定かではないようですが、
江戸時代末期から明治時代初期にかけて、大阪船場の商人による
商売繁盛の祈願事として始まったという説が有力のようで、それ以降に
節分の日に一年の災いを払うための厄落としとして年中行事化したようです。
「恵方巻」の習慣は、昭和初期の大阪では船場の商人の間で行なわれ、
戦後に一旦廃れるも、70年代から大阪海苔問屋協同組合と寿司組合が
結託して、巻き寿司販促キャンペーンとして広められたようです。
尚、この習慣が今のように全国的に広まったのは、コンビニでの販売とテレビの
CM放映がお祭り好きをくすぐったのに加え、スーパーや持ち帰り寿司屋さんが
商機!とばかりに参戦してきたのが全国的に定着した要因のようです。
とは言え「海鮮巻き」とか「ロールケーキ」などが登場するに至っては、およそ
縁起とか厄払いとは無関係の「商魂」だけに踊らされてるようにしかみえませんね。
そういう私ですか?、勿論!食べていません)

09年2月3日(火)
 鬼を討つ豆を前にし思ひ馳す 我を取り巻く<鬼>とはなんぞや

(節分です、豆まきです、寒の明けです。
文字通りに季節を分ける日ですが、家に棲む「鬼」とやらを追い出す日でもありますね。
今では神社仏閣での「お祭り」と化して、個人の家では小っちゃなお子さんのいらっ
しゃるご家庭ぐらいしか、「豆まき」は遣らなくなったように見受けられますね。
それにつけても、手に負えない程の「?」が我が身の周りにも居ますが、
何をもって「鬼」として追い出すか?、ちょいとばかり考え込んでしまいました)

09年2月2日(月)
 二時間ゆ水森かおりのサウンドに酔ひ痴れ妻は多弁となりぬ

(近所の練馬文化センター大ホールで行われた、演歌歌手「水森かおりのコンサート」を
観に行ってきた妻が興奮覚めやらずって感じで、ステージの素晴らしさを滔々と語り、
昨晩私に何度も起こされ、寝不足で眠い!と出て行ったのを忘れてしまったようです。
プロのステージを生で聴いて、自分の歌との違いを身に沁みて感じたようで、
お腹から声!お腹から声!と念仏のように唱えていましたので、今後が楽しみ?です)

09年2月1日(
 愛しきや幼馴染と共にせし食べ呑み駄弁る五時間余り

(私の食べたり呑んだりはほんのお印程度ですが、お喋りは相変わらずですので、
5時半までには自宅へ帰る約束で出てきたお人を、その5時半まで引き留めて
しまいました。電車を乗り継いで1時間弱、きっと旦那さんご機嫌斜めだったろうなぁ!)

09年1月31日(土)
 降りしきる雨に風さへ寒中にそぐはぬ温さを残して往きぬ

寒中の雨に【70%】を胸に点けリビングの加湿器は大あくびせん


(昨日から降り続いていた雨に、明け頃になって強い風が加わりました。
本来なら吹雪いたって可笑しくない筈ですのに残念?でした。
お昼頃には雨は止みましたが、風が北の冷たいものに変わって暮れました)

09年1月30日(金)
 【派遣切り】【雇ひ止め】とは薄情な昔の【首切り】よりは良かれど

(酷いご時世です。この後どう推移するのかを明確に仰る方はいないようですが、
今日発表された失業率は4.4%と悪化を辿り、非定期労働者の失業数は
12万4800人と目を覆うばかりです。【派遣切り】【雇い止め】などと耳障りの
いい言葉に置き換えられてはいますが、実際は【首切り】ですからねぇ)

09年1月29日(木)
 庭すみに稔りし金柑砂糖煮となりて吾が腑におちるしあわせ

(先に、ヒヨドリ君に見守られて収穫した金柑の歌(1月19日参照)を
アップしましたが、今日その砂糖煮を食べてみて意外と美味しいのに
感心しました。妻の言うには煮た人の腕がいいからよ!だそうですが)

09年1月28日(水)

 冬枯れのつつじパークに身をおけばふくら雀の鳴き音も寂し

人影の失せし園庭冷えこごり緑失せたるつつじ樹ばかり


(晴れて無風温かい!、との予報を信じ!明日は散歩を、と段取りをお願いした手前、
寒いので中止というわけにもいかず、厚い雲に覆われどんよりと冷え込んだ中を
重装備で出かけました。何時ものコースをゆっくりと歩いてクライマックスは
つつじ公園、人影どころか土鳩の姿さへ無くて、僅かに冬毛で
膨らんだスズメらだけが餌を漁っていました)

09年1月27日(火)
 白線をひきゆくジェット機青空に淡き白雲のこし航(ゆ)きたり

(我が家の南方上空が、羽田から日本海側への航空路となってるようで、
飛行機雲がよく見られますが、今日はお昼前の一時間ほどで、折角の青空が
白く濁ってしまう程、後から後から何本も何本も飛行機雲を残してゆきました)

09年1月26日(月)

 澄みわたる冬空のもと吾の裡に巣食ひしものに囚われ寒し

(訳もなく、ではなくって訳あっての事ですので始末が悪い?です)

09年1月25日(
 突然の真っ暗闇に目を奪(と)らるパソコン破壊の悲劇としらず

四年余を我と暮らしを共にせしパソコン瞬時に鉄くずと化す

パソコンを失くし覚ゆる寂しさは手足もがれし案山子のごとし


(パソコンの故障とは何の前触れもなく突然くるものですね。
遣ってた物が日立の製品で、古い?から部品が無かったりするので、
 新品をお買いになった方が、との有難いお言葉を信じて急遽買い求め、
息子とパソボランの方のお力で先程から遣えるようになりました。
それにつけても、パソコンの無い生活が私にとってこんなにも不便で、
虚しいものとは、当に手足をもがれた案山子でただ座り込んで居るだけでした)

09年1月22日(木)
 投稿をあきらめ開く「歌壇」欄に吾が名を探す癖の抜けざる

(日記の積もりで詠んでる短歌ですが、こちらへアップするだけでなく、朝日新聞の「歌壇」
へも自信作?を投稿してました。がしかしです、週に一,二首のペースで送ってましたが
入選掲載されたのは過去に二首だけ、それも一年に一首づつですから自分に呆れて、
去年の始め頃を最後に投稿を休んでいました。当然!入選歌の中に私の名前など
有ろう筈など無いことは分かってるくせに、月曜の朝刊を開くやいなや一通り目を
通すんですからこれまた呆れます。と書いてきて、また始めようかな?と気持ちが
動きましたので、そろそろ投稿を再開してみようと思いますが、ボツの連続を
喰うと気が萎えてしまいますので、ボチボチとしたく思います)


09年1月21日(水)
 民衆(ひと)は何故オバマオバマと沸き立つやチェンジと叫ぶだけの男に

チェンジせしオバマに浮かれし米国民
(こくみん)は何処から来て何処へ往くや

国政を担ふ男に夢を見る米国民の<夢>に逢ひたし


(アメリカ合衆国の大統領が、ブッシュからオバマへチェンジした事は皆さんもご存知
の通りですが、あの就任式の大騒ぎはいったい何を物語っているのでしょうか?。
初の黒人大統領ということで同じ肌色の人々が沸き立っているように見えますが、
自信を失いつつある3億人とも言われる米国民が、どのような夢を見、その夢の
実現を叶えてくれるようオバマ新大統領に託しました。果たして夢でなくなる
時が来るや否や、同盟国日本としても注視し続けなければ、と思います)


09年1月20日(火)
 今日もまた訃報の届く病む我を励ましつづけてくれゐし同業者(ひと)

(去年の秋以降私の病友が一人と、カラオケ仲間が二人亡くなって正直心穏やか
には過ごせない毎日ですのに、昨日、同業(蕎麦屋)のご主人が突然亡くなった、
との知らせを受けました。ご近所で蕎麦屋同士ということでしょう、随分と私のことを
心配してくれて、逢う度に励ましてくれてた人でしたのに、私より先に逝って仕舞われ
ました。それにしてもです、どうしてこうもバタバタと私の身の周りの方々が亡くなら
れるんでしょう?、元気で平均寿命には程遠い方達でしたし、引導を渡されている
私を措いてですから悼ましい事です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・合掌)


09年1月19日(月)
 金柑を摘み獲る妻をヒヨドリは如何に見ますや電柱の先端(は)

(庭の金柑が超小粒ながら熟してヒヨドリたちを呼んでいました。
今年のはどうしたものか皮が硬いので食べるのにどうかと逡巡してましたが、
昨日妻が収穫し早速砂糖煮にしたようです。面白いのはヒヨドリ君、
ピーピー鳴いて見守って?ましたがやがて諦めたんでしょう何処かへ
飛んでってしまい、今日は一日中姿を見せずじまいでした)


09年1月18日(
 大欠伸なして座ぶとんは国技館に朝青龍の負ける日を待つ

舞ひたくも舞へぬ座ぶとん国技館に出番を待ちぬ大欠伸しつつ


(朝青龍が負けません。大方の相撲通及びファンは、三、四日目には引退会見をする
だろうと考えていた筈ですが、勝負事は難しいですね、今日も勝って8戦全勝です。
大方の期待を裏切った形ですが、悪役ぶりは相も変わらずで、横綱の品格など我関せず
と言わんばかりの振る舞いです。昨七日目の嘉風を、土俵の外まで追いかけて背中を突く
などという暴挙をやってのけるんですから、とうてい横綱などと呼べる器ではありません)


09年1月17日(土)
 冬日射す朝刊紙面に陽炎の踊るひとときを居間に憩ひぬ

揺れ踊る陽炎透し読む記事の活字は躍る不景気不景気と


(朝からピンカンの冬晴れ、ガラス窓を透して射し込む光が、読んでる朝刊紙面に揺れ
る影を映していました。どうやら結露が蒸発する際に空気が揺れながら昇ってゆくもの
の影だったようです。歌で遣った「陽炎」とは全く異質のものですが、実際には目に見え
ないものの影が陽炎のように揺れて見えたところから「陽炎」としたものです、ご容赦を)


09年1月16日(金)
 冬空のグラデーションに囚はれぬ青碧紺(あおあお)に茜色さへ



(雲一つ出ないままに暮れようとしています、刻々と変化してゆく様に、目を奪われて)

09年1月15日(木)
 朗々と歌会始めはさまざまの<生>を詠ひて厳かなりし

冬晴れの皇居に集ふ歌人
(うたびと)はこぞりて<生>を謳ひてをりぬ

<生>一字短歌
(うた)に織りこみ詠ひたる老若男女に想ひを致す

(正月十五日の今日、冬晴れの皇居に於いて恒例の「歌会始め」が行われました。
お題は「生」一般から選ばれた10名の歌から順次、あの独特の節回しで朗詠されました。
少々短歌をかじる私であれば、入選して皇居へ・・・などと夢だけは見つつも、
一度も投稿してないんですから叶う筈がありませんね)


09年1月14日(水)
 亡きあとは海へ山へと散骨を!風になります宙(そら)ゆく風に

亡きあとは海へ山へと散骨を!墓石の下は暗ふて好かぬ

亡きあとは海へ山へと散骨を!自由を尊び七十年余

亡きあとは大海原へと散骨を!母なる海に永久の眠りを

亡きあとは七つの海へと散骨を!太陽、月の昇り出ずそへ




09年1月13日(火)
 物置にへら竿あまた眠らせて魚拓の囲む室(へや)に臥せをり

(25年間も入れ込んだ「へら鮒釣り」でしたが、遺ったのは10数枚の魚拓と
釣り道具だけ。中でもへら竿は、2セット(1セット6本)持っていた内の
1セットは未だに手放せず物置小屋に眠ったままですが、魚拓は
額に入れて私の部屋に飾り当時を想い起こしたりしています)


09年1月12日(
 おお来たかどこへ行ってたツグミ奴よ赤い実食みし後何処へ往(い)ぬや

(南天の木に鶫が彼?特有のポーズで留まっていました、
渡り鳥ですがこの冬初のお目見えです。
何粒か残ってたのを啄ばんだんでしょう西の方へ飛び立ってゆきました)


09年1月11日(

 鏡餅開きし朝のリビングは雑煮の美味き匂ひに満ちる

(正月十一日の今日はどちら様でも鏡開きをなさるものと思いますが、
柔道の初稽古の後で、餅入りのお汁粉を祝う講道館の鏡開きは、
風物詩としてテレビニュースが毎年のように伝えていますね)


09年1月10日(土)
 懸命に介護技術の講習を受けゐる人らを観るに頼もし

頼もしきヘルパーさんはALSを演じつつ受く介護のいろは


(古武術を応用しての介護技術の講習会へ参加してきました。勿論私は観るだけ。
受講者は現役のヘルパーさんと看護師さん。皆さん大変熱心で、
全身の力を抜いてALS患者に成り切り、古武術介護のいろはを
体験なさった方もいるほどで、受ける側の私にとっては大変頼もしい講習会でした)


09年1月9日(金)
 明け遣らぬ街に舞ふ初雪(ゆき)儚くて人目を忍ぶ女人のごとし

東京に降りし初雪人知れず未明の街に淡淡
(あわあわ)と消ゆ

【】
(東京都心に初雪が降った!と気象庁が発表しました。
と言っても6時前に雪未満、霙以上状態のものが降ったようで、
8時に起きて外を見ても全くその姿を留めていません。平年より7日遅く、
去年より7日早かったようですが、ほんの束の間の降雪でも記録として認定





です)


09年1月8日(木)
 切る人がゐればこれまた救う人不況を背(せな)に丑年は往く

(牛イコールユックリズム、
この不況が一年を通して続かないよう祈るのみです)


09年1月7日(水)

 喉を越す七草粥の熱ささえ吾がものなれば愛しきものよ

口にする七草粥の無味無香ハウス育ちを肯ふばかり

栽培の七草まへに暗唱すどれがどれだか知らぬがままに



せり   なずな     ごぎょう   はこべら     ほとけのざ  すずな   すずしろ 

(セリ) (ペンペングサ) (ハハコグサ) (ヒヨコグサ) (コオニタビラコ) (カブ)  (ダイコン)

*せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ 七草*
(こうして見て初めて気が付きました。これ立派な短歌(三十一音)になっています。
どうりでリズムがいいはずですね。
芹、蕪、大根以外が野に在る雑草だとは知ってはいましたが、ペンペングサやヒヨコグサと
聞くと少々抵抗がありますね。昔の人は野菜として重宝されていたんでしょうが)


09年1月6日(火)
 うつうつと正月六日は暮れゆきて寒さばかりが澱みぬ闇に

(テレビ、新聞、何処を見ても不況、不景気の字が躍っています。
私のみならず全国民が目に見えぬ何かに脅えているような新年が動き出しました。
私は、プラスすること病友の死、こればかりは・・・・・参りました)


09年1月5日(月)
 目出度きは一月五日月曜日初セリ初荷初取引と

スタートに今が底とふ不景気を足蹴にしたき正月五日

一斉に動き出したる世に在れど動かざる吾はALSにねまる


(永かった(27〜4)正月休みがやっと明け、
今日5日から世の中が一斉に動き出しました。
不景気、不況と喧しいことですが、皆〜んなが
ニコニコ過ごせるような世の中になってほしいものですね)


09年1月4日(
 帰りゆく孫娘(まご)を目で追ふ来し日よりけふあることは判ってゐしに

(足掛け6日の滞在でしたが、8月以来に心身共にした成長ぶりを、
存分に見せてくれました。別れは辛い!は何時ものことですが)


09年1月3日(土)
 正月はとにかく目出度しそはあれどALSを忘るに足らず

快晴で空っ風吹く三が日を寿ぐ、あしたが見えぬがままに


(東京の三が日は強い冬型の気圧配置となり、ギンギンの冬晴れが
今日も続いています。この後徐々に冬型が崩れ穏やかに晴れる
ようですが、昨日ディズニーシーで遊んだ孫娘にとっては、
アトラクションが強風の為に中止になったこともあって、
憎ったらしい空っ風だったようです)
(正月早々、それも三が日の全てがぼやき節になってしまいました、どうぞご容赦ください)


09年1月2日(金)
 白昼夢見るだに虚し両の手を女孫とつなぎ歩まんなどと

(今、9才と5才の孫娘が来てますが、抱くことは勿論手を繋いで歩くなんてことは、
夢また夢の、そのまた夢の中で見る夢でも適いそうもないことだろうことは、
充分過ぎるほどわかってはいますが・・・。初夢ならぬ白昼夢です)


09年1月1日(



(迎えられました新年が佳いものでありますよう心より祈念申し上げます)

 おはよう!の声に目覚めし元旦もヘルパーさんの手にて明けたり

(病人にお正月はありません!と言ったら叱られそうですが、
ヘルパーさんとて同じで何時もどうりに来てくれ、
何時もどうりの介護をしてくれました。頭が下がる思いです)

 病友の訃報を胸に年の瀬をやっと越えたる元朝(あした)の眩し

(彼とは、メールやネットを通してだけのお付き合いでしたが、ALSが治る、
治らないに始まって、介護の事でも随分と遣りあったものでした。
ご自分のホームページでは「ALS相談室」を開設して新患さんの相談にのったりして
たんですが、まさか心臓不全で逝去されようとは、突然のことで正直取り乱しています)



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